物質の電気抵抗がマイナス135度Cからマイナス270度C以下の温度でゼロになる現象を超伝導という。一方、発電機は機械的なエネルギーを電気エネルギーに変換する機器だ。風力や水力、火力などを使ってコイルを回転させ、電気エネルギーを発生させる。発電機に超伝導電材料を利用すると、発電用コイルの電気抵抗がゼロになるため、発電効率が向上して発電機の容量も大きくなるという利点がある。
現在、室温でも超伝導の性質をもつ常温超伝導材料の探索が世界中の研究機関によって続けられている。もし常温超伝導材料が発見されれば、発電など超伝導利用によるエネルギー・環境分野の技術開発が進むといわれている。2008年7月に開催された北海道洞爺湖サミットでは、各国メディアの取材拠点となった国際メディアセンターで、電力ロスのない超伝導による送電線が展示されて話題を呼んだ。