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「塩害(土壌)」 とは

読み:
えんがい
英名:
Damage from Salt Water

土壌に塩分が集積し、土壌環境や農地などに深刻な被害をもたらすこと。乾燥地域で農業開発のためのかんがいを行う場合には、土壌に含まれる塩分の溶けた水が毛細管現象で引き上げられ、強い日差しで水分が蒸発し、結果として塩分が濃縮されて土壌表面に蓄積される。塩分が土壌中に過剰に存在すると、土壌の単粒化や緊硬度が高まり、土壌の透水性が低くなる。このため、排水不良による作物の根腐れが発生し、農作物などに大きな被害を与える。

塩分の蓄積を防ぐには、水で塩分を洗い流すリーチングと呼ばれる除塩作業が必要となる。しかし、リーチング用の水が不足していたり、リーチングを行っても塩分が地下水に流入したりして、塩分濃度の高い地下水が数十年の後に作物に被害をもたらすこともある。

塩害は、アフリカ、中近東、中国など世界中で深刻化している。降雨量が多い日本では、土壌中の塩分が雨に流されるなどして、地表面からの水分の浸透圧力が高いために地下水が上昇しにくく、塩害が起こりにくいとされてきた。しかし、塩害は台風、高潮、津波などの災害による農地の冠水や地盤沈下、地下水への海水浸入などによっても発生する。東日本大地震では大規模な塩害が各地で起こった。

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