世界保健機関の略称。世界保健憲章に基づき、国際連合の専門機関として1948年に設立された。「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的に、国際的な保健関連事業の調整・援助、伝染病や風土病の根絶、保健関連条約の提案・勧告、医療・衛生に関する国際基準の策定など、幅広い活動を行っている。加盟国は2009年１月現在で193カ国・地域と２準加盟地域。ジュネ−ブに本部があり、最高意思決定機関の世界保健総会は全加盟国で構成され、毎年１回開催される。このほかに、執行理事会や地域的機関などがある。
WHOの事業は、医学情報の総合調整、保健事業の指導・調整、各国への技術協力、感染症及びその他の疾病の撲滅、研究の促進・指導、生物学的製剤及び類似の医薬品、食品に関する国際的基準の発展・向上など多岐にわたる。環境関連では、大気汚染モニタリングの実施、飲料水質に関するガイドラインの提示などを行っている。また、下部機関である国際がん研究機関（IARC)は、化学物質などによる人への発がん性の強さを分類している。2011年には、IARCが携帯電話の電磁波と発がん性との関連を指摘して波紋を広げた。
