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「ISO26000」 詳細解説

読み:
ISO26000
英名:
ISO26000

社会のなかで企業が果たす役割が増えるとともに、企業をはじめとする組織の社会的責任(CSR)への関心が高まっている。深刻化する環境問題や、経済的な格差の拡大、企業による不祥事の発覚なども、この傾向に拍車をかけている。企業が、市民や株主、従業員、顧客、地域社会などの多様なステークホルダーとの対話を通じて、経済・社会・環境の各側面で企業価値の向上を目指す社会的責任(SR)に取り組むことは、持続可能な社会をつくっていくためにも欠かせない。

こうした状況を踏まえて、ISO(国際標準化機構)は、SRの実施に関する手引き(ガイダンス)となる国際規格のISO26000を制定し、2010年11月に発行した。ISO26000の特長は、国際規格ではあるもののあくまでガイダンスであり、ISO9000やISO14000のように要求事項を示した認証規格ではない点だ。全7章からなり、第6章で、組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティーへの参画と発展の7つの中核主題を掲げている。

ISO26000は、企業などの組織に対して、これら7つの主題のすべてを完全に満たすことではなく、それぞれの組織との関連性や重要性を考慮した上で、具体的な取り組みを判断すればよいとしている。ここが、認証制度によるマネジメントシステムの構築を企業に求める従来の規格とは大きく異なる点だ。

ISO26000の制定にあたって、日本では国内対応委員会が設置され、産業界、政府、労働者、消費者、NPONGO、その他の6つのステークホルダーによる検討と対応が行われた。2008年には、社会的責任向上のためのNPO/NGOネットワークが設立された。また、ISO26000に対応したJISの策定については、経済産業省が2012年4月までにJIS化を行う方針で作業を進めており、2011年10月に原案がJIS化本委員会で承認された。

一方、国際的には欧州や南米、アジアなどの各地で、ISO26000に基づく法制化や規格化の動きが進みつつある。また、大企業だけでなく、中小企業やNGO/NPOなど規模の小さい組織でも、ISO26000の中核主題を実践しようという動きがみられる。

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