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「二酸化炭素回収・貯留(CCS)」 Q&A解説

読み:
にさんかたんそかいしゅう・ちょりゅう
英名:
Carbon Dioxide Capture and Storage
  • Q: CCSってお金がかかるの?
    二酸化炭素回収・貯留(CCS)技術の実用化には相当な費用がかかるらしいが、どの程度なのか?

    A: CCSは、発電や製鉄業などで排出されたCO2を、大気中へ出さずに地中や海洋などにため込む技術だ。地球温暖化対策として、日本をはじめとする世界各国で技術開発や制度面での整備、実証プロジェクトなどが進められている。一方で、CCSを実現する上でいかに費用を安くするかが課題となっている。経済産業省の研究会がまとめた報告によると、CCSによってCO2を回収・貯留するのにかかる費用は1tあたり5000円から1万数千円。ほかの温暖化対策よりも経済性を高くするには、1tあたり3000円ほどにおさえる必要がある。また、CO2の分離・回収から昇圧までの工程で、CCSにかかる費用全体の6割を占めることから、分離・回収などのコストをいかに低くするかが課題だ。政府は「低炭素社会づくり行動計画」で、CO2の分離・回収コストを2020年代には1000円台にまで下げて、実用化を目指すとしている。

  • Q: CCSをめぐる世界の動きは?
    先進国や新興国など世界の国々による、CCSへの取り組みはどのような状況にあるのだろうか?

    A: 排出されたCO2を、大気中に出さないで地下や海洋などに貯留する技術がCCSだ。IPCCやCOP、G8、APP、ロンドン条約など国際的な話し合いの場で、導入に向けた議論が行われている。また、欧米諸国や産油国などで具体的なプロジェクトが進められている。EUでは、2005年に始まった第2次欧州気候変動プログラム(ECCP)でCCSが検討されている。また、英国は、化石燃料利用における炭素削減技術に関する戦略の中でCCSの推進を明記。このほかにも、1) オランダ、2) ドイツ、3) ノルウェー、4) 米国、5) カナダ、6) オーストラリアなどがCCSを実施、または導入を検討。ノルウェーのスライプナーでは1996年から年間100万tのCO2が貯留されている。さらに、これらの国や日本などの先進国と、中国やインドなどの新興国との間で、CCSに関するプロジェクトが行われている。

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