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「コミュニティビジネス」 詳細解説

読み:
こみゅにてぃびじねす
英名:
Community Business

企業活動は、事業としていかに収益をあげて拡大していくかに力が注がれがちである。一方、ボランティアのような市民活動では、地域貢献などの社会性に重点が置かれている。コミュニティビジネス(CB)は、企業では対応できない地域や社会の抱える課題について、市民が主体となって、多様で柔軟なサービスをビジネスの手法を活用しつつ提供して解決していくもので、両者の利点を活かした、地域性・社会性と、事業性・自立性を伴った事業活動だ。一般に対価を得るビジネスの形をとるが、最低限の利益を確保することで活動を維持し、できるだけ長期に安定的に財・サービスの提供を行って地域社会の課題解決に貢献することを目的としているところが、通常の営利企業との違いである。

コミュニティビジネスは比較的新しいビジネスであり、サービスの担い手の形態は、株式会社、有限会社、NPO法人、商店街などさまざまである。それぞれが、試行錯誤を繰り返して取り組みが行われている。活動分野に限定はなく、保健・医療・福祉、教育、まちづくり、学術・文化・芸術・スポーツ、環境、災害救援・地域安全活動、人権擁護、国際協力、IT・情報社会、科学技術、地域資源活用、職業能力の開発・就業支援、消費者保護、観光など多様である。また、その活動範囲は通常、市町村の行政区域に関係なく、課題に係る地域となる。

コミュニティビジネスには、雇用の創出だけではなく、若年者や高齢者に対する社会参加・自己実現の場の提供、地域の特性を生かした地域社会づくり、地域の活性化・再生など、さまざまな面での効果が期待される。近年、社会のあり方、個人の生き方の多様化が進む中で、コミュニティビジネスによる過ごしやすい地域社会づくりが注目を集めている。
たとえば、高齢化に伴う介護、女性の社会進出に伴う子育て支援、身障者の社会参加のサポート、さらには、引きこもりや落ちこぼれ、学級崩壊、学力低下と言った子供を巡る諸問題への対応など、日本では、社会の変化を背景にして、多様化、複雑化した要求が生まれている。従来、新たなニーズに対しては、それが採算に乗るならば企業が、そうでなければ公的サービスが対応してきたが、近年、公的サービスが縮小傾向にある中、これら地域的な課題に対して地域住民が主体的に解決するコミュニティビジネスに期待が集まるようになってきたと考えられる。

経済産業省では、事業者やNPO、市民などが連携して環境に配慮したまちづくりに取り組む環境コミュニティビジネスを育てるためのモデル事業を公募しており、2006年度は14件が選ばれた。また、同省の地方ブロック機関である関東経済産業局では、コミュニティビジネスの創出推進に取り組んでおり、コミュニティビジネスに関する調査研究や、ホームページ、メールマガジンなどによる情報発信、交流会やシンポジウムの開催を行っている。また、コミュニティビジネスを側面から支援する中間支援組織を地域に設立する活動なども推進している。

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