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海野和男のデジタル昆虫記

連載「日本昆虫記」20 ギンヤンマ

連載「日本昆虫記」20 ギンヤンマ
2010年04月24日

ギンヤンマは4月末から11月頃まで日本全国で見られる大型のヤンマです。翅を広げると10cm以上もあります。大空を悠々と飛ぶギンヤンマはあこがれの的でした。普通に見られるのですが、いざ捕らえようとすれば、ものすごいスピードで飛び去ってしまいます。そしてこちらをばかにするように、またゆっくりと飛び回っているのです。ギンヤンマは4枚の羽をバラバラに動かすことで、空中に静止したり、急旋回するなど、とても素晴らしい飛翔能力の持ち主です。
 オスは決まった場所を行ったり来たりして、縄張りを張る習性があります。ときどきホバリングといって静止飛行をするので、その時が捕まえるチャンスです。けれど。大きな目はとてもよく見えるので、たいていは先に気づかれてしまうから、空振りばかり。
 メスは成熟すると翅が黒っぽくなる。運良くメスを捕まえたら、オスを捕るチャンスです。ギンヤンマのオスはメスを見つけるととびかかってくる習性があります。だからメスを糸で結んで、飛ばせば、面白いようにオスが採れるというわけです。これはトンボ釣りと呼ばれていました。
 オスとメスはつながったままで、水の中の植物などに産卵します。他のオスにメスを取られないように、オスはつながったままでいるのですが、時々は他のオスが来て、メスを奪っていってしまうこともあります。ギンヤンマは水草の多い池や、休耕田などに卵を産みます。そうした場所が少なくなれば、たくさんいるギンヤンマも減ってしまうのです。

休耕田の上でホバリングしているギンヤンマのオス(上)、休耕田で、草につかまって産卵しているところ。

小諸日記は10周年。過去の日記は5年前4月   10年前4月

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