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海野和男のデジタル昆虫記

連載「日本昆虫記」15 ミヤマモンキチョウ 氷河時代の生き残り

連載「日本昆虫記」15 ミヤマモンキチョウ 氷河時代の生き残り
2010年04月19日

 ミヤマモンキチョウは年に一度だけ7月に、浅間連峰と北アルプスの標高2000m以上の高山帯だけで見られる高山蝶です。国外ではヨーロッパ北部やアラスカなど北極を取り巻く寒い地域に住むチョウです。大陸と日本が陸続きだった氷河時代に日本にやってきて、気候が暖かくなり、高山帯に取り残されたチョウと言われています。
 オスは黄色、メスは白色で、どこででも見られるモンキチョウに似ていますが、翅に美しいピンク色の縁取りがあるのが特徴です。地球の温暖化が言われていますが、今より暖かくなるとミヤマモンキチョウなど、高山帯にしか住めない昆虫は、日本からいなくなってしまう可能性だってあるかもしれません。
 ミヤマモンキチョウの住む山の頂上で普通のモンキチョウに出会いました。オスのモンキチョウが産卵しようとしていたミヤマモンキチョウのメスに求愛していたのです。産卵をじゃまされたミヤマモンキチョウは迷惑そうです。
 小学生の頃にはじめてミヤマモンキチョウに出会ったときは、こんな高い山の上にモンキチョウは見られなかったと思います。地球が暖かくなって、ミヤマモンキチョウにとって、日本はだんだん住みにくくなっているのかもしれません。

ミヤマモンキチョウのメス(下)に求愛モンキチョウのオス(上)、幼虫が食べるクロマメノキに産卵するミヤマモンキチョウのメス。
小諸日記は10周年。過去の日記は5年前4月   10年前4月

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