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海野和男のデジタル昆虫記

連載「日本昆虫記」14 オオムラサキ

連載「日本昆虫記」14 オオムラサキ
2010年04月18日

 オオムラサキは日本の国チョウ。北海道から九州に住んでいます。幼虫がエノキの葉を食べ、チョウになるとクヌギやコナラ、ヤナギなどの樹液、腐った果物などから汁を吸います。雑木林の多い里山と呼ばれる環境がオオムラサキが住む場所です。
 年に1回、6月末から7月末まで見ることができます。オスはその名の通り紫色に輝く羽をもっています。メスは翅を広げた大きさは10cm以上もあり、オスより大きいけれど、色は茶色で少し地味です。
 オスは木の梢にとまって、なわばりをはっています。他のチョウが来るとすごい勢いで追いかけていきます。鳥さえ追いかけることもあり、その力強く飛ぶ姿はとても格好良いものです。飛ぶ力が強く、大きな体で樹液をたくさん吸うので、広い雑木林がないとオオムラサキは生きていくことができません。
 冬にエノキの木の落ち葉をめくると、幼虫がひっそりと越冬しています。人間が落ち葉を集めて燃してしまったりすると、オオムラサキの幼虫も死んでしまいます。エノキの木は大きくなるので、じゃまになって切られてしまうこともあります。春に木に登ろうとした幼虫が困ってしまう姿を見ることがよくあります。

樹液に集まるオオムラサキ。木の中に潜り込むボクトウガというガの幼虫が住んでいる木が樹液をよく出す(上)、エノキの葉を食べる終齢幼虫。エノキの木の葉だけを食べるからエノキがないと生きていけない(下)

小諸日記は10周年。過去の日記は5年前4月   10年前4月

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