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海野和男のデジタル昆虫記

連載「日本昆虫記」4 ギフチョウとヒメギフチョウ

連載「日本昆虫記」4 ギフチョウとヒメギフチョウ
2010年04月08日

 待ちに待った春。冬の間はチョウに会えないので、春一番のチョウとの出会いは子供の頃からとても楽しみでした。春の女神とも呼ばれ、一年に一度だけ、サクラの咲く季節にだけ出てくるギフチョウは、日本の本州だけに住むアゲハチョウの仲間です。翅を広げた大きさは6cmぐらい、明治時代に岐阜県で初めて見つかったのでギフチョウと名づけられたのです。
 ギフチョウが住んでいるのは人里の近くの広葉樹林。早春の林の中は、日の光が林床まで届き、春にだけ花を咲かせるカタクリなどの花に蜜を求めて舞い降ります。日の光の入らない暗い杉林や手入れの行き届かない林には住むことができないチョウです。
 長野県から北海道にはよく似たヒメギフチョウが住んでいます。ギフチョウとヒメギフチョウはどういうわけか、一緒に暮らせないらしいのです。それで2種のチョウの住んでいる地域の境界線をギフチョウの仲間の学名をとってルードルフィアラインと呼んでいます。山形県の鮭川村のように2種類のチョウが一緒に見られる貴重な場所もあります。そういった場所は皆で残していかなければいけないと思います。


上は早春に花を咲かすカタクリに同じ季節にだけ出てくるギフチョウが蜜を吸いにやってきた。下はヒメギフチョウ。
今日のハワイ昆虫記はハワイのキジラミ、長野県からはコケオニグモ

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