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海野和男のデジタル昆虫記

今日のマクロレンズ(ビビターとパナゴール)

今日のマクロレンズ(ビビターとパナゴール)
2002年01月18日

左はビビター55mm2.8、右はパナゴール90mm2.8マクロだ(いずれもミノルタMDマウント。)
 ビビターは70年代、パナゴールは80年代のものである。いずれもダブルヘリコイドで等倍まで撮影可能なレンズで自動絞りだ。(両ブランドとも55mmと90mmがある)この2本のレンズは日本製で、同じメーカーの製作である。ビビターはアメリカのレンズ、用品などカメラ用品の総合発売元で、ビビター製の商品はそのほとんどが海外に発注して作らせたものであった。レンズは普通のシリーズとシリーズ1という高級レンズの2系統あり、レンズは日本製のものが多かった。
 ビビターのマクロレンズで最も有名なのはシリーズ1の90mm2.5マクロである。90/2.5マクロはNASA設計といわれるレンズで、開放での解像度は群を抜いて世界一を誇ったと思う。このレンズは当時から刻印の色や数字の字体などからトキナー製だと思っていたが、果たして、ずっと後になってトキナーからデザインは異なるがまったく同じ商品が出た。
 しかしなんといっても今日の写真の90mm2.8マクロはマクロの王道をいくレンズで、絞り込むと実にシャープなレンズである。今日は見つからなかったが70年代後期にオリンパス用のビビター90mm2.8はぼくの常用レンズであった。アメリカから直輸入したが、値段が安かったこともあるが、当時は等倍まで自動絞りで使えるマクロレンズは日本にはなかったからだ。アメリカのカメラ雑誌のを見て、通信販売で購入した。日本製のものも輸出専用のものが多く、わざわざアメリカで買わなければならなかったわけだ。
何本か輸入して、友人に譲って喜ばれたのだった。
 ビビターがこのマクロレンズの発売をやめて間もなく日本でも発売されたのがパナゴール90mm2.8マクロだ。まったく同じものだが使ってみるとハレーションが多かった。ビビターでは商品管理が行き届き、日本のメーカーに内面反射などについても細かい注文が付いたのだと思う。 
 パナゴールも後期のものはビビター同様にハレーションは改善された。日本製のブランドが世界の一流品として認識されつつある70年代後半から80年代中期にかけての物語である。

◎クラシックカメラで自然を撮る2002年初夏出版予定

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