
乃木坂46の1期生としてデビューし、卒業後はタレント・プロ雀士・経営者としても活躍する中田花奈が、自身初のフォトエッセイ『中田花奈 1st フォトエッセイ 解析メモリアル』を刊行した。
発売を記念し、都内で二度にわたり記者会見を実施。本書では、30歳を迎えた胸中や、これまで語ることのなかった10代・20代のエピソードを“解析”という形で振り返り、撮り下ろしフォトとともに記録している。
「アイドルとして見せなくてもよかったことまで書いています。だから、正直すごく恥ずかしい。でも、これが私の生きてきた証だから、本当に私を好きになってくれるなら知っておいてほしいことなんです」と語り、素顔に迫った一冊であることを明かした。
お気に入りのカットは、大好きなドーナツを頬張っている写真。取材前にもドーナツを2個食べてきたといい、「プライベート感を楽しんでほしい」と笑みをこぼした。
巻末の質問コーナーにある「学生のうちにやっておいたほうがいいことは?」という問いには「年齢に合ったファッション」と回答。その真意について「中学生の頃、大人っぽい服に憧れて美容院でOLに間違われたことがある」とほろ苦いエピソードを披露し、「その時にしか着られない服ってある」と振り返った。
一番の見どころとして挙げたのは、恋愛について綴った章。初恋の思い出などが詰まっており、「あれはよく書いたなと思うくらい(笑)」と照れた様子を見せた。
現在の恋愛事情について問われると、「今は麻雀が恋人です」と即答。しかし、「結婚願望はあります。小学生の頃のプロフィール帳に“23歳で結婚する”って書いてたんですけど、もう7年もオーバーしてます」と苦笑い。「この本を読んで私を好きになってくれた方は、ぜひ名乗り出てきてほしい」と、“結婚相手募集”のような一幕もあった。
“恋人”と語る麻雀に対しては、プロ雀士として「Mリーグ」のBEAST Xに所属。オーナー兼店長を務める麻雀カフェ「chun.」の経営にも携わるなど、本気の姿勢を見せている。
麻雀に惹かれた理由は「子供の頃から算数が好きで、熱が出るまでドリルをやっていたから」と回想。「麻雀は確率論で、経営にも数字が大事。アイドルと違って答えがあるのもいい」と語った。
今季、BEAST Xは残念ながらレギュラーシーズンで敗退したが、中田は前を向く。「メンバーにこの本を見せるのは恥ずかしい。でも、戦術書だったら堂々と渡せるかも。だからもっと強くなって、次は本気の麻雀本を出したい」と意欲を語った。
発売後の反響も大きく、「思いのほかたくさんの方に買っていただけた」と語る。おばあちゃんからは「素敵だね」、昔の友人からは「懐かしくて涙が出た」と、身近な人々からも温かい声が届いているという。
過去・現在・未来へのまなざしが詰まった『解析メモリアル』はアイドル時代のファンから麻雀ファンまで、幅広い層が楽しめる一冊になっている。
文=桜井カズキ