ギャラリーペピン(さいたま市緑区大牧)の10周年記念企画展「Gallery Pepin 10th Anniversary 一条美由紀個展 −3日目の挿話−」が現在、開催されている。(浦和経済新聞)
壁に展示した作品
銀座の画廊に10年勤めた経験を持つ小林優佳さんが2015(平成27)年に開業した同ギャラリー。普段は木曜のみ営業している。2020年までさまざまな企画展を開いてきたが、コロナ禍の影響で休業。10周年を機に、今回一時的に再開し、同展を企画した。
小林さんはギャラリー経営にとどまらず、美容院やカフェ、レストランなどでも展覧会を企画。この5年間で活動のフィールドが広がり、そこからギャラリーを訪れる人も増えたという。自身も埼玉県出身で、埼玉で文化芸術に対する意識を変えたいという思いで活動を続けている。「画廊は、ハードルが高いと感じる人も。そんな中で外部の企画を通して当ギャラリーを知り、初めて画廊に足を踏み入れる人がいるのはうれしい」と話す。
会場では、版画や油彩を中心に20点以上の作品を並べる。展示を行う一条美由紀さんは福島県生まれ。デュッセルドルフ美術アカデミーで美術を学び、個展やグループ展などで活躍する。会場には年配の女性をモチーフにした作品が多く、一条さんは「悩みながらも強く生きている女性を描いた」と話す。一条さんの作品について、小林さんは「人には話しづらい深層心理を優しくあぶり出してくれるような作品。ハッピーやポジティブではないが、鑑賞者が共感するストーリーを感じさせる登場人物たちの表情や情景に引き込まれる」と話す。
一条さんは「すてきな作家がこのギャラリーに出展しているので、自分の作品もここにあるのはうれしい。作品を見て、自分との共通項を見つけて、見た人が少しでも励まされたり、親しみを感じたりしてくれたらうれしい。そういう作品を描いていきたい」と話す。
営業時間は11時~17時。日曜・月曜定休。4月29日と5月3日は12時~18時。5月3日まで。