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壮絶な「家族内いじめ」というつらい過去を語ることについて。「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」制作裏話【92歳祖母の告白】

  • 2024年3月2日
  • Walkerplus

Instagramやライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」で、実話をもとにしたエッセイ漫画を描く漫画家のゆっぺさん。ブログは2021年には月間3000万PVを記録し「ライブドアブログ OF THE YEAR2021」最優秀グランプリを受賞。2021年12月から執筆してきた「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」では、戦前から生きる“祖母・キヨさん”の幼少期からの実体験を漫画化し、コメント欄を解放した最終話には500件以上の熱い応援コメントが寄せられた。

「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」の主人公である現在92歳のキヨさんは、漫画化には驚いたが、「今、幸せになったから話せたんだと思います」と振り返る。今回はキヨさんご本人に漫画化についての感想や過去の出来事について伺った。

■恥ずかしくて口にできなかった幼少期のいじめ体験を初めて孫に告白
――幼少期に裕福な叔父の家の養女になり、そこで養母となった叔母から壮絶な嫌がらせを受けた過去が語られる「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」。これは著者の祖母であるキヨさんのお話を元に描かれたものですが、漫画化されたことについて、キヨさんご本人はどう感じられましたか?

まさか、こんなことになるなんて思ってもいませんでした。孫にいろいろ聞かれても、私はトロくさいし、話すことが下手なので、うまく伝わっているかどうかわかりませんでした。ただひとつ言えることは、今、幸せになったから話せるということです。幸せじゃなかったら話せなかったです。

――孫のゆっぺさんに聞かれるまで当時のことを話したことがなかったそうですね?

恥ずかしくて、話せませんでした。それに話してもうそだと思われると思いました。実は、結婚後、主人に小学生のときにノートを買ってもらえなかった話をしたことがあるのですが、「そんなことがあるわけがない。うそをつくな」と言われたことがあったのです。信じてもらえなかったので、たとえ身内でも話せないと思いました。それに当時を知る人がいるうちは話せないとも思っていました。だから、今こうして孫に当時のことをいろいろ聞いてもらえたことはうれしかったです。

■戦争が始まり、義理の姉夫婦が大阪から帰郷したことでいじめが本格化
――漫画はキヨさんのお話を忠実に描いているそうですが、とても詳細な部分まで描かれています。昔から記憶力がよかったのですか?

それは昔からよく言われていました。亡くなった主人に言わせると記憶力がいいから余計なことまで覚えていると。何でもないこともいつまでも覚えていると言われていました。本当はいろいろ忘れた方がいいと思うんですけどね。

――つらい体験を思い出させてしまって申し訳ないのですが、当時のお話を少しお伺いします。小さな子どもにひどいことを言うなど、養母となった叔母さんの行動は理解し難いですが、最初からそうだったわけではないそうですね?

私は小学校1年生のときに叔母さんのところに行って、小学校3年生まで叔父さん、叔母さんと3人で暮らしていました。その間はそこまでひどいことは言われなかったのですが、4年生のときに叔父さんが亡くなり、5年生のときに始まった戦争によって、大阪にいた義理の姉さん夫婦が実家に戻ってきてから、いろいろ当たられるようになりました。姉さん夫婦はいい人でしたが、叔母さんは普通じゃ考えられないくらい意地の悪い叔母さんで、私と姉夫婦が仲良くなることがとても嫌だったみたいです。

■キヨさんが学校に行くことを嫌がる叔母。小学校の授業すら満足に受けられなかった
――漫画にも描かれていますが、家事だけでなく、子守りも加わり、キヨさんの仕事はどんどん増えていったのですね?

はい。小学校5・6年生の頃はみんなよりも先に帰って子守りをしていたので、5・6時間の授業に出たことはありませんでした。思うように授業に出られなかったので、先生から「家の人に話をしようか」と言われたこともありましたが、それを叔母さんに伝えることはできませんでした。言うと、「お前が先生にそう言うように頼んでいるのだろう」と、結局、私が悪者にされてしまうから。その後、高等小学校(現在の中学1、2年生にあたる)の1年目まで行かせてもらいましたが、「学校を卒業させるつもりで連れてきたんじゃない」と言われたこともあったぐらい、叔母は私が学校に行っていることが嫌だったみたいです。


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