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新人漫画家はかつての師匠を踏み台にしてすべてを手に入れるが…「百合×ミステリー」で描く漫画家同士の愛憎劇!【作者インタビュー】

  • 2024年2月13日
  • Walkerplus

ぴのこ堂(@pinokodoaonoshu)さんがAmazon Kindleの無料電子書籍などで発表している「Black Lily 黒百合短編集」が、SNSを中心に話題を集めている。女性同士の思いをテーマにした“百合”を題材とした本作から、今回は人気漫画家にのし上がった後輩漫画家と、彼女の先輩アシスタント兼ゴーストライターとして働く先輩漫画家との関係を描く「交換」シリーズを紹介。併せて、作者のぴのこ堂さんに話を伺った。


■「『百合でミステリーで5ページ』でならこの題材を生かせると確信しました」

女性同士の愛憎を描いた“百合”をテーマとしながら、“漫画家漫画”としても描かれる本作。制作のきっかけについて、ぴのこ堂さんは「まず、『百合』と『ミステリー』はとても相性がいいのではないかと思い、実験的な作品として、5ページで完結してラストにはびっくりするようなどんでん返しが用意されているシリーズを3本作ろうと思って描いた作品です。

1本目の『瞳』は女子高生の先輩と後輩、2本目の『秘密』はパワハラ上司と気の弱い部下、というように『関係』から起こる愛憎劇を描いたところで、3本目はどんな関係を描こうか考えていました。そこで、最後だから今まで一番描きたいけど描けなかった『漫画家とアシスタント』という関係にしようと思いました。

漫画家を題材にするお話はどこを切り取ってどういうテイストのどれくらいの長さのお話にすれば自分にとって一番描きやすいかどうか、それまではわからなかったんです。結果、2本の短編を描いた時点で『百合でミステリーで5ページ』でならこの題材を生かせる!と確信しました」と明かす。

そんな漫画家を描く上でのこだわりを尋ねると、「自分も漫画家ですので一番よく知っている、というかそれしか知らない職業です。自分の分身のようなキャラクターが些細なことで苦しんだり憎しみを抱いたりするところは、若い頃の自分と重なって複雑な気持ちになります。同時に俯瞰で眺められるようになって、昔の自分を励ましたいという気持ちにもなります」と、描きながらも自身で物語に「くらっている」様子。

今後の展開も気になるところだが、「本当ならもうとっくに完結しているはずなのですが、思ってもいなかったエピソードが生まれたりしてなかなか終わりません。ほかの仕事との兼ね合いもあり思うように集中できないときもあるのですが、ラストをどうするのかはだいたい考えてありますので、時間をかけてでも最後まで描き切りたいです。愛が束縛、嫉妬、憎しみに変わりつつも、また愛に戻るような……。そんなラストを描くことができれば感無量です」と語ってくれた。


取材協力:ぴのこ堂(@pinokodoaonoshu)

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