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「死ぬ前にトルコへ行きたい」。発達障害で絶望の中にいた女性が、生きる希望を得た旅の記録に「勇気をもらった」の声【作者に聞く】

  • 2024年1月25日
  • Walkerplus

発達障害と診断され、仕事も失い、もう生きていたくない…。ふと、死ぬ前にやり残したことを考えたら、頭に浮かんだのは「トルコ行きたい」だった。Xで1.2万件のいいねが寄せられた、くさかべのどか(@kusakabenodoka)さんの漫画「死ぬ予定だった私、トルコへ行く」を紹介する。くさかべさんにもトルコで変化を感じたことや、反響への思いを聞いてみた。

■発達障害と診断され、絶望の中で頭に浮かんだ「死ぬ前にトルコへ行きたい」
どんなに全力で頑張っても、仕事はうまくいかないことばかり。発達障害と診断を受け、仕事も辞めさせられてしまった。命を絶とうと思い、死ぬ方法を検索していたくさかべさんは、「死ぬ前にせめてやり残したことはないかな?」と考える。

そして思い浮かんだのは、トルコへ行くこと。くさかべさんは命をかけた旅として、「トルコで何もできなければ帰って死ぬ、楽しく素晴らしいものになれば死ぬのをあきらめる」と決意し旅立つことに。

■初めての海外一人旅。現地の人との会話で少しずつ変化が
現在も発達障害とうつ病と向き合いながらの日々を、漫画で発信しているくさかべさん。診断を受けた当時は、どのような思いだったのだろうか。

「今までのうまくいかない理由のすべてがつながったような、そしてこれからどうやって生きればいいのか、という思いで目の前が真っ暗でした」

トルコを旅先に選んだのは、当時好きだった漫画の舞台だったからだそう。くさかべさんにとって、初めての海外一人旅。出発前はトルコにどんな印象を抱いていたのだろうか。また、実際に滞在してみた感想を聞いた。

「行く前はとにかく緊張していたので、トルコについてうまくイメージできませんでした…!滞在してみると、道に迷っていたら現地の方が親切に教えてくれるなど、『とにかく人が優しい国だな~』と思いました」

トルコの滞在期間は3日間。トプカプ宮殿などの観光地を巡り、訪れた店で値段交渉をしてみたり、ホテルでは部屋の異音をスタッフに相談したりすることも。現地の人たちと交流するなかで、くさかべさん自身、思ってもいなかった変化を感じたという。

「結構人見知りなので『外国の人と積極的に話す』なんて想像できなかったです。そこが一番の変化かもしれません」

■小さな成功は自信となり、生きる希望に。トルコへの旅は「財産と言える体験」
異国の知らない土地でつたないながらも会話し、ご飯を買って食べることもできた。小さなことかもしれないけれど、その経験はくさかべさんの生きる希望へ変わっていったそう。漫画には「勇気をもらえました」「自然と涙がでました」などコメントが数多く寄せられている。くさかべさんに、反響への思いを聞いた。

「漫画の冒頭の、仕事で最初はうまくいくのに、途中から見放されるという部分に『私と同じだ!』という人がたくさんいて驚きました。世の中には私と同じく生きづらい人が多くいるんだなあ…と思いました。そんななかで『勇気をもらった』などの反応はすごくうれしかったです」

トルコで「生きたい!」という気持ちを感じたくさかべさん。帰国後、懸命に前に進み、幸せな日々が訪れるも、長くは続かず再びつらく苦しい試練に襲われてしまう。そんなときに生まれたのが今回の漫画だ。くさかべさんにとって、トルコでの経験は今もかけがえのない出来事となっているという。

「トルコへの旅は、私の財産と言える体験です。形はないけれど、胸をはって『私はこんなことができた!』と言えます」

最後に、読者へのメッセージを貰った。

「ここまで読んで下さり、ありがとうございます。つらいことが多い昨今ですが、どうか生き抜いてほしいです。今、私は新しいことに挑戦しているので、そのことも漫画にしたいです。そのときはよろしくお願いします!」

今も自分と向き合いながら挑戦を続けるくさかべさんの漫画、ぜひ最後まで読んでみてほしい。そして、これからの作品にも期待したい。

取材・文=松原明子

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