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三浦翔平「唯一信用できるのは預金通帳に刻まれる数字だけ」、最新作の弁護士役を通して感じた“お金の価値”

  • 2023年10月6日
  • Walkerplus

近年はドラマ「ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜」の刑事役、「新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜」の伊達政宗役、「ホスト相続しちゃいました」のホストクラブの幹部役、「やわ男とカタ子」の弁護士の肩書を持つオネエ役など、幅広い役柄にチャレンジしている三浦翔平。最新主演映画の「親の金は誰のもの 法定相続人」では、認知症の疑いがある男性の成年後見人として財産管理を任される弁護士役を演じている。“相続”と“家族”をテーマにした本作の撮影秘話や演じた役柄について語ってもらった。

■主人公は「憎しみを前向きな行動に繋げていった人物」として作り上げたキャラクター
――本作の監督を務めた田中光敏さんとは映画「天外者」でご一緒されていますが、今回どのようなオファーがあったのでしょうか。

【三浦翔平】「天外者」の公開後、監督と何度かお会いする機会があって、その時に「次に撮る作品で弁護士役をやってほしい」というお話をいただいたんです。それで「いつでもお引き受けする準備をしておきます」とお返事しまして、企画が具体的に進んでいくうちに紆余曲折あり、最終的に僕が演じた龍之介が主人公の物語が完成しました。

もちろん、台本が出来上がるまでに、監督とは龍之介の人物像や物語全体の構成などを話していたので、“おもしろい作品になりそうだ”という予感がありましたし、撮影が楽しみでもありました。

――龍之介の人物像について、監督とはどのようなお話をされたのでしょうか。

【三浦翔平】龍之介は幼少期に母親からネグネクトを受けていて、そのトラウマが影響しているのか、「唯一信用できるのは、預金通帳に刻まれる数字だけ」と言うような少し歪んだ性格の大人になってしまいました。だけど、決して負の感情だけでは終わらせず、憎しみを前向きな行動に繋げていった人物にしたいねと監督と話しまして、“母親を憎む気持ちを糧にしながら弁護士という夢を叶えた龍之介”という風に人物像を作っていきました。

――龍之介は人から誤解されやすく、敵を作りやすいキャラクターではありますが、一本筋がとおったところは魅力的に感じました。

【三浦翔平】台本をいただいたあと、監督と最初の打ち合わせをしたときに、「龍之介がもっと悪人に見えるように描いてもいいのでは?」と提案したんです。なぜかというと、冷徹で同情の余地のないキャラクターの方が、エッジが効いておもしろいと思ったからです。

ただ、その提案をしたのは物語にいろいろな要素が足される前の段階で、監督が「龍之介は一見嫌なやつだけど、どこか共感してしまうような悲哀のある人として描きたい」と仰ったので、最終的にあのような人物に落ち着きました。“魅力的”と感じていただけたなら、それは監督の狙い通りだと思うので純粋にうれしいです。

――「天外者」の現場と比べてみて、監督の演出方法や撮り方などの違いを感じた瞬間はありましたか?

【三浦翔平】「天外者」は京都の太秦撮影所のスタッフの方たちがチームに加わっていたので、本作のような現代劇の現場とは全く違う雰囲気でしたが、今回はコメディ要素が盛り込まれた作品なので楽しみながら撮ってらっしゃったのと、ロケ地である三重県志摩市の英虞湾(あごわん)を美しく撮ることにこだわってらっしゃった姿が印象に残っています。

■お金は自分や家族にとって「必要な分だけあればいいんじゃないかなと思います」
――伊勢志摩の撮影で印象に残っていることを教えていただけますか?

【三浦翔平】地元のボランティアの方々が、現場で炊き出しをして温かい食事を提供してくださったのがうれしかったです。毎回とてもおいしくて、チーム全員のエネルギーになっていました。伊勢志摩というと海産物が新鮮なイメージがありますが、お肉もおいしかったです。でも、1番ハマったのは牡蠣。牡蠣小屋まで行きまして、その小屋の前の海で養殖している牡蠣をいただいたのですが、身が大きくて味が濃厚で、一生食べ続けられると思うほどおいしかったです。

――劇中に登場する牡蠣小屋のシーンでは、龍之介が小手伸也さん演じる弁護士の井坂と二人でいることが多かったですが、小手さんとは現場でどのようなコミュニケーションを取っていましたか?

【三浦翔平】二人で何かを話したというよりも、小手さんが現場でひたすら日本神話の話をしてくれた記憶しかないです(笑)。伊勢志摩には日本神話に登場する天照大神が隠れ住まわれたと伝えられている天の岩戸(恵利原の水穴)があるので、そこから話が広がり、細かく教えてくださいました。

小手さんの膨大な知識のおかげで日本神話に興味が湧きましたし、そういった神々にまつわる言い伝えを深堀りするおもしろさを発見できたのはよかったです。

――まさか牡蠣小屋で日本神話のお話をされているとは想像もしていませんでした(笑)。ところで、本作は“相続”と“家族”をテーマにした作品ですが、三浦さんご自身はお金に対してどのような価値観を持っていらっしゃいますか?

【三浦翔平】本作には6億円の価値がある真珠が登場しますが、自分が6億ものお金を手にしたらどうするかと考えても簡単には答えが出ないんです。

――それはなぜでしょうか?

【三浦翔平】結局どう使ったらいいのかわからないからです。究極な話、お金は自分や家族にとって必要な分だけあればいいんじゃないかなと。本作を通してそんな風に感じました。

■40代は趣味がアクティブ路線からゆったり路線に変わるかも!?
――ドラマ「あのときキスしておけば」、「ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜」、「新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜」などで三浦さんが演じた役柄が、どれもひと癖あるキャラクターで、それを全力で振り切って演じていらっしゃった印象があります。キャラの濃い役を演じる際に気を付けていることはありますか?

【三浦翔平】基本的には台本に書かれていることを忠実に演じることと、監督が求めるものに応えることを大切にしています。あとは、共演者のお芝居やその場の空気感に合わせたり、自分が主演ではない場合は作品のスパイスになるような立ち位置を意識したり。

何より作品がおもしろくなることが大事なので、そこは意識して演じるようにしています。独りよがりなお芝居をしても意味がないので、相手次第というところはありますね。

――濃いキャラクターを演じてこられた中で、ご苦労されたことはありますか?

【三浦翔平】苦労ではないのですが、ある監督から「演じ方は任せますね」と言われて、“え!嘘でしょ!”と思ったのを覚えています(笑)。信頼して任せてくださったからこその言葉だとは思いますが、そういう時は“これは自分に課された試練だからやり切らねば”と気合いが入ります。

――お仕事ではさまざまな役柄に挑戦されていて、プライベートではサーフィン、ゴルフ、バイクなど、幅広い趣味をお持ちの三浦さんですが、30代のうちにやっておきたいお仕事やプライベートでの遊びなどはありますか?

【三浦翔平】お仕事はこれまでどおり幅広くチャレンジし続けたいです。ただ、40代になると必然的に体が動かなくなってくると思うので、プライベートの趣味に関しては、年を重ねていくうちにアクティブ路線からゆったり路線に変わっていくのではないかと。これからもあらゆることに挑戦していきたいです。

取材・文=奥村百恵

◆スタイリスト:石川ユウキ
◆ヘアメイク:根岸豪

(C) 2022「法定相続人」製作委員会

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