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キャンプ初心者の“あるある“な疑問や不安の解決策を、キャンプ女子・森風美さんに聞いてみた

  • 2023年8月4日
  • Walkerplus

「キャンプを始めてみたいけれど、何から手をつければいいかわからない」「キャンプ用品、そろえるものが多くて大変そう」「キャンプ飯って何?」など、キャンプ初心者にとって、はじめてのキャンプはハードルが高いもの。キャンプに興味はあるけれど、なかなか第一歩を踏み出せていないという人も多いのではないだろうか?

今回、そんなキャンプ初心者の不安を解消するべく協力してくれたのは、自身も関東を拠点に全国各地でキャンプをしているキャンプ女子でありながら、女性のためのアウトドアWebメディア「なちゅガール」編集長も務める森風美(もり ふうみ)さん。“キャンプ歴=年齢”という、なんとも心強い森さんに、ガチキャンプ初心者ライターが質問・疑問をぶつけてみた!

■キャンプってまずは何から始めればいいの?
キャンプ初心者が最初につまずくポイントは「まず何をすればいいか」ではないだろうか?キャンプ用品をそろえるのか、キャンプ場を探すのか、それともキャンプに詳しい友達を探すのか…。ここでは具体的な準備に取り掛かる前に必要なことと、キャンプの流れを確認しておこう。

■最初にすることは“妄想”!?
キャンプを始めるにあたって最初にするべきことを風美さんに聞いてみると「ズバリ、妄想です!」と意外な答えが返ってきた。

「キャンプで大切なことは、事前にしっかりとシミュレーションしておくこと。目的を明確にしておくことで、何を準備すればいいか見えてくるはずです。キャンプでやりたいことを、まずは妄想してみましょう」(風美さん)

なるほど。例えば友達と行くのか、家族で行くのかによってもキャンプの内容が変わってくるだろう。テント泊なのかコテージ泊なのか、キャンプ飯は何が食べたいか、アクティビティは何をするかなど、わからないなりにも当日の流れを具体的にシミュレーションしてみると、自ずと何が必要かわかるはずだ。目的が決められないときには、インターネットやSNSなどで検索してみるのもいいだろう。キャンプの中で何がしてみたいのか、優先順位を決めて準備に臨もう。

■準備から帰宅までキャンプの流れを解説
キャンプ初心者は、シミュレーションしようにもキャンプの流れがわからない。目的を決めるためにも、まずはキャンプの流れを知っておきたいところだ。準備から撤収、帰宅までをザックリと、スタンダードな1泊2日キャンプの流れを教えてもらった。

〈キャンプ前日まで〉
・キャンプ場の予約
・キャンプ用品をそろえる(必要な道具については後述)
・当日の天気、キャンプ場までのルートを調べる
・食材の買い出しと下処理、仕込み
・荷造り、車へ荷物の積み込み
・しっかり睡眠をとる

森さん曰く「キャンプ初心者は前日までに食材を調達しておいた方がいい」とのこと。当日、キャンプ場までの道中で買い出しをしていると、予想以上に時間がかかってしまうことがよくあるそうだ。そうなるとチェックイン時間に遅れたり、予定が狂ったりしてしまう。とにかくキャンプ初心者のうちは時間配分が難しいため、できるだけ前日までに食材の買い出しと下処理は済ませておいた方がよさそうだ。

また、「慣れない環境であまり眠れなかった…」というときでも、前日にしっかり睡眠できていれば少しは安心できるはずだ。

〈キャンプ当日〉
・キャンプ場へチェックイン
・テント設営
・昼食
・自由時間
・夕食
・就寝

初心者は間違いなくテントの設営に時間がかかるため、チェックイン時間によって昼食は道中で済ませるか、おにぎりやカップ麺など簡単なものを用意しておくのがおすすめ。夕食は作る献立にもよるが、2時間程度は調理にかかると想定しておいた方がよさそうだ。

〈撤収日〉
・小物を片付ける
・朝食
・大物(テントなど)を片付けて積み込み
・チェックアウト

起床後は片付けがメインになる。先に小物などをできるだけ片付けておいてから朝食を食べると、チェックアウト時間ギリギリでバタつかなくて済む。朝食はホットサンドなど、簡単なものにしておくといい。早起きしてコーヒーを飲みながら、朝の時間を楽しむのもおすすめ。ただし周囲の人が寝ている可能性があるので、静かに楽しもう。

〈帰宅後〉
・荷下ろし
・余った食材の処理
・洗い物
・(濡れていれば)テントなどを干す

キャンプから帰ってきたあとも、意外とやることはたくさんある。片付けの時間も考慮して撤収日の予定を組んでおいた方がよさそうだ。テントなどが濡れてしまった場合は、長期間放置するとカビが生えたり劣化したりする恐れがあるので、天気と相談しながらできるだけ早めに干しておこう。

■キャンプ初心者が知っておきたいマナーと注意点
キャンプは非日常感を楽しめるぶん、普段では気にしないようなことがマナー違反の場合もある。ここではキャンプ初心者がキャンプを始める前に知っておきたいマナーや、注意点を見ていこう。

■マナーと注意点【準備編】
準備時点で守るべきマナーや注意点はあまり多くないが、「チェックイン時間を守ること」は当然のこととして注意しておきたい。多くのキャンプ場にはチェックイン時間が設けられている。キャンプ初心者は渋滞にはまってしまうなどのトラブルを考慮し、余裕を持って早めに家を出ることが大切だ。少し早めにキャンプ場周辺に到着できれば、道の駅に寄ったり自然を満喫したりすることもできる。万が一、チェックイン時間に間に合いそうになかったり、やむを得ずキャンセルしたりするときには、わかった時点でキャンプ場へ連絡しておこう。

■マナーと注意点【キャンプ場編】
キャンプ場には、消灯時間やゴミの出し方、水場の利用など一般的なルールがある一方、独自のルールがある場合も。いずれも公式Webサイトに掲載されていたりチェックイン時にスタッフから説明あったりするので、しっかり覚えておこう。また、同行者全員で共有しておくのも忘れずに!

「焚き火台の使用が必須のキャンプ場が多いですが、最近は焚き火シートの使用も必須としているキャンプ場が増えてきています。そのほかにも持ち込みが必要だったり不可だったりするものがある場合は、Webサイトに書いてあることがほとんどですから、必ず事前にチェックしておいてください」(風美さん)

ほかにもキャンプ場にはマナーや注意点がたくさんあり、大きく「ほかのキャンプ客の迷惑になること」と「自分の身を守ること」に分けられる。キャンプ初心者が見落としがちなポイントが満載なので、それぞれ確認しておこう。

〈ほかのキャンプ客の迷惑になること〉
・他人のサイト(区画)には立ち入らない、物を置かない
・区画が分けられていないフリーサイトの場合は、専有しすぎたり、ほかの人の邪魔になったりしないようにテントやタープを張る
・ゴミなど軽いものの飛散に注意
・静かな自然を楽しみに来ている人もいるので、騒ぐのは禁物
・消灯時間になったら照明を消して、静かに過ごそう
・車のエンジンはかけっぱなしにしない
・夜は車のドアの開閉音や、ヘッドライトにも注意
・発電機はNG(常時音がするため)
・深夜や早朝に片付けなどをしない(寝ている人の迷惑になる)

「特に気を付けたいのが“音”と“光”です。家やホテルの部屋とは違って、キャンプ場には壁がありません。静かで暗いキャンプ場では、意外と音が響きますし、光も届きます。周囲を見渡して、ほかのお客さんの迷惑になっていないか、都度確認してみることが大切です」(風美さん)

〈自分の身を守ること〉
・テントやタープはペグを打ってしっかり固定する
・ゴミや食材を出しっぱなしにしない(野生動物に襲われる可能性も)
・風が強いときには焚き火はしない(風速3メートル以上は注意)

野生動物が出る場合もあるので、就寝時は食材やゴミをきちんと片付けること。ただし、テントの中に置いておくと動物が入ってくる可能性も。できれば荷物と一緒に車内に片付けておくのがベストだ。強風時の焚き火に注意を払うのは、自分の身を守るためになるほか、他人のテントなどに穴を開けてしまうことを避ける目的もある。

■マナーと注意点【子供がいる場合】
ファミリーでキャンプに出掛ける際、最も大切なことは子供から目を離さないこと。当たり前のことかもしれないが、森や川が近くにあるほか、火を使うことも多いキャンプ場では特に注意したい。大人がテントなどの設営に集中すると、子供は時間を持て余してしまうことがあるため、子供用の暇つぶしアイテムを用意しておくといいだろう。また、ほかのキャンパーのサイトに勝手に入ってはいけないなど、ルールを説明しておくことも大切だ。突然の発熱やケガに備えて、事前にキャンプ場周辺の医療機関を調べておくことも忘れずに。

キャンプ初心者がファミリーでキャンプに挑戦するなら、まずはデイキャンプやBBQなどがおすすめ。子供の様子を見ながら、そして自分がキャンプに慣れてきたら、宿泊に挑戦してみてほしい。

■キャンプ初心者の難関「キャンプ用品」
キャンプブームもあり、さまざまなメーカーから多種多様なキャンプ用品が発売されている昨今。キャンプ初心者としては、「そろえる道具が多くて大変そう」というイメージがどうしても足を引っ張りがち。ここからはキャンプ初心者が頭を悩ませるキャンプ用品のアレコレについて教えてもらった。ちなみに、キャンパーはキャンプ用品のことを「キャンプギア」と呼ぶ!

■そもそもキャンプ用品ってどこで買う?
キャンプ用品が買える場所は、主に以下のようなところだ。
・アウトドア系専門店
・スポーツ用品店
・ホームセンター
・ショッピングモールや量販店
・アウトドアメーカー店
・ネットショップ

キャンプ用品が買える場所はたくさんあるが、キャンプ初心者におすすめはどこなのか、風美さんに聞いてみた。

「キャンプ初心者であれば、まずはネットではなく実店舗に行く方がおすすめです。できればアウトドアに詳しいスタッフさんがいるお店へ。自分がどんなキャンプがしたいのか、そのためにはどんな道具が必要なのか、相談に乗ってもらいながら探すのがいいですね。ネットで探すとなかなか大きさもわからないので、実際の商品が展示してあるような、大きなお店がベストです」(風美さん)

■初心者におすすめのキャンプ用品
では、実際のキャンプにはどんな道具が必要なのだろうか?キャンプ初心者が手っ取り早くキャンプ用品をそろえるのにぴったりの方法が、メーカーが販売するスターターキットなどのキャンプ初心者用セットだ。テント、テーブル、イス、マット、シュラフ(寝袋)、ランタン、ガスバーナー、焚き火台など、最低限必要な道具を組み合わせて販売しているスターターセット。これに加えて、必要なキャンプ用品を買い足していくのもよいだろう。

ただし、キャンプ初心者向けのスターターキットは、高額になることが少なくない。キャンプ初心者としては少々ハードルが高い金額かもしれないので、もし周りにキャンプが趣味の知り合いがいれば、まずは一緒に連れて行ってもらうのもあり。テントなどを友人が持っている場合でも、シュラフとイス、自分用の食器類やカトラリー(箸やフォーク、スプーンなど)くらいは最低限必要なものなので、自分用に購入しておくといい。

■キャンプ用品、自宅にあるもので代用できる?
いきなりすべてのキャンプ用品をそろえなくとも、道具によっては自宅にあるもので代用できる場合もある。例えばガスバーナーは家庭用のカセットコンロでも代用できるし、フライパンや鍋は自宅のものを持って行ってもよい。事前確認は必要だが、電源があるキャンプ場なら炊飯器やホットプレートを利用してもいいだろう。シュラフの代わりに布団や毛布を使うのもアリだ。

「テントやランタンなど、一部の道具は代用が難しいですが、ほとんどのキャンプギアは代用できると思います。ただ、すべて車に乗るかどうかが問題です…。専用のキャンプ用品は、やはりキャンプに特化しているぶん、コンパクトに収納できたり軽かったりという利点があります。最初からすべてそろえる必要はないですが、荷物の容量を考えながらキャンプギアもそろえていきたいですね」(風美さん)

■手ぶらキャンプでも必要な持ち物
昨今はキャンプ用品をそろえなくても、手ぶらでキャンプができるキャンプ場も少なくない。そんな「手ぶらキャンプ」でも必要なものはあるだろうか?

「手ぶらキャンプなら、基本的にはキャンプ用品は必要ありません。ただ、ホテルなどの宿泊施設ではありませんから、アメニティや着替えなどはもちろん必要です。また、食材や飲み物があるかどうかは確認しなくてはいけません」(風美さん)

気軽に挑戦できる手ぶらキャンプ。一度手ぶらキャンプに挑戦して、自分に必要なものを見極めてからキャンプ用品をそろえるのもよさそうだ。

■キャンプでの食事はどうすればいいの?
キャンプといえばカレー!という時代もあったが、最近ではキャンプ専用のレシピ本が発売されるなど、キャンプならではの料理=“キャンプ飯”を自由に楽しむ風潮がある。もちろん、キャンプ飯を楽しみたい気持ちはあるものの、道具をそろえたり手間が掛かったりと、キャンプ初心者には難しそう…。そもそも「キャンプ飯」とは何なのか、何をすればいいのか知っておこう。

■「キャンプ飯」の基本の“キ”
「キャンプ飯」とは何なのか。それはズバリ「キャンプで食べる食事」のこと。そのまますぎる?いえいえ、キャンプ初心者は、キャンプ飯をもっと簡単に考えてほしい。キャンプ飯は「作る」「ちょっと作る」「作らない」の3択だ。

カレーやBBQなどのキャンプ飯を「作る」には、キャンプ用の調理グッズなどがある程度は必要だろう。しかし「ちょっと作る」くらいなら、あれこれ道具をそろえなくても済む。例えばお湯を沸かしてカップ麺や袋麺を食べるだけでも、フライパンでステーキ肉を焼くだけでも立派なキャンプ飯だ。そして、もういっそのこと「作らない」という方法もある。スーパーで総菜を購入してきて食事をするのもいいだろう。キャンプには基本的なルールやマナー以外に正解がないことと同様に、キャンプ飯にも決まったルールはない。アレンジを加えるのは楽しいが、個人の技量や目的に合わせてキャンプ飯を考えよう。

■キャンプ初心者におすすめキャンプ飯
せっかくキャンプに行くなら、やっぱりキャンプならではの食事を楽しみたい。そんなキャンプ初心者におすすめできるキャンプ飯を、風美さんに教えてもらった。

「やっぱり簡単で楽しいのはBBQです。食材のカットなどは前日までにしておけば、当日はほぼ焼くだけで完結します。おすすめは野菜を皮付きのまま丸ごと焼くこと。甘味が増してジューシーに仕上がります。また、燻製など煙が出る料理はお家ではなかなかできないので、キャンプ飯にピッタリです。段ボールでできた燻製キットなども販売しているので、ぜひ一度挑戦してみてください」(風美さん)

そのほか、アヒージョやチーズフォンデュ、ローストビーフ、ミネストローネなどもおすすめだという。

「ローストビーフは、牛肉の表面に塩コショウをすりこんで、1面ずつ焼き目を付けたら、あとはアルミホイルとタオルで包んで保温しておくだけで完成します。ミネストローネもトマト缶を使えば簡単。時間がかかる調理ができるのも、キャンプ飯の醍醐味です」(風美さん)

■キャンプ飯の注意点
キャンプ飯を作る際に、まず注意したいのが調理時間だ。家ではガスコンロですぐに火が点くが、キャンプでは火をおこすところから始まるし、電子レンジも使えない。少なくともいつもの倍は時間がかかる、と思っておいた方がいい。調理開始時間が遅くなると、日が暮れてしまい暗くて調理できない…なんてことも。以下にキャンプ初心者が注意したいキャンプ飯のポイントをまとめた。

・献立は事前に決めておく
・魚は調理済のものを購入する(内臓を取り除くのも大変)
・食材の包装はできるだけ前日までに取っておく
・下処理が必要なものは避けるか、前日に済ませておく
・早めに調理を開始する
・大量に湯を沸かす系(パスタなど)は大変
・氷水で締める、冷やし固めるなどは大変
・電子レンジ、冷蔵庫を使うレシピはNG
・暗くなると肉の焼き加減がわからない
・タッパーやラップを持って行く

「キャンプ飯を作る際は、タッパーを持って行くことを特におすすめします!食材や料理が余ったときに、持って帰れるタッパーがあると非常に便利です。器替わりにも使えますよ」(風美さん)

キャンプ飯に掛ける手間暇を楽しむのもキャンプの魅力の1つ。簡単なキャンプ飯から始めて慣れてきたら、凝ったキャンプ飯にも挑戦してみよう。中級者向けのキャンプ飯は後述する。

■備えて安心!キャンプでのトラブル対策
キャンプ初心者ならずとも、キャンプにトラブルはつきもの。ここではキャンプ初心者が出合うトラブルと、風美さんの失敗エピソードも紹介する。

■天候と気温のトラブル
キャンプ場の多くは山間にある。そのため天候が変わりやすく、天気予報では晴れだったのに突然の雨に見舞われることも。キャンプ場のスタッフに聞いてみたりスマホで調べたり、天気予報はこまめにチェックしておこう。

事前に雨だとわかっている場合には、まず当日の雨風に手持ちのテントが耐えられるのか、スペックを確認しておきたい。また、キャンプ場内にあるバンガローやコテージでの宿泊に切り替えるのも1つの方法だ。雨の中で設営する場合は、まずはタープから張って雨宿りできる場所を確保するなど、工夫しながら設営してみよう。またテントを設置する場所が周囲より低い場所は水没する危険もあるので、注意が必要だ。

「そんなに酷くない雨なら、雨キャンプも楽しいものです。人が少ないので静かに時間を過ごせますし、雨音を聞きながらテントやタープの中でボードゲームや読書をするのも贅沢で楽しいですよ」(風美さん)

ただし、風が強い場合には潔く諦めることも肝心。強風ではテントを設営することすら難しいばかりか、最悪の場合、破れてしまったり飛ばされてしまったりすることもある。また、キャンプ初心者が見落としがちなのが気温差だ。自宅周辺は暖かくても、標高が高いキャンプ場であれば肌寒い場合もある。また、昼間は暑くても、朝晩はグッと冷え込むことも。日中の暑さ対策と、朝晩の冷え対策も考慮して、荷物や服装の準備をしよう。

■キャンプ場でのセキュリティ対策
最近ではニュースに取り上げられることも多い、キャンプ場でのセキュリティトラブル。鍵や壁のないキャンプ場だからこそ、いつも以上にセキュリティ対策はしておこう。

「事前にキャンプ場の様子や客層を調べて予約することも重要ですね。ほかのキャンパーさんのブログや、キャンプ場のレビュー、料金設定などが参考になります。24時間管理人が待機しているキャンプ場を選ぶのもいいでしょう」(風美さん)

ほかにもキャンプ場でできるセキュリティ対策はある。盗難や侵入者対策には、テントの出入り口を内側から南京錠やカラビナで施錠しておく。女性がキャンプをする場合は、自身のキャンプサイトをかわいくデコレーションしすぎないという方法もあるそう。また、いざというときに電話が使えるよう、利用するキャンプ場が電波の圏外でないかどうかも事前に確認しておきたい。

■キャンプ初心者の冬キャンプ
冬のキャンプは空気が澄んで星空が綺麗だったり、虫がほとんどいなかったりと、いい点もあります。しかしながら、大変なのは寒さ対策。キャンプ初心者は、いきなりの冬キャンプは避けた方がいいと風美さんは話す。

「キャンプ初心者であれば、いきなりの冬キャンプはやめておいた方がいいかと思います。寒さ対策が不十分だと、最悪の場合、死に至るケースも。まずはキャンプ自体に慣れてきてからの挑戦がおすすめです。でも、冬キャンプの焚き火は尊いですよ(笑)」(風美さん)

キャンプ初心者はキャンプの流れや必要なものを把握したうえで、寒さ対策をして冬キャンプに臨んだ方がよさそうだ。

■そのほかキャンプ初心者に多いミス
まだまだキャンプに不慣れな初心者にはミスがつきもの。キャンプ初心者にありがちなミスの1つに「予定の詰め込みすぎ」がある。初めてのキャンプであれば、やってみたいことが尽きないだろう。しかしキャンプ場までの道中で渋滞にはまったり、設営に時間がかかったり、キャンプ飯の準備に時間を取られたりなど、トラブルがあれば自由時間はどんどん減っていく。キャンプ初心者はまず、一番に何がしたいかを決めて、予定を詰め込み過ぎないように考えておきたい。

「テントを設営しようとしたら、地面が固すぎてペグが刺さらない…なんてこともよくありますね。それから意外と見落としがちなのは、地面は必ずしも平らではないということ。キャンプ場の地面は傾斜していることも少なくないです。立っているときや座っているときはまだいいのですが、テントで眠るときは頭側を高くしておかないと、頭に血が上って体調を崩すことがあります」(風美さん)

ほかにもキャンプ初心者は、ランタンなどの照明器具や、自宅で代用している道具を忘れがちだという。困ったときは、キャンプ場のスタッフさんに相談してみよう。売店での販売や、レンタルで解決できるケースもある。

■実際にあった恥ずかしいエピソード
“年齢=キャンプ歴”だという森さんも、今までたくさんの失敗をしてきたそうだ。

「よくあるのがキャンプ飯での失敗ですね。焼いている肉を落としてしまったり、まだ焼けていなかったり、逆に焼きすぎてしまったり。ほかには、ガスバーナーの燃料残量をチェックしていなくて、火が点かなかったり…。あとは私の母のエピソードですが、明太子パスタを作ろうと思っていいたのに、肝心のパスタを忘れちゃったりとか(笑)。キャンプでの失敗は何かしらあるものなので、『まあ、いっか』の気持ちが大事ですかね。そのときは恥ずかしいと思っても、大抵のことはなんとかなるし、後々笑い話にできますよ!」(風美さん)

風美さんでも失敗することもあるくらい、キャンプには失敗やトラブルがつきものだ。忘れ物やトラブルがあっても焦らずに、逆に楽しむこともキャンプの魅力の1つなのかもしれない。

■キャンプ初心者が利用するべきキャンプ場は?
キャンプ初心者はいよいよキャンプ場を予約するとなっても、何を重視して選べばいいかわからないかもしれない。ここからはキャンプ初心者におすすめのキャンプ場のポイントを解説してもらった。

■キャンプ初心者におすすめキャンプ場のポイント
キャンプ初心者におすすめのキャンプ場のポイントの1つは「施設が充実していること」だ。比較的料金は高めになりがちだが、最初は風呂やトイレ、レンタル品などが充実している「高規格キャンプ場」を利用するのがいいだろう。キャンプ場のWebサイトを見て、綺麗な水回りなどの画像が多く、明らかに施設が充実していることがわかるようなキャンプ場がおすすめだ。同じように初心者のキャンパーも多く、施設側も慣れている。売店やレンタルなども充実していれば、忘れ物があった際にも焦らずに済むはずだ。

また「周辺環境が充実しているキャンプ場」もいいだろう。近くにスーパーやコンビニなどがあれば、足りない食材があった際に購入することもできる。その点でいえば「自宅から近いキャンプ場」であれば、忘れ物や万が一があったときにも、すぐに帰ることができる。トラブルにも対処しやすく、小さな子供がいるなら安心できそうだ。

「キャンプ初心者のうちは、オートキャンプ場の区画サイトがいいと思います。サイトが区分けされているので、ほかのお客さんとのトラブル防止にもなります。また、お子さんがいるなら遊具があるキャンプ場もおすすめです」(風美さん)

■コテージ、バンガロー泊のススメ
キャンプ初心者やファミリーでのキャンプの場合、バンガローやキャビン、コテージなどを利用するのもいい。特にコテージには、エアコンや冷蔵庫、キッチンを備えているところもあり、気軽にキャンプ気分を楽しめる。家にいるような便利さながら、適度に自然を満喫できるところが魅力だろう。また、子供がいる場合や天候が怪しい場合にも安心。大人数で利用すれば、ホテル泊より宿泊代も安くなる傾向にある。キャンプに不安があるなら、まずはバンガローやキャビン、コテージ泊もおすすめだ。

■それでもやっぱりテント泊は魅力的
手軽にキャンプを始められるバンガローやキャビン、コテージだが、キャンプといえばやはりテント。テントでキャンプすることの魅力を聞いてみた。

「テント泊の魅力は、まず達成感があることですかね。それに、自分の持ち物だから汚してしまっても安心です。テントなら外の音が適度に聞こえてくるので、非日常感もより味わえますね。そして何度も同じテントを使うことで、テント自体にいろいろな思い出が染みこんでいくというか。自分だけの基地を作れるような感じも魅力的ですね。もちろんいきなりテントに泊まらなくても、まずデイキャンプでテントを張ってみる、なんていうのもいいと思います!」(風美さん)

キャンプ初心者でも、テント泊は難しいことではないので、抵抗がある人も慣れてきたらぜひテント泊を楽しんでほしい。

■キャンプ初心者でもできるアクティビティ
テントを設営してキャンプ飯を楽しんで就寝する、なんてスタンダードなキャンプももちろん楽しいが、せっかくならアクティビティも楽しみたい!そんなキャンプ初心者にもおすすめなアクティビティを風美さんに紹介してもらった。

■キャンプ場で楽しむアクティビティ
キャンプ場でのアクティビティといえば、川遊びなどが一般的かもしれない。宿泊プランに、釣りや魚のつかみ取りなどが含まれているキャンプ場もあるが、キャンプブームを経て、キャンプでのアクティビティはさらに多様化。いくつか例を紹介しよう。

まずは最近流行しているのが「モルック」だ。北欧フィンランド発祥のスポーツで、木製のピンに木製の棒を当てて倒すボウリングのようなゲームだが、相手チームの邪魔をするカーリングやビリヤードのような要素も併せ持つ。近年ではネットショップのほか、スポーツ用品店やアウトドア専門店などでもモルックのセットが売っており、屋外でちょっとしたスペースがあれば誰でも気軽に楽しむことができる。



ほかにもテーブルに設置するタイプの卓球セットや、子供用のゴルフセットなど、サクッとスポーツを楽しめるグッズもおすすめだ。また、ポータブルのプロジェクターで映画を楽しむキャンパーもいるようだ(マナーには注意したい)。自然豊かなキャンプ場内に遊歩道が整備されていることもあり、そういう場所では場内を散策してみるだけでも楽しい。いずれもほかの利用者に配慮しながら楽しもう!



■キャンプ場以外で楽しむアクティビティ
キャンプでせっかく遠出をするなら、観光と組み合わせて楽しむのもいいだろう。例えばキャンプ場周辺の温泉に入ったり、酒蔵を巡ったりしてもおもしろい。自然を満喫するなら、サイクリングやハイキング、海や川なら釣りやSUPなどを予定に入れるのもおすすめだ。

■キャンプ初心者から中級者へのステップアップ
「何回かキャンプを経験して慣れてきたら、いろいろなことにチャレンジしてほしい」と話す風美さん。キャンプ初心者から中級者へのステップアップとしておすすめなコトやモノを教えてもらった。

■キャンプ用品のグレードアップ
「何度かキャンプに行っていると、物を置くことが難しいことに気付くかと思います。そうなると、例えば今までは地面に置いたりビニール袋に入れたりしていたものを置くためのラックが欲しくなります。周りの道具を充実させたり、色や雰囲気を統一してオシャレにし始めたら、“キャンプ沼”の入り口ですね(笑)」(風美さん)

キャンプに慣れてきたら、自分のこだわりがでてくるもの。スターターキットのものから、より使いやすいものに買い替えたり、代用品ではなく専用のキャンプ用品を購入したり。欲しいキャンプ用品が出てきたら、またキャンプ用品のグレードアップを考え出したら、キャンプ中級者なのだそう。

■キャンプ飯に凝ってみる
簡単なキャンプ飯に慣れてきたら、凝ったキャンプ飯にも挑戦したくなるかも。そんなときにおすすめのキャンプ飯とは?

「キャンプ飯の魅力の1つは、時間をかけて集中して作れること。家庭料理ではなかなか難しい、手間暇がかかる料理に挑戦するのもいいと思います。例えば塩漬けしたブロック豚肉を焚き火に吊り下げてベーコンにしたり、ダッチオーブンでパンを焼いてみたり。ダッチオーブンは、パエリアやアクアパッツァなど煮込み料理にも便利ですよ。スパイスからすり潰してカレーを作ってみるのもいいですね」(風美さん)

ダッチオーブン(金属製のフタ付き鍋)のほかにも、メスティン(飯ごう)など、作りたいキャンプ飯に合わせて調理器具も買い足してみよう。ガスコンロではなく、焚き火を使っての料理に挑戦してみるのも楽しい。



■そのほかのおすすめキャンプ
「ソロキャンプ」という言葉は聞いたことがある人も多いのではないだろうか?キャンプは自由度が高いぶん、いろいろな種類のキャンプが存在する。

例えば「ソログルキャンプ」。ソロキャンパーが集まって、アクティビティや食事は一緒に楽しみ、就寝は各々のテントでするという“ソロキャンプとグループキャンプのいいとこどり”のキャンプスタイルだ。また、花見やハロウィン、年越しなどのシーズンイベントと合わせた「テーマキャンプ」で、テーマに合わせてテントをデコレーションして楽しむのもいいだろう。

「絶景が見られることから、『キャンパーの聖地』と呼ばれている有名なキャンプ場がいくつかあります。そういうキャンプ場でのキャンプに挑戦してみるものいいかもしれません。あとは車なしで、カバンにキャンプ用品を詰め込んで出掛けてみるとか。私はこれで、東京の八丈島や、沖縄の宮古島でキャンプしたこともあります」(風美さん)

コンパクトなキャンプ用品をそろえれば、飛行機に乗って遠征することもできるという。今から存分に「妄想」して、今後のキャンプライフをどのように過ごしていくか、計画してみてもいいかもしれない。

■ズバリ、キャンプに出掛ける理由とは?
年間約80泊ものキャンプをする風美さん。キャンプに興味があるキャンプ初心者にこそ伝えたい、キャンプの魅力とは、何なのだろうか。

「キャンプとは『時間のムダづかい』です(笑)。日常から抜け出せる『最高の遊び』だと私は思っています。遊びだからこそ自由度が高く、ルールやマナーさえ守れば何をしてもOK。『キャンプ=野外で生活する』と捉えると、ベランダでご飯を食べたり、公園でレジャーシートを敷いてのんびりしたりするのもキャンプではないでしょうか。キャンプ初心者の皆さんには、まずは身近なところでキャンプを楽しんでほしいです。少しずつキャンプに慣れてきたら、自分の好きなようにとことんカスタマイズして、キャンプライフを満喫しましょう!」(風美さん)

■キャンプ初心者も安心してキャンプを楽しもう!
「妄想」とシミュレーションから始めて準備すれば、キャンプ初心者でも安心してキャンプが始められるはず。ルールやマナーさえ守れば何をしてもOKなのがキャンプの醍醐味。まずは無理せず、自分なりのペースでキャンプライフを楽しんでみよう!


【森風美さんプロフィール】
幼少の頃からアウトドア好きな家族の影響でキャンパーとして育ち、キャンプ歴は年齢=27年。車中泊やキャンプなど誰でも楽しめるアウトドアスタイルを発信しています。女子キャンパーのライフスタイルモデルとしてはもとより、テレビ・雑誌・イベント出演など幅広い分野で活動中。著書に「はじめよう!ソロキャンプ」(山と渓谷社)、「はじめての“ぷち”キャンプ」(飛島新社)がある。

Instagram:@fu_u.m
X:@fu_uyu
YouTube:もりふうみチャンネル

取材・文=民田瑞歩

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