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世界遺産登録を目指す!注目を集める「佐渡島」の魅力を満喫してみた

  • 2023年2月6日
  • Walkerplus

日本海に浮かぶ自然豊かな新潟県・佐渡島。注目されるのは世界文化遺産に推薦されている「佐渡島(さど)の金山」だ。島内には多くの金銀山があり、主なものを総称して「佐渡金銀山」と呼ばれる。世界遺産に推薦されている「佐渡島の金山」は、「西三川砂金山」と「相川鶴子(あいかわつるし)金銀山」で構成されている。世界遺産に登録されると観光客がどっと増えることが予想されるので、旅をするなら登録前の今がおすすめ。初めての佐渡島でぜひ訪れてほしい金銀山の魅力やグルメスポットをお届けしよう。

■新潟港からジェットフォイルで67分

佐渡島へは、佐渡汽船が運航するジェットフォイル(新潟港~両津港)またはカーフェリー(新潟港~両津港)で行ける。上越新幹線・新潟駅から向かうなら新潟港が便利だ(佐渡島へのもうひとつの航路・直江津港~小木港は冬期運休後、カーフェリーが運航予定)。手を振る船員に見送られて日本海に出ると、船体が海面に浮上してすべるように進むジェットフォイルなら片道67分で島に到着。

島内で自家用車を利用するならカーフェリーで2時間半ののんびりした船旅を。島内は港のある両津のほか、国中、南佐渡、相川エリアに大別され、東京23区の1.4倍もある大きな島なので、島内の移動は自由が利く自家用車かレンタカーが便利だ。ほかにタクシー、バス、レンタサイクルもある。

■まずは「佐渡島の金山」のすごさをたっぷり体感

佐渡島の金山の歴史は平安時代からと古く、江戸時代までは手工業によって金の生産が行われていた。明治以降は技術・設備ともに近代化されたが、佐渡島には当時の手工業の様子を色濃く残す遺構が多くある。佐渡島の金山を知るうえで訪れたい3つのスポットを紹介する。

■佐渡金銀山をエンタメ的に学ぶ「きらりうむ佐渡」

まずは相川エリアにあるガイダンス施設「きらりうむ佐渡」を訪れたい。ここでは島内の金銀山の歴史から、「西三川砂金山」「相川鶴子金銀山」などを4つのシアターで分かりやすく紹介してくれるので理解が深まり、実際に金銀山を訪れたときの楽しさが倍増するはずだ。

シアターは金銀山が最も栄えた江戸時代から始まり、砂金と金鉱石それぞれの採取方法の違いや島で行われた小判作り、そして明治以降の近代鉱山の様子までをダイナミックな映像で紹介してくれる。面白いのが、映像では島民たちが当時の採掘の様子を再現していること。金銀山で働いた人たちの子孫たちだと思うと感慨深い。

また動画の合間に見られる展示物にも、壁のところどころにのぞき穴があったり、坑道を立体的にみられたり…と、仕掛けがいっぱいだ。

■実際の坑道を探検!「史跡 佐渡金山」

きらりうむ佐渡で理解を深めたら、そこから山道を車で10分ほど上っていくと現れる、「史跡 佐渡金山」へ。最も広大な金銀山「相川金銀山」の一部を一般公開している。

実際の坑道を歩くコースがいくつかあるが、そのうちのひとつ、採掘・選鉱・製錬から小判製造までの工程が描かれた「佐渡金銀山絵巻」の採掘作業を、人形を使って忠実に再現した「宗太夫坑」コースを紹介しよう。

この坑道は江戸時代に手作業で掘り進められたもの。暗い階段を下りて進んでいくと、金鉱石を掘る様子、染み出る水を排出する様子、坑夫たちの坑道内での休憩の様子など、当時のさまざまなシーンが人形で再現されている。

しかもこの人形たち、動いたりしゃべったりしてめちゃくちゃリアルで、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのよう。所要時間30分ほどがあっという間に感じるほど見ごたえたっぷりだ。

ほか、「道遊坑」コースでは明治から平成元年の操業休止まで使用された坑道、トロッコなどを保存展示。ルートの最後に坑道から外へ出ると相川金銀山のシンボル「道遊(どうゆう)の割戸」が目の前に現れるのも見もの。このコースはMRを駆使したウォークスルー型アトラクション「アイランド・ミラージュ」(要予約)も体験できる。専用端末とMRグラスを装着して宝石を集めながら坑道を進むので子供も十分に楽しめる。

また、ヘルメットとライトを頼りに探検気分で真っ暗な坑道を巡ることができる「山師ツアー」(上級者向け・中学生以上)など要予約のガイド付きコースもあるので、興味や時間に合わせて楽しもう。

■砂金取りに挑戦!「佐渡西三川ゴールドパーク」

もうひとつ訪れたいスポットが、国中エリアにある「西三川砂金山」。鉱山を掘って採掘した相川金銀山に対し、こちらは砂金が採取された土地で、今昔物語集にも登場するほど古い歴史がある。この地にある「佐渡西三川ゴールドパーク」では、砂金取りを体験できる(30分間)。
※2023年1~2月は冬季休館

水の底には砂金を含む砂が敷き詰められ、その砂をパンと呼ばれる緑色の器ですくい、円を描くようにゆすりながら砂を徐々に落としていくと…。

キラリと光る小さな物体が!あちこちから「あった!」という声が聞こえると、自分も…と、ついついのめり込んでしまう。当時の人たちも一攫千金を夢見てこうして採取していたと考えるとロマンいっぱいだ。

採れた砂金は専用の容器で持ち帰りができるほか、記念カード(500円)やキーホルダー(1500円)などにその場で加工もしてもらえる。

■併せて訪れたい相川金銀山の関連スポット

金銀山により繁栄した佐渡島には町のつくりや建造物、文化などさまざまなところに金銀山の影響がみられる。特に江戸時代に奉行所も置かれた相川エリアには史跡も多い。

■“佐渡のラピュタ”と話題の「北沢浮遊選鉱場跡」

きらりうむ佐渡と史跡 佐渡金山を結ぶ道の途中にある近代の産業遺産「北沢浮遊選鉱場跡」は、“佐渡のラピュタ”と呼ばれSNS映えスポットとしても人気。日本で最初に金鉱石に浮遊選鉱法という鉱物の収集方法を採用し、1936年(昭和11年)に建設に着手されたもので、鉱石処理量は東洋一とうたわれたほど。朽ちかけた建造物にまで緑が伸びたその様は、まさにあのラピュタだ。

日没からはライトアップされ(3~4月中旬はメンテナンスのため休止)、赤や青、緑、オレンジと色を変えて染まっていく様も幻想的で、一見の価値あり!

また同じ敷地内には、まるでローマ遺跡に降り立ったような建造物「北沢50mシックナー」も。シックナーは選鉱場の工業用水のために水と不純物などを分離する装置。こちらも昼間はもちろんのこと、暗闇に浮かび上がるライトアップされた様も見ごたえたっぷりだ。

■鉱山町の歴史を感じる「相川の町歩き」

ゴールドラッシュで栄えた町並みが残る相川エリア。レンガ造りの壁、江戸時代に時を告げていた鐘楼、古民家を利用したカフェなどが点在して風情たっぷりの町歩きが楽しめる。

自由に散策しても楽しいが、おすすめは地元ガイドと一緒に町歩きする「佐渡相川ふれあいガイド」。史跡や町並みにまつわる秘話などを交えて案内してくれ、また違う楽しみをプラスしてくれる。

取材時は6コース(所要時間1~2時間)のうち「佐渡奉行所周辺散策コース」で、江戸時代の建物を復元した佐渡奉行所を出発して散策。「町名には鉱山にまつわる名前や山師の名前が残っているんですよ」「この石垣には、鉱山で鉱石をすりつぶすのに使われていた石磨(いしうす)が再利用されているんです」など興味深い話に耳を傾ける。歴史情緒あふれる町並みを楽しみ、坂から見える海を臨み、坂道をずーっと上った先にある相川金銀山のシンボル「道遊の割戸」のビュースポットへ立ち寄り…と充実の1時間だった。

■寒ブリにオーシャンビューに…ハズせない地元グルメ

旅先で外せないのはご当地のおいしいグルメ。自然豊かな佐渡島では新鮮な魚介や農作物が楽しめる。旅先で出合ったおすすめグルメを紹介しよう。

■佐渡のラピュタが目の前に!「北沢Terrace」

2022年7月23日にオープンしたばかりの、史跡「北沢浮遊選鉱場」の中に位置するカフェレストラン。店内からは選鉱場のほか北沢50mシックナーも臨め、まるで異国に来たような風景を眺めながらゆっくり過ごせる。昼間はもちろんのこと、ライトアップで幻想的な雰囲気になる夜もおすすめだ。

自社グループで育てた「佐渡島黒豚」を使った料理も自慢。つなぎを使わない佐渡島黒豚100%のハンバーグ「佐渡島黒豚プレミアムハンバーグセット」(1650円)は中からジュワーッと肉汁があふれ出る。「佐渡島黒豚金山カレーセット」(1540円)は、相川金銀山のシンボル・道遊の割戸をかたどって金粉も散らした盛り付けがユーモラス。ほかにもアルコール類、スイーツやソフトドリンクも充実していて、どの時間帯に行ってもおいしいフードが楽しめる。

佐渡島育ちの店長・間島万起人さんは進学で一度は島を離れ観光業についたが、佐渡島を知ってもらいたいと島に戻ってきたのだそう。店内には選鉱場やシックナーに関する手作りの案内があり、「お客様にこの地を知ってもらい、滞留してもらえる場所になれば」と願う。

■真野湾を一望する絶景カフェ「しまふうみ 本店」

島ならでは海の絶景を楽しむなら、真野湾を一望するこちらのベーカリーカフェがおすすめ。国中エリアなので佐渡西三川ゴールドパークからも近い。ハイシーズンは美味しいパンとSNS映えする海の景色を求めて開店前からにぎわうそう。

暖かな季節は青空の下、オープンカフェで日本海を眺めながら、パンやコーヒー、ランチプレートなどを楽しむ観光客で賑わう。オフシーズンは地元客が店内から日本海らしい荒さもはらんだ海を眺めながら島時間を過ごす。

同店は「“島にあったらいいな”を作っていこう」と11年前にオーナーの別宅を利用して息子夫婦が開業。当初はパンの販売だけだったが、この景色をお客にも楽しんでもらいたいと居住スペースを少しずつカフェスペースへと改装し、ベーカリーには珍しく和室もある。おむつ替え台や授乳室のほか、和室には乳幼児用の布団もあり、小さなお子さん連れのファミリーもくつろげる。

また、敷地内には一棟貸しのゲストハウスがあり、ゲストは店のオープン前の時間帯に好きな席で絶景を楽しみながら朝食をとることができる。

■島ならではの薬膳料理が楽しめる「メレパレカイコ」

島北部に位置し20人ほどが暮らす集落・虫崎に、新潟市から移住した舘夫妻が2022年6月にオープンした一軒家のカフェレストラン。島の食材をふんだんに使った島薬膳料理が楽しめる。

11~2月の冬期営業期間中は週末のみ予約営業で、鰤しゃぶ、タラ鍋のどちらかを提供。取材時は島自慢の寒ブリが堪能できる「鰤しゃぶ」(2~3人前8800円)。友人の漁師から届くという熟成させて旨味を引き出したブリを薬膳スープに泳がせ、自家製のぽん酢と薬味でいただく。脂がしっかりのっているのでしゃぶしゃぶにしても身はしっとり。付け合わせの総菜や新鮮野菜、歌見棚田米の〆の雑炊まで佐渡の恵みを堪能できる。春から秋はランチとカフェ営業になり、魚がメインの「薬膳ランチ」(1200~1800円)やカフェメニューをラインナップ。

こうした食材が楽しめるのは、島内で人とのつながりを大切にしているからこそ。「集落の人たちが本当に良い方ばかりで、私たちを受け入れてくれました。集落全体が家族みたいなんです」と笑顔を見せる舘夫妻。取材時も友人の漁師夫婦がお店を手伝いに来ていた。

ほかにも移住前の職を活かし、島ウェディングのプロデュースや音楽イベントなども手掛けている。「移住者も増えて、定番以外の場所にお店ができてきているので、そういう店を巡るのもおもしろいですよ」と勧めてくれた。

■ご当地丼を楽しむ「味彩」

佐渡のブリを味わうなら、ご当地グルメ「佐渡天然ブリカツ丼」もおすすめだ。佐渡産の米粉を使った衣で天然のブリを揚げ、特製あごだし醤油ダレにくぐらせてほかほかの佐渡産米の上にのせたカツ丼。見た目はシンプルだが、衣はサックサクで、肉厚のブリはジュワッと旨味が染み渡り、さっぱりとした甘じょっぱいタレと相まって箸が進む。

「実はこのご当地丼はうちの父親が中心となって12年前に開発したんです」と、国中エリアにある「味彩」店主・伊藤潤さん。佐渡産の天然ブリや佐渡市認証米「朱鷺と暮らす郷(コシヒカリ)」の米粉や米を使う、ブリは約20グラム×5切れ、副菜にも地場産食材を付けるなど、厳格なルールをクリアしたものだけが佐渡天然ブリカツ丼に認定され、丼の上に立つ旗が認証の証だ。

味彩ではほかに「釜めし」(860円~)も人気。佐渡産のカニ、カキ(冬季のみ)のほか、エビやマイタケなど種類豊富で、注文を受けてから炊き上げる。「新潟は魚沼が米処として有名ですが、佐渡の米も引けを取らないくらいおいしいですよ!」と伊藤さん。1日を通して提供しているのでぜひ足を運んでみて。

金銀山はもちろんのこと、島ならではの絶景やグルメなど魅力たっぷりの佐渡島。秋冬には美味しい海の幸、春夏ならキャンプやトレッキングといったアウトドアなど四季折々の楽しみもあり、いつ訪れても特別な旅を演出してくれるはずだ。

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