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小ライスと半ライス、どっちかといえば?「人前でガムを出す瞬間」の感情“やだなー”…会話が広がる展示会が話題!着想のきっかけを聞いた

  • 2022年12月15日
  • Walkerplus

独自の発想で、展示会や飲食店をプロデュースするクリエイティブディレクターの明円卓(みょうえんすぐる)さん。2022年10月に開催した「やだなー展」は、SNSを中心に話題を集め、入場待ちの列ができるほどに。明円さんに、企画の作り方やアイデアのもととなる考え方について話を聞いた。

■思いつく人はたくさんいても、形にできる人は少ない。“構想”して“定着”までが大切
――まずは、これまでの明円さんのご経歴から教えていただけますか?

「2014年に電通に入社して、CMプランナーやコピーライターを軸に活動していました。7年目に独立して、現在は広告事業の『株式会社kakeru』と飲食業プロデュースの『株式会社JANAI』の代表を務めています」

――独立のきっかけは何だったのでしょうか?

「『自分の名前で仕事ができるようになりたい』というのを電通に入社した時点で決めていたのですが、電通ってやっぱりすごい会社なので。今までは基本的に『電通だから多くの仕事をいただけている』という状況だったと思うんです。それをすごくありがたく感じつつも、もし独立したら『自分一人でどれくらいやっていけるのか?』『自分の名前で仕事を受けられるようになるのか?』というのを試してみたかったというか。そういった思いで独立を決めました」

――その後、東京・恵比寿のコーヒー屋「JANAI COFFEE」の経営、2021年の「こんな感じだったと思う展」、2022年の「やだなー展」など独創的な企画やクリエイティブを数多く手掛けていらっしゃいます。現在の活動で大切にされていることやモットーはありますか?

「『楽しみながら、好きなことをしながら生きていく』というのと『まずは作ってみる』ということです。前者に関しては、今担当しているクライアントは、仲間のような関係を築けている人が多いので、思ったことがあれば、忖度なしに結構ガンガン言いますね。最初は“強気だな”と思われるかもしれないけど、その方が結果的に信頼されるし、関係性も良くなる気がします。後者は、僕がこれからの時代に必要なんじゃないかと思っている“クリエイティブ&プロデュース”の力につながること。“構想”して“定着”させるという、両方が必要になると思うんですね。そのために、まず企画を立ち上げて形にする。“これをやったら面白そう”って頭に浮かぶ人はたくさんいても、それを形にまでするとなると、一気に少なくなると思うんです」

――面白いと思ったら即行動、ということですね。その情熱の鮮度を維持するために意識していることはありますか?

「とにかく“口だけにならないように”というのがすごくあって。あと『何かしらの形にしてから考えてもいいんじゃない?』という楽観的な思考もあるかもしれないです。作ってから周りの人に見てもらってフィードバックをもらったり、なんなら、始めて上手くいかなかったらその時点でコンセプトを変えたりしてもいいかなって」

■共感の感情“あるある”を介して、コミュニケーションが生まれていく
――そうなんですね。日頃、アイデアはどんな時に閃くことが多いですか?

「余計な時間に思いつきます。人と雑談してる最中とか。誰かのちょっとした言葉が『ん?』と気になってアイデアが広がることもありますね。たとえば僕は、基本的に“展”をつければ何でも企画になると思っていて。それでいくつか展示をやってきたのを会社のインターンの子が見ていて、次に開催する『どっちかといえばこっち展』(2022年12月17日(土)~18日(日)開催予定)は、インターン生の発案で『“どっちかといえばこっち展”ってどうですかね?』『そのネーミングいいじゃん』みたいな会話から形にしていった感じ。みんなが無意識に引いてる境界線を明らかにしていく…という、新鮮で面白い体験ができる展示になっています」

――10月の「やだなー展」も大盛況でしたが、人々の心を掴み、熱狂させる秘訣はどこにあるとお考えですか?

「『やだなー展』で興味深かったのは、展示を見て、そこから会話が広がることが、面白くて満足度も高くなるポイントだったのかなって。『これ、分かるわー』とか『確かにやだよね』という人が共感しやすい“あるある”を介してコミュニケーションが生まれて、そこに気持ち良さを感じてもらうと。SNSで遠くに広がっていくものって“共感”が大きなキーワードだと思うんですけど、それと似た考え方ですよね」

――最後に、今後の展望を聞かせてもらえますか?

「僕、そのへんの意識が結構低くて。成し遂げたいことや果たしたいことが特にないんですよね。目の前にある“面白い”と思うことをすぐ形にしていけば、その先で新たな出会いがあったり、いろんな人がいろんな楽しい話を持ってきてくれる。で、さらにその広がりの先でまた面白いことが始まる。僕はそれを“ステージ理論”と呼んでいて、何かしらの面白い種を撒けば、そこから勝手にステージは上がっていくんだと思うんです。だからウチのインターンの子にいつも言うのは『目の前の面白いものを作り続けていれば大丈夫』って。その都度、面白いことがやれればいいかなって思っています」

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