サイト内
ウェブ

脈々と受け継がれる森からの贈り物。 スターバックスのJIMOTO Made新作は浜松の天竜杉のスリーブ付きカップ!

  • 2022年11月9日
  • Walkerplus

2015年にスタートしたスターバックスのJIMOTO Made 。店舗のある地域の素材や伝統工芸など地元の産業を取り入れて開発し、そのエリアの限定店舗で販売される、いわば地産地消の商品だ。その15弾として、林業が盛んな静岡県浜松市に、天竜杉を使ったスリーブ付きカップ「天竜杉スリーブ付カップ237ミリリットル」(11150円)が誕生した。11月14日(月)に浜松市内の13店舗で発売になる。商品に込められたストーリーを取材した。

■人々の生活を守る天竜美林のスリーブ
面積の6割以上が森林という自然豊かな浜松市。天竜川流域はもともと治水のために植林が始まり、古くから林業が盛んだ。木材を生産するために人の手で植林、枝打ち、間伐などの管理をして美しく成長させる人工林が広がり、奈良県吉野、三重県尾鷲に並び日本三大人工美林のひとつに数えられるほど。
また、森林の適正な維持管理の体制を認める国際的な環境規格・FSC認証の取得面積が、浜松市は市町村別で全国1位でもある。環境に配慮しながら人の手で育てられた美しい森が、地域の人々の暮らしや産業を支えているのだ。
天竜杉スリーブに使われるのは、FSC認証の森林で育った樹齢80年以上の良質な天竜杉。天竜川の流れをイメージした20角柱で木目が美しく、杉の華やかな香りが生きている。軽く、女性の手にもすとんと収まり、やわらかな木の感触が手のひらに伝わってくる。
カップには天竜川の荒波をイメージしたデザインが施され、よく見るとミカンやウグイスといった市の花や鳥、コーヒーの花や豆など、浜松市とスターバックスの象徴が波の合間に隠れているのが面白い。

■森を未来へつなぐために大切な、森林循環
市内の森に案内してくれた、スリーブに使われる木材を提供する永田木材4代目・永田琢也さん。温暖で雪が少ないことから、まっすぐに育つ天竜杉は、ほかのエリアの杉に比べて強度も高く、主に住宅を建てる建材として利用されている。空へと伸びる杉の幹をなでながら「すらっとまっすぐ伸びるから、どーんと柱を立てる五重塔のような建築が可能なんです。まさに適材適所ですよね」と語る。

長さだけでなく木の太さ、木目の出方など、木の部位によっても用途が変わるので、捨てるところはないのだという。天竜杉スリーブに使われている木材は節(枝の跡)が少ない、木目が美しい樹齢約80年以上の木材。

「樹齢40年以上でようやく住宅の柱として利用できます。僕たちが使わせていただいている木材は、先人たちが守ってきてくれたもの。ずっと昔から林業家が大切に育ててきてくれた。これから植林される木は、数十年後の未来の資源となるんです」
80年以上の歳月を経て森から私たちの手に届くスリーブには、先人の想いや自然の営みが凝縮されている。

また、国内の樹木は戦後の焼け野原に植林されたものが多く、樹齢70年前後のものが主流。一方、天竜地域は植林の歴史が古いため、樹齢100年以上のものから若いものまで、選択肢の幅が広いのも特徴だ。
しかし、こうした美しく豊富な木材を産出する浜松でも、担い手不足に悩まされているという。森林に恵まれている日本だが、木材消費量は国産材よりも安価な外材(外国から輸入される木材)の方が多い。美しい森林は「木を使うことで守られるんです」と、永田さんは言葉に力をこめる。

そこで永田さんが力を入れているのが「木育」だ。
製材所として木材を消費するだけになってしまうことに危機感を持ち、学校での講演、工場見学ツアーなどさまざまな取り組みを行っている。それは、幅広い世代に山や木のことを知ってもらい、木のファンを増やして山の維持管理につなげたいという想いからだ。
「植林し、枝打ちや間伐などの手入れをし、伐採をし、その木が流通することで山を守る資金が生まれます。でも国産材の消費が少ないとその山が維持できなくなり、後継者も生まれない。木を使うことは、山を守るサイクル“森林循環”のためにとても大切な要素です。

また、地域の木を使うことで地域の製材業や林業が持続可能になり、地域の経済も強くなる。地元ではあまり目を向けられることのない丸太のスライスを、ほかの地域ではインテリアとして購入してくれる。でも地元の人には森があることが当たり前すぎて、天竜材にはたくさんの魅力があることに気づいていない。だからこそ、まずは天竜材という資源があるということを地域の方に知ってもらうことから始めないといけないと考えています」

今回の取り組みも、そうした想いが根底にある。
「スターバックスさんの幅広い層のお客様に商品をきっかけに天竜杉を知っていただきたい。そして、これをきっかけに森林に関心を持ってもらい、将来の職業として林業をやってみたいと思う人たちが出てきてくれたらうれしい」と、期待を寄せていた。
■一つひとつ表情が異なる世界にひとつだけのスリーブ
地形の影響で湿気を含みやすく色が出やすいという天竜杉は、赤みがかった色をしている。伐採された木材は、製材加工されてから建築資材となります。日本では数か月で仕上がる人工乾燥が主流だが、永田木材では伝統的な天然乾燥にこだわっている。「出荷まで2~5年以上かかりますが、素材そのものの色つや、香りが残るんです」と永田さん。
永田木材で製材された天竜杉の角材は、浜名湖のほとりにあるak-design 黒田家具工房の黒田英敬・美和子夫妻へと届けられ、スリーブに仕上げられる。ぬくもりがあり、色みや木目など一つひとつ表情が異なるのが木の魅力だと黒田さんは語る。

天竜杉スリーブの開発は女性の手にも持ちやすいサイズ感になるよう、デザインや厚みをぎりぎりまで試行錯誤したという。そして、このスリーブを「世界にひとつだけのスリーブ」だと黒田さん。

製作は機械任せではなく、すべて“機械を使いながらの手作業”。
「特にこだわったのは、“人の手で作られたぬくもりを感じられるものに”ということ。面をサンドペーパーで削る際にあえて少し揺れのある線が出るよう加工することで、手作業の感触を残しています」
正確な寸法でフォルムを作った後、フリーハンド的に装飾を施しているため、手作業の味わいがあり一つひとつ表情が異なるのだ。
家具などに使われる広葉樹に比べるとやわらかいため傷はつきやすいが、使い込むほどに逆にそれが味わいになり、色もあめ色に変化していくというのもこのスリーブの魅力。木面のけば立ちを感じたらオイルを塗ってメンテナンスし、大切に長く使い続けることでさらに愛着がわく。使う人それぞれが、育てていくスリーブだ。
「日常のコーヒータイムで天竜杉を感じるきっかけを提供できることをうれしく思っています。みなさんのコレクションの中で末永く使っていただけたら」と、黒田夫妻は願う。

■過去から現在、そして未来へ。想いをつなぐ
JIMOTO Made では、商品の理解を深めるためパートナー(従業員)が制作現場を訪ねている。今回も「天竜杉スリーブ付カップ237ml」を販売する店舗のパートナーらが永田木材を訪ねた。

永田さんがクイズを交えながら楽しく天竜材の魅力を紹介したり、制作風景の映像とともに黒田さんが工程のポイントや苦労を語ったり。パートナーはみな熱心に耳を傾け、天然乾燥と人工乾燥の丸太の香りの違いを体験した際には、華やかに香る天然乾燥の材に驚きの声が上がった。そして商品がお披露目されると、「かわいい!」と歓声が。手に取って木の感触やサイズ、香りを確かめ、自然と笑顔になっていた。
ツアーに参加したプレ葉ウォーク浜北店のストアマネージャー(店長)・吉岡 賢さんは、この日の感動を店の仲間とともに伝えていきたいと決意を新たにする。
「ひとつの商品に多くの方がかかわり、込められているさまざまな想いを、僕たちがしっかりお客様へ届けていかなければいけないと、熱量が上がりました」

浜松半田山店のストアマネージャー・元家郁恵さんは、過去・現在・未来がつながっていることに感銘を受けたと語る。
「私たちが今使っているものは何十年も前に一生懸命育ててくださったもので、未来に向けて今の人が育てていて、ずっとつながっているんだということがとても印象的でした。今回の商品を通じて私たちもつながることができるということを大切にしたいです」

はるか昔より守られてきた豊かな森から届くスリーブ。手にする人との時間の中で、新たな物語をつむいでいきます。

■「天竜杉スリーブ付カップ237ミリリットル」販売店舗
ザザシティ浜松店、イオンモール浜松志都呂店、イオンモール浜松市野店、浜名湖サービスエリア店、浜松駅 新幹線ラチ内店、浜松新津町店、プレ葉ウォーク浜北店、浜松佐鳴台店
浜松半田山店、浜松城公園店、TSUTAYA 佐鳴台店、浜松 メイワン エキマチウエスト店、浜松 メイワン2階店


あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.