伊勢で映画「ペイル・ブルー・ドット」上映会 西嶋航司監督らのトークも

  • 2025年5月1日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 ドキュメンタリー映画「Pale Blue Dot(ペイル・ブルー・ドット) 君が微笑(ほほえ)めば、」の上映会が4月29日、伊勢市生涯学習センターいせトピア(伊勢市黒瀬町)で行われた。(伊勢志摩経済新聞)

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 「Pale Blue Dot」とは、1990年、アメリカ航空宇宙局(NASA)が打ち上げた太陽系外惑星探査機ポイジャー1号が、60億キロ離れた地球からの呼びかけに一度だけ振り返って撮影した一枚の地球の写真を、ボイジャー計画のリーダーの一人、カール・セーガン博士が漆黒の宇宙空間に浮かぶ、わずか1ピクセルにも満たない針の先ほどの小さな青い点にしか見えない地球の姿を例えた言葉。

 同作は、光を使って水分子の状態を解析する「アクアフォトミクス」の分野を切り開いた神戸大学教授のツェンコヴァ・ルミアナさんや神道を通して水の大切さを説く天河大辨財天社(天川村)名誉宮司の柿坂神酒之祐(みきのすけ)さんらが出演するドキュメンタリー映画。監督は、映画「地球交響曲 ガイアシンフォニー」の龍村仁監督の右腕として30年以上関わった西嶋航司さんが務める。西嶋さんは「ガイアシンフォニー第七番」の撮影で訪れた2009(平成21)年以来の伊勢訪問だという。

 西嶋監督は「映像の仕事に携わって35年。これまでに頂いたご縁という無数の点と、互いを結び合うつながりという線を手繰り寄せていった先に何か見えるのでは、という直感的な思いで動いた結果、出来上がったのがこの作品。動くと、そこで次の撮影のためのヒントをもらい、次々につながっていく。そのヒントを紡ぎ合わせていった先に『水という存在』が作品の背景に流れた。人類が見ることができる一番遠くからの地球の姿。Pale Blue Dotという淡い青い点は、まさに水の軌跡」と話す。

 上映後、ツェンコヴァ教授と共に水の研究を行う「ゆの里アクアフォトミクスラボ」(橋本市)社長の重岡昌吾さんの講演、西嶋監督と重岡さんとの対談も行われた。

 西嶋監督は「映画の撮影で、牛王(ごおう)神事に使う水を弥山(みせん)の山頂近くまで登り、頂きに行く。まさに熊野川につながる一滴の始まり。柿坂名誉宮司は『なぜこのような邪魔なことをするのか。人の足を使っていただくという表れ。人は便利なものに頼りすぎ、今は知識に置き換えられ、人間が元々持っている本体の知恵を忘れている。体現することがあり方の一つ』と話された。下山する際に雨が土砂降りになった。自分たちが歩いてきた道が次第に水であふれ川のようになっていった。重い機材を背負いながらだったが、辛いという感覚を通り越して、ふと、ただひたすら沿っていく、流れていくという感覚になった。あっ、これが水の流れと一緒になるということなのかと何となく感じた」と振り返った。

 重岡さんは「水と光の関係性を研究していると、見えなかったものが見えてくる。『新月に切った木は曲がらない』という昔の人たちが感覚的に導いた知恵としての新月伐採についても新月、上弦、満月、下弦の時に切った切り株の水をそれぞれ調べると理にかなっていることが分かる。瞑想(めいそう)すると体の中の水がどうなるかについても、肉体と精神がつながっていることもデータとして示すことができる。ツェンコヴァ教授は、日本で誕生したアクアフォトミクスを『水光道(みこうどう)』と名付けた。日本には神道がある。神道は宗教ではなく生き方を学ぶ哲学。だから水と光の関係性を学ぶ科学もまた、生き方を学ばせてくれる哲学的なものにもなるのでは、と話していた」と説明する。

 重岡さんは「人間の体は70%が水、分子レベルでは99%が水。ツェンコヴァ教授は『水は鏡である』と言う。水同士は光のやり取りをしているので、周りに映して自分を見ているとしたら、自分が周りに対して光を与えると当然、周りが明るくなり自分も鏡だから明るくなる。照らした光が自分を照らして、照らし照らされ、循環していく。周りを暗くするということは結局自分も暗くなって、分離が起きる。水のことを知れば知るほど生き方に通じる」と締めくくった。

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