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仕事人間がFIREをして初めて気づいた、穏やかに家族と暮らす幸せ 「嫌なら辞める」という選択肢は大事

  • 2022年10月28日
  • Walkerplus

こんにちは。40代前半、3児の父にして2021年にFIREを達成した、みもじ(@mimojinojinsei)と申します。私は、貯金ゼロの浪費家から節約家へと転身し資産形成に専念しました。過去に働き過ぎて体と心を壊した経験から、自分の人生を見つめ直しFIREを決断。現在は資産形成のコツや自己の人生観について、Twitterを中心に情報を発信中です。

ここでは「お金を使わずに幸せな暮らしをする」をテーマに、日常的に大切な節約について、あるいは資産運用と節約の大切さ、FIRE後の生活の楽しさなどをお話していきます。今回は、FIREをしたことで得られた時間の大切さについてお伝えします。

■家族といる時間が増えることの幸せ
私は以前働いていたとき、仕事が終わるのが遅く、帰ってきたときには子供がすでに寝ていて一度も顔を合わせない日が結構ありました。FIRE後は、今まで一緒にいられなかった分を取り戻すかのように、過ごす時間が多くなっています。

一緒にご飯を食べられることや、「おはよう」「おやすみ」を言えること、休日に一緒に出かけられること、他愛もない話で笑えること、それだけで幸せを感じるのです。家族といる時間が増えたことで、子供たちのその日の出来事や、今楽しみにしていること、困っていること、挑戦しようとしていることなどを理解できるようになり、家族も喜んでいます。

私自身も、子供の成長に関われることがとてもうれしいです。子供の成長は早く、あっという間に大きくなるもの。子育て期間が人生で一番楽しいとも聞きます。そんな時期を大切にできるようになりました。そして、家族の毎日の状態を比較することができるので、「最近は勉強で疲れている」とか「何かで悩んでいる」など、一人一人の調子が把握しやすくなったのです。そういった時にアドバイスをすることは私の役目だと思っています。

FIRE前に比べて最も変わったのは、家族が私を頼るようになったことです。

話をする時間が短いとなかなか込み入った話ができませんが、対話の時間を長く確保できることでさまざまな話ができるようになりました。精神的な支えがあることで不安を取り除くことができるため、家族全員がよりパワフルに活動できるようになったと思います。

学校の行事にも参加できるようになったので、授業参観で実際に子供の様子を見たり、保護者面談で先生と直接話したりすることで、子供のことをよく理解できるようになりました。家では見せない表情に出会えるので、学校生活を知ることは子供を理解する上でとても重要だと感じています。

また、私が働いていたときは家にいても顔が常に緊張状態にあったらしいのですが、今は表情が優しくなったと言われます。やはりその方が家族の心も和みますよね。

■心に余裕ができると、視野が広くなる
FIREを達成して時間に余裕ができたら、心にも余裕が生まれました。

FIRE前は、気がつくと時間に追われる人生になっていました。働いていると次から次へとやることが決まっています。期限までに仕上げなければならない仕事もあるので、タイムプレッシャーがつきまといます。FIRE後はそんな状況から解放されました。

心に余裕ができたことにより、視野が広くなったとも感じます。

車の運転を例に挙げると、運転中にスピードを出し過ぎていると視野が狭くなり、見える部分が限られます。これは人間の能力的に余裕がないためで、つまり情報量が少ない状態です。しかし、スピードを落とすことによって視野が広がれば、情報量も増えます。

心も同じように、余裕ができることで今まで見えていなかった部分が見えてくるようになります。私の場合は、他職種の方々や幅広い年齢層の方々と交流してみたいという気持ちになりました。すると、さまざまな価値観や今まで知らなかった考え方に気づき、理解することができるようになりました。自分のことで精一杯な状況であれば、このような違う世界に興味を持つことはなかったと思います。

実は体を壊した時に少しの間休養をとったことがあるのですが、時間の余裕が生まれたためこれからの人生を考えたことがありました。その時に「仕事を辞める選択肢」があると気づいたのです。いったん立ち止まれば、全速力で走っていた時にはわからない気づきがある、ということを実感しました。

生きていると、中には不愉快な行動をとる人もいるかと思います。それに対して今までは否定的な考えしかありませんでしたが、心に余裕ができると「なぜそのような行動をとるのか?」と、相手の考えを想像できるようになりました。他人の思考から幅広い視野で考えることができ、今まで理解できなかった人とも理解し合えるようになったんです。心に余裕があるということのメリットは計り知れません。

■家のことに積極的に参加できるようになった
FIRE達成前は仕事で家を空けることが多く、家族からは「家にいない人」として認識され、最初から当てにされていませんでした。子供の学校行事や幼稚園での父親参観なども、ほとんど妻が参加していました。また時間があっても、仕事の疲れが残っていて家のことに参加できないことが多々ありました。

しかし、FIREで時間に余裕ができると、疲労回復の時間も確保できるためパワフルに活動することが可能になり、積極的に参加できるようになりました。今は家事の代表格となる料理、掃除にも積極的にトライ中。自他ともに認めるほど料理音痴でしたが、最近は家族の評判も少しずつよくなってきています。

家事や子供の学校行事のほかにも地域行事への参加、習い事などの送迎、買い物など今まで任せっきりになっていたものを、家族の一員としてできるようになりました。家庭には名前もないような家事がたくさんあり、自分が知らないだけでいろいろなことをやってもらっていたんだな、と痛感します。今までやってくれていた妻に感謝です。

私が家のことに積極的に参加するようになって、妻の負担がかなり減ったことはとてもうれしいです。そして、私自身の生活力も上がりました。今は一人でなんでもできる人間を目指しています。子供にもそのように育ってもらいたいですね。

昔は、男性が働いて女性が家事をする。このような風潮があったと思います。いまだにそれを引きずっている人もいますが、今は違いますよね。価値観や生き方が変わったのであれば、常識も変えていかなければなりません。これからの時代を担っていく子供たちに、新しい理想の姿を見せることができていると思っています。

また、地域のつながりが希薄化する現代社会ですが、子供のためにも「地域の一員であること」の認識を持ってもらうことは大切だと思います。地域のつながりがあれば、何か困ったときに助け合うことができます。そんなコミュニティが理想的だと思いますし、FIREによって私が地域と関われる機会が増えたことは、子供たちに大きな影響を与えます。

■「嫌なら辞める」という選択肢を持つ~FIREという生き方~
「仕事が嫌になったら辞められる」。そんな選択肢を持てるのがFIREのメリットの一つです。ご存じの通り、働いている人はたくさんの我慢を抱えています。ある程度のことであればしょうがないかもしれませんが、過剰なストレスにさらされたり、体を壊したりしてまで働く必要はあるのでしょうか?経験上、そんな仕事は避けた方がいいと思います。世の中は理不尽なことであふれています。「耐えられなくなったら辞める」という選択肢があることで救われることもあります。

辞めるという選択肢がない場合は、その環境下で永久に我慢しなければなりません。私は働き過ぎて体と心を壊したことがあるのですが、今思うとなぜそこまでしなければならなかったのかと思います。当時は、ただただ耐えるしかありませんでした。辞めることを思い浮かべることができれば、必要のない苦痛や経験はしなくてもよかったはずです。

もちろんFIRE生活をしてみて自分に合わないと思ったら、また働き始めてもよいと思います。そのような人がいることも耳にします。道に迷いながらも自分のライフスタイルを確立していけばよいでしょう。それも人生です。

最後に「FIREという生き方」のメリットをまとめてみます。
1…ストレスが激減
ストレスを感じるのは特に仕事の場面が多いと思いますが、そこから解放されます。働いていると人間関係、ノルマ、残業、ハラスメントなどたくさんのストレス環境下に身を置くことになります。FIREすると仕事で嫌な人と付き合う必要がありませんし、ノルマも残業もハラスメントもありません。不必要なストレスと距離を置くことができます。

2…健康をコントロールできる
デスクワークが多いと腰や目に負担がかかります。体を使った仕事であれば疲労による怪我と隣り合わせです。また仕事柄、会食の多い人は栄養バランスが崩れる可能性が高いですし、睡眠時間も短くなってしまいがちです。長く続くと、病気を患ってしまう恐れすらあります。FIRE生活はそのような無理をしなくて済みますし、健康を自らコントロールすることができます。

3…自己投資に当てる時間が増える
労働に使う時間は1日8時間、1週間で40時間、1年で240日働くとすると1920時間、通勤の時間も合わせるともっと時間を費やすことになります。FIRE後は今まで労働に当てていた時間を、ほかのことに使うことができます。例えば何か1つのことを極めようと思えば、1年で1920時間以上の時間を確保できるので、自己投資などに充てることができます。それだけの時間があれば、何かを極めることも不可能ではないでしょう。

4…自由に行動できる
働いていると長期休暇が取りにくいと思います。有給休暇をとっても、何か理由がないと後ろめたささえ感じてしまう職場もあるでしょう。また、テレワークが普及しているとはいえ、住む場所は職場に通えるところに限定されてしまうのがほとんどです。FIRE生活をしていると休暇という概念もいらないですし、好きな場所に住むこともできます。最近注目を浴びている二拠点生活も可能です。

5…チャンスやピンチに気づくことができる
働いていると勤務時間中は仕事に集中しなければなりませんし、休日も仕事が頭から離れないこともあるかと思います。まさに頭が仕事に塩漬けにされている状態です。そのような状態になると自分に入ってくる情報が極度に減少します。そして、チャンスやピンチが近くにあっても気づくことができなくなってしまいます。しかし、精神的にも肉体的にも余裕があると、情報を自ら取りに行くようになります。能動的になることでそれらの存在に気づくことができ、それに応じた必要な行動を取ることができるようになります。

取材・文=澤田佳代

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