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「たべっ子どうぶつ」に“いない動物”はなんでしょう?学べるお菓子としても愛される「たべっ子どうぶつ」シリーズの秘密

  • 2022年9月28日
  • Walkerplus

46種類の動物がシルエットになったビスケット「たべっ子どうぶつ バター味」。お菓子メーカー「ギンビス」を代表する商品で、薄焼きのサクッとした食感とバターの香ばしい風味がクセになるビスケットだ。

「たべっ子どうぶつ」は2022年で発売から44周年を迎え、小さな子供から年配の方まで幅広い世代に愛され続けている。2007年には新たなシリーズ「たべっ子水族館」が発売され、最近ではお菓子だけでなくポーチやぬいぐるみなどのグッズも展開。“どうぶつ型のビスケット”という唯一無二の存在でロングセラーとなった今も挑戦を惜しまない商品だが、なぜ時代を越えて話題性を維持できているのだろうか。特に「たべっ子水族館」が発売した際は「今までなかったのか…」と思った人もいるのではないだろうか。

今回は、株式会社ギンビス(以下、ギンビス) 営業本部 広報担当の吉村萌子さんに、「たべっ子どうぶつ」の変遷や「たべっ子水族館」が生まれたきっかけについて聞いた。

■コアラがリストラ!?「たべっ子どうぶつ」誕生秘話
今やスーパーやコンビニで当たり前に見かける「たべっ子どうぶつ」だが、実はルーツとなった商品があるのをご存知だろうか。それが「動物四十七士」だ。1969年、動物の形のビスケットがなかった時代に「他社が出していない商品で勝負したい」と考えていたギンビスの創業者は、動物園の人気動物47種をシルエットにした「動物四十七士」を発売した。

「動物四十七士」は「たべっ子どうぶつ」よりも厚みがある、素朴な味わいの昔ながらのビスケット。1978年に「もっと薄焼きのビスケットを作ろう」ということになり、材料の配合や製法を調整して、薄くても割れにくい約半分の厚さになったビスケット「たべっ子どうぶつ」を生み出した。パッケージデザインもレトロな雰囲気からポップなものに変わったが、実はこの頃に動物の種類が47種類から46種類に減っている。

「コアラだけ『たべっ子どうぶつ』になることができませんでした。コアラといえば大きくてかわいい耳が特徴ですが、製造の過程でどうしても耳が欠けてしまったため、やむなくビスケットにはしないことになりました。また、パッケージにはキリンとワニが描かれているのですが、実は彼らも“首やしっぽが欠けやすい”という理由でビスケットになっていません」

それでもキリンとワニが描かれている理由は「動物園で人気の動物」「パッケージの色合いやデザイン」からだという。同じ理由でコアラもこっそりパッケージにも描かれているので探してみよう。

また、発売当初はピンクのパッケージが斬新だったようで、売れるまで1年もかかったんだとか。今でこそ当たり前のように見かける「たべっ子どうぶつ」だが、定番のお菓子になるまでにさまざまな苦労もあった。

■「リス」は英語で何ていう?学べるお菓子としても大活躍!
「たべっ子どうぶつ」の特徴の1つといえば、ビスケットに書かれた動物の英語名だ。「これなんだ?」とクイズを出したり、「牛は英語でなんでしょう?」と学習しながら食べることができる、親子のコミュニケーションを図れる“学べるお菓子”としても愛されている。

「私たちは『たべっ子どうぶつ』を『コミュニケーションビスケット』と呼んでいます。シルエットで動物当てゲームができるのはもちろんのこと、英語で動物の名前が書かれているので動物の名前当てや英語の勉強などを楽しむことができます。親子で楽しく交流しながら食べられる、思い出づくりにもぴったりの商品なんです」

また、ビスケットだけでなくパッケージにも学習要素が。裏側には動物たちが英語で会話する「楽しい英会話」や、動物の英語名が書かれた「外国語教室 英語でどうぶつは?」など、英語を楽しむことができるコンテンツが盛りだくさんだ。ちなみに「PORCUPINE(ヤマアラシ)」や「SQUIRREL(リス)」など難しい名前の動物もいて、「大人でも知らない」という声もあるという。

パッケージ内側には「たべっ子なぞなぞ」「たべっ子じゃんけん」「たべっ子ぬりえ」などのお楽しみも。1冊の仕掛け絵本のようなボリューム感があるので、ひと箱買えばさまざまな遊びを楽しむことができる。あちこちにたくさんの工夫がされているのも、「たべっ子どうぶつ」が長い間親しまれる理由の1つだろう。

「発売して44年間、多くのファンに愛されています。特に最近ではSNSで“たべっ子どうぶつ愛”を語ってくれる方も多くてうれしいですね。動物をアイシングクッキーでリアルに再現した作品を作っている人や、目を瞑って手で触っただけで動物の形がわかる人など、おもしろい試みをする方もいて驚くばかりです。近年では動物を当てるクイズなど、YouTubeの企画でも用いられています。人それぞれの楽しみ方をしていただけて、本当にうれしいです!」

■突如現れた「たべっ子水族館」とは?
2007年には「たべっ子どうぶつ」に新たなシリーズが誕生した。それが「たべっ子水族館」だ。ギンビスの主力商品「しみチョココーン」で培われた、チョコレートをスナックに含浸させる技術を使って新たな商品を作りたいという思いからできた商品だ。

「『たべっ子どうぶつ』にはビスケットに名前が印刷されていますが、『たべっ子水族館』では海の生きものの顔や形状が彫られています。開発する際はチョコレートをしみ込ませてビスケットが欠けないようにするのにとても苦労しましたが、ビスケットの形が崩れないギリギリを攻めて、47種類の海の生きものたちを表現することができました」

吉村さんは「形がわかりやすい水族館の人気者たちをピックアップしています」と話すが、生きものたちのなかにはクロダイとタイ、サメとフカなど全く見分けがつかないものも。魚同士のシルエットも似ているものが多いので、クイズを出した際の難易度は高めかもしれない。「たべっ子どうぶつ」と同様にパッケージ裏側に全ての種類の英語名が書かれているので、「ABALONE(アワビ)」や「FLOUNDER(ヒラメ)」など魚の英語名を勉強できる。魚や釣りが好きな人は必見だ。

また、現在は茨城県にある水族館「アクアワールド・大洗」で「たべっ子水族館コラボ in アクアワールド・大洗」が開催中。「たべっ子水族館」の仲間たちが描かれた水槽のなかを魚が泳ぐ「コラボレーション特設水槽」や、限定シールがもらえるクイズラリー「たべっ子水族館からの挑戦状」、オリジナルグッズが作れるワークショップなどが行われている。(2022年10月31日(月)まで)

■グッズ展開で全世代から愛されるお菓子に
ギンビスが力を入れいてるのは、“全世代への訴求”だという。「たべっ子どうぶつ」の主なターゲットは子供と子育て世代の親たちだが、最近では小さい頃に「たべっ子どうぶつ」を食べていた10〜20代をはじめ、子供から大人まで楽しめるキャラクターのグッズ展開に力を注いでいる。

「ここ数年はグッズ展開に力を入れています。その結果、10〜20代の若い世代に再認知いただくことができました。グッズがSNSで注目されて拡散されたおかげで、より多くの人に『たべっ子どうぶつ』を知っていただくことができました。グッズはポーチやバッグ、Tシャツ、ぬいぐるみなど豊富な種類があります。ぜひどうぶつたちのグッズも手に取ってみてくださいね」

新商品も発売しており、「ミニたべっ子どうぶつアップルパイ味」や「抹茶のたべっ子どうぶつ」など大人も楽しめる味が人気だ。スタンドパウチのタイプで机の上に置いておけるので、仕事や勉強のひと休みにもおすすめ。これまでの「たべっ子どうぶつ」とは一味違った味わいを楽しむことができる。

また、ギンビスの人気商品「アスパラガス」も同じように、全世代に愛される商品になるべく商品展開がされている。「アスパラガス」の主な消費者は50代以上だが、若い世代の人にも食べてもらおうと、2022年9月に「ミニアスパラガスおつまみベーコン」を発売。コロナ禍で広がった宅飲み需要に向けた商品だ。

「ギンビスはお菓子作りにおいて『品質を変えず、美味しいを届ける』が目標です。親から子へ、子から孫へと、全ての世代に愛される商品を目指しています。2023年に『たべっ子どうぶつ』は45周年を迎えますが、グッズやお菓子などいろんな方面から楽しい企画を皆さまに届けていきたいです!」

ギンビスが掲げるのは「お菓子に夢を!」というスローガン。ひと箱の「たべっ子どうぶつ」には、全ての世代に愛されるための工夫と努力が詰め込まれていた。まだまだ歩みを止めないロングセラー商品のこれからに、期待が膨らむばかりだ。

取材・文=福井求(にげば企画)

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