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目指すは「マナー世界最強」 “マナー”のマウント合戦で争う本格バトル漫画に注目集まる

  • 2022年9月22日
  • Walkerplus

社会生活を円滑に営む上で、互いに守ることが求められる「マナー」。だが、根拠が分からなかったり不合理だったりと、その実在や妥当性が疑われる「謎マナー」「創作マナー」と呼ばれるものもあり、しばしば物議を醸すことも。そんなマナーをテーマに取り入れたバトル漫画にTwitter上で注目が集まっている。

■マナーで世界最強トーナメントを制せ!「マナーバトル」に反響多数
漫画家のたむらゲン(@jack_yakitori)さんが漫画アプリ「マンガワン」で連載中の『遥かなるマナーバトル』。主人公の笹木真那が、マナー違反が原因で命を絶った父の復讐のため、世界最強のマナー講師を決める祭典「マナーバトル」に出場するという物語だ。

自らマナー講師となり世界一の座に輝くことで、この世を支配するマナーを、ひいては社会そのものを変えようとする真那。ビジネスマナーのやり取りの中で相手のマナー違反を誘う「マナーバトル」の試合で、虚実ないまぜのマナーと策略の応酬が描かれる頭脳バトル漫画となっている。

今年5月に作者のたむらゲンさんが制作途中の第一話を自身のTwitterアカウント上で公開したところ、たちまち10万件を超えるいいねを集め話題に。読者からは「めっちゃ面白い」「マナーという概念だけでここまでの漫画作れるってすごすぎる」「続きが読みたい」と多くの反響を呼んだ作品だ。

その後、本作の正式な商業連載が決定し、7月から連載がスタートした同作。Twitterに掲載されたパイロット版から、作画は全編にわたりブラッシュアップされた他、内容についても若干の変更が施されているという。ウォーカープラスでは連載開始を受け、たむらさんにアイデアのきっかけや作品作りのポイントをインタビューした。

■就活で感じたマナーへの違和感、漫画に描く上で「大学時代より勉強」
――「マナーで勝負する」という奇抜ながらも分かりやすいアイデアが印象的な本作です。制作のきっかけを教えてください。

「就職活動中、ノックの回数や、カバンの種類など、さまざまなマナーに気を使う場面がありました。今までの人生でも、部活や日々の生活でさまざまな場面でマナーが求められます。メールの文面でも『了解しました』はダメで、『承知しました』を使わなければならない、などの些細な言い回しが問題になりました。マナーを守ることが目的になっていて、自分自身もマナーに縛られているな、と感じ、その違和感などを面白おかしく描けるように取り組みました。とはいえ、あまり批判的になりすぎないようにも気をつけています」

――ご自身の経験がベースにあったのですね。それがバトル漫画にマッチしているのが興味深いです。

「僕はなんでもとりあえず戦わせときゃ面白いんじゃないかという発想になりがちなので、担当編集といろいろ話してるうちにこんな感じになった気がします。『喧嘩稼業』や『グラップラー刃牙』、『ケンガンアシュラ』みたいな、トーナメントバトルをやりたかったという気持ちがあります。『魁!!男塾』とか『将太の寿司』的なものもやりたかったです」

――バトルを描くにあたって、既存のマナーから展開を考えられたのでしょうか?それとも展開を先に構成してそこにハマりそうなマナーをあてはめていったのでしょうか?

「知っているマナー、調べたマナーを使いたいな~、と思いながら、適宜展開に合わせて新しいものを当てはめたり、逆に削ったりして作っています。また、世の中にはおびただしい量のマナー系書籍、ネット記事があるので、それをたくさん読むようにしています。実用書も役に立ちますが、社会学系の本や歴史の本などもとても有用です。大学時代より勉強をしている気がします」

――「お辞儀は59度」など、本作オリジナルのマナーも「ひょっとしたらあるかも」という絶妙な存在感です。実在するマナーとのバランスはどう考えられていますか?

「『お辞儀は59度』はオリジナルですが、実際は機会に応じて『15度』『30度』『60度』を使い分けよう、みたいなマナーは存在しており、あながち嘘でもないとも言えます。オリジナルと、実際に流通しているマナーが混在していることによって、読者が『マナーとは何か』について考えるきっかけになるといいなー、と思っています。また、あまりオリジナルを多くしないようには心がけていますが、オールオリジナルマナー回があっても面白いかもしれません」

――このたび「マンガワン」にて連載がスタートしました。もともとは続きはTwitterで展開予定とおっしゃっていたかと存じますが、連載に至った経緯を教えてください。

「もともと、マンガワンの『投稿トーナメント』という、誰でも参加できるネット漫画コンテスト的な者に応募するために描いていました。ここで優勝すると、連載確約という賞品がもらえるので、それを目指していました。そんな時、Twitterでマナー関連のつぶやきがバズっていたのを見て、この波に乗った方がいいと感じネーム状態でアップしてみたら、思ったより反響があり、トーナメントに参加することなく連載企画が通りました。やったね!」

――連載版での見どころや、今後の展望な読者に向けてメッセージをいただければ幸いです。

「連載版では、強化された作画、画力が高いアシスタントさんによる背景などがTwitter版との大きな違いとなっています。また、内容も連載に伴って多少の変更をしています。主人公たちの物語をしっかりと進めながらも、中盤で訪れるであろう、異種マナー格闘戦への布石やキャラの配置をしているので、是非ともそこまで読んでみてください。でも人気がなかったら普通に打ち切られるので、そこまで辿り着かないかもしれません。マンガワンで読んで!先読みして!単行本も買って!助けて!」


取材協力:田村ゲン(@jack_yakitori) / 小学館

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