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絵日記漫画家が描く、事実無根の「ウソ絵日記」。騙すためじゃない“あえてのウソ”が笑いを誘う

  • 2022年8月23日
  • Walkerplus

さまざまなジャンルが描かれる漫画の中で、SNS上で勢いのあるジャンルの1つが、自分の体験や身の回りの出来事を描く「絵日記漫画」。親近感を感じる絵柄や作風であるあるネタや意外なエピソードなどが披露されるのが定番だが、その内容がまったくの嘘だったら……?あったことを描く「絵日記」のフォーマットを逆手にとった「ウソ絵日記」漫画がTwitter上で注目を集めている。

■普段の絵日記に紛れ込む、まったくの「ホラ話」に反響
ネット世代の思い出や日常を描いた絵日記漫画「楽しいことしか起きない! 福田ナオのわくわくインターネット生活」で知られる福田ナオ(@fukku7010gmail1)さん。共感を呼ぶ“あるある”やアニメやゲームなどのネタを取り上げた絵日記をSNS上で発信しているが、そうした絵日記の形式のままフィクションの内容を描く「ウソ絵日記」も不定期に投稿。1万以上のいいねを集めることも多い、もう1つの人気シリーズとなっている。

スマートフォンのCMをパロディしたエピソードや、“実在しない”甥とのゲーム中のやり取りといった、いかにも「ありそう」な話から、「魔王が合コンに来た」「ギャルの殺し屋に依頼した」といった現実ではありえない日常ネタまで、絵日記として描かれるホラ話の内容はさまざま。Twitterユーザーからは、「素敵な話やん!って思ったらタイトルが…」と本当の絵日記と思いかけた人からコメントが寄せられることも。架空のあるあるや体験談が絵日記として描かれることでユーザーのツボをつく構図だ。

■絵日記のルールから外れた方が面白そう…「事実無根」を描くためのフォーマット
作者の福田さんに話を聞いたところ、普段の絵日記漫画では「事実を誇張して表現することはあっても、“起きてもいない出来事”や“存在しなかった発言”のように事実そのものが存在しないものや、“本心とまったく違う感情”のように事実に反するものを描くのは避けよう」という線引きをしているとのこと。

だがある時、“事実無根だけど面白い”ネタが思い浮かび、思いついたまま描いた方が読者も楽しいだろうと思った福田さん。その際、以前Twitter上で読んだ漫画のアイデアに感銘を受け、「ウソ絵日記」という形式を取り入れたのだという。

そうして昨年9月、福田さんは初めてのウソ絵日記「路上ポテチ」を公開。1万いいね以上の反響が集まり、読者に受け入れられたという感覚と自分自身が描いていて楽しかったことから、その後もタイトルに「ウソ絵日記」と明記したフォーマットで時折作品を投稿するようになったのだとか。

ウソ絵日記はパロディネタや既存の作品を引き合いに出す内容が多いことから、パロディ元や取り上げるネタがどれだけ読者に認知されているか意識しているという福田さん。また、投稿頻度についても「一度ウソ絵日記をやったら、少なくとも次の3回くらいは普通の日記漫画を投稿するようにしています。あくまで事実ベースの日記漫画があってこそウソ絵日記の真価が発揮されると思っているからです」と、本来の「絵日記」とのバランスについても教えてくれた。

「お笑い芸人さんが“ショートコント『〇〇』”と言ってネタを始めるのと近い感覚なのかもしれないです」と福田さんが語るように、最初から宣言されているからこそ、“そういうもの”だという安心感やおかしみが増すユニークな「ウソ絵日記」。人を騙すためではない、嘘の意外な効能や魅力も垣間見えるシリーズだ。

取材協力:福田ナオ(@fukku7010gmail1)さん

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