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【SDGs】“豊かな地球環境”を未来につなぐため、「江崎グリコ」が掲げる2050年をゴールとするビジョンとは?

  • 2022年8月26日
  • Walkerplus

今年で創立100周年を迎えた日本を代表する食品メーカーの一つ、江崎グリコ(Glicoグループ)。同社の名前を聞いて、まず思い浮かぶのは数多くの菓子・アイスクリーム商品だが、飲料商品、加工食品、カレー、スポーツサプリメント、美容食品、ベビー・育児商品など、その商品群は実に幅広く、身近なところで同社商品に触れる機会はあまりに多い。

人々の生活に影響力を持つメーカーである以上、社会貢献につながる活動にも熱心に取り組んでおり、2021年には「Glicoグループ環境ビジョン2050」といった該社の重要課題に基づいた4つの分野についてビジョンを策定。2050年をゴールに設定し、豊かな地球環境を未来につなぐための取り組みを行っている。今回は、これらの取り組みの背景にある思い、具体例の一部をピックアップして紹介する。

■「再生エネルギーの調達」から「ストロー廃止」「食品ロスに関わる取り組み」まで!

冒頭で触れた通り、Glicoグループは今年で創立100周年を迎えた。これまでも環境や社会に対する取り組みは熱心に行ってきたが、特に環境分野における問題に対しては、活動実施の加速化の必要性を感じ、社会的に強くコミットしながら取り組むことを目指し、昨年「Glicoグループ環境ビジョン2050」を策定した。

Glicoグループは、事業を通じて社会に貢献し続けていくために、取り組むべき重要課題を明確にしてCSR活動に取り組んでいる。この重要課題に基づき、「Glicoグループ環境ビジョン2050」では、以下の4つの分野において2050年までに実現できるよう具体的に取り組んでいくという。

1.気候変動への対応・温室効果ガスの削減

2.持続可能な水資源の活用

3.持続可能な容器・包装資源の活用

4.食品廃棄物の削減

このうち、1.にあたる取り組みについては、茨城県常陸大宮市にあるグリコマニュファクチャリングジャパン茨城工場で、今年初めて再生可能エネルギー由来の電力調達を100%とし、二酸化炭素の排出量の削減を強化。今後も同様の取り組みを広げていくという。

また、3.にあたる取り組みとして、2022年4月から学校給食で提供している牛乳のストローを廃止し2023年には、2021年比で年間にして約2500万本もの削減を目指す。

約2500万本ものストローを削減することで、年間の二酸化炭素の排出量に換算すると約25トンもの削減につながるという。

さらに、4.にあたる取り組みでは、Glicoグループの主力商品の「ジャイアントカプリコ」「ポッキー」といった商品の「ふぞろい品」をパッケージ化し、一部チャネル限定で販売。工場の生産過程で折れてしまったり、崩れてしまったものの品質には問題ないものを廃棄するのではなく、無駄なく商品化することで食品ロス削減につながった。この「ふぞろい品」の取り組みは「第14回日本マーケティング大賞 奨励賞」を受賞し、当初Glicoグループが考えていた以上に、消費者や社会から反響があったと担当者は振り返る。

■社内外の人たちと、リサイクルループを共有する試みも続々!

ここまで「Glicoグループ環境ビジョン2050」に伴う同社の取り組みの一部を紹介したが、さらにリサイクルループに特化させた同社ならではの興味深い実践もあるという。

どれだけ食品ロスを減らそうと努めても、ゼロにすることは難しいそうだが、Glicoグループの神戸工場では、それをそのまま捨てるのではなく、飼料化し家畜の餌に転用させる取り組みを実施。さらにその飼料で育った豚を、社員向けの食堂の食材に使うことでリサイクルループを実現させている。「食品ロスの削減の意義」と合わせて、リサイクルループの流れを社員一丸で共有する意味でも、有意義な試みと言って良いだろう。

他方、社内での意識向上だけでなく、消費者にも環境に関わる啓発も行っている。Glicoグループの会員サイトに「with Glico」というものがあるが、抽選で参加できるファンミーティングがある。こういった場でも、食べ残しや野菜の皮・ヘタといった、いわゆる生ごみをそのまま捨てるのではなく、堆肥化させて家庭菜園やプランターなどの肥料に転じるコンポストの取り組みも実施。ゴミ焼却場で燃やす場合は、大量の二酸化炭素を発生させることになるが、こういった身近なところでも、サステナブルな行動を取ることができることを、今後も啓発していきたいという。

さらに、Glicoグループのヒット商品「プッチンプリン」にまつわる興味深い取り組みもある。同ブランドの「植物生まれのプッチンプリン」をきっかけに、リサイクルを学ぶ出張授業「みんなで楽しく学ぼう!プッチンプリサイクル」を実施した。

具体的には環境・リサイクルの授業のなかで、同商品を子供たちに食べてもらい、食べ終わった容器を回収し、それを資源にし文房具として生まれ変わらせたものを子供たちに戻すという取り組みである。現在、容器原料の文房具を制作中とのことだが、これもまた、子供たちが体感するリサイクルループの実例になることだろう。

■課題も多い始まったばかりの取り組み。今後より積極的に実践していく

「Glicoグループ環境ビジョン2050」は策定からまだ1年半だが、社外の人間から見れば、走り出しとして十分さまざまな取り組みを行っているように映る。しかし、Glicoグループ担当者によれば、課題はまだまだ多いとも語る。最後に、今後の展望と合わせて「Glicoグループ環境ビジョン2050」にかける思いを聞いてみた。

【江崎グリコ・CSR推進グループ担当者】「『Glicoグループ環境ビジョン2050』を掲げ、実際にいくつもの取り組みを実施しているところですが、社員全員一人一人が本当に『自分ごと』として共感して、行動にうつしていくには、まだまだ足りないと思っています。

たとえば、食品残渣の飼料化にしても、コンポストにしても資源循環は実際に取り組みからゴールまでを体感しないことには、なかなかイメージできないものでもあります。いくつもの取り組みを実施し続けていき、実体験の機会を増やすことで、さらに意識が高まっていくと思いますので、継続的に社員に向けて働きかけを行っていきたいと思います。

また、『Glicoグループ環境ビジョン2050』は社内だけで共有するものではないと思っています。ファンミーティングでのコンポストの取り組みや、小学校でのリサイクルにまつわる授業の実施といった生活者の方との共有はもちろん、他企業や団体ともパートナーシップを結び、より広く活動していくべきことだと考えています。

こういった課題が目の前にありますが、今後より積極的に活動に取り組みながら、2050年をゴールに、豊かな地球環境を未来につなぐための活動を行っていきたいと考えています」

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