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【漫画】娘がいきなり「お母さんのそういうところが嫌い」!?子供心を学べるコミックエッセイが胸に刺さる!

  • 2022年6月13日
  • Walkerplus

「こんな大人になりたくない」。子供の頃にそう感じたことはないだろうか。しかし大人になってしまった今、逆にそう言われる人間になってしまっているかもしれない…。そんなことを考えさせられる漫画『おじょうさんはド直球』は、作者のきよまろさん(@sobomiyako98)とその娘・りこさんとの日常会話のなかから生まれた作品だ。

ついつい忘れがちになる、子供の頃の気持ちを呼び起こすこの漫画。りこさんのド直球なひと言に、きよまろさんやその周辺、読者までもが思わずタジタジに。今回は『おじょうさんはド直球』の制作の裏側を聞いた。

■母を唸らせる娘・りこさんとの日常
きよまろさんは自分自身への備忘録として、そして子供時代を忘れた大人たちのために『おじょうさんはド直球』を描き始めたと語る。娘であるりこさんとの日常の会話のなかで、「あ、そうだよね」と言動を振り返ることが増えたのだという。

「私たちは子供だった時代を経て大人になるわけですが、大人になると子供だった時のことを忘れて子供に対してマウントをとってみたり、自分の経験値で考えを押し付けがちになってしまいますよね。彼女と話していると、ハッとさせられます」

りこさんの言葉はいわゆる“素朴な疑問”のようなものが多いが、大人からすればどれも実に鋭い。自分が子供の頃に嫌だと感じたことを今してしまっているかもしれないと、自分を顧みる言葉を漫画を通して受け取ることができる。

■しっかり者の娘を形成したのは家庭環境
幼いながらに視野が広く、大人顔負けな言動をかますりこさん。そんなりこさんを形成したのは家庭環境にあるようだ。

きよまろさんと旦那さんの間にはりこさんより12歳上の息子さんがおり、3歳のころに発達障害の診断を受けたそう。それゆえに忖度や“空気を読む”といった行動が苦手で、りこさんとはたびたび喧嘩してしまうことも。さらに旦那さんは知的でとても優しい性格なのだが、それゆえに社会との軋轢に苦しみ精神的にまいってしまい、りこさんは幼い頃からその場の様子を伺いながら甘えるようになっていった。

きよまろさん自身も、息子さんとりこさんの間に流産や死産を経験しており、ちょっとやそっとでは動じない子育てになったと振り返る。そんな経緯があり、りこさんは独立心が強くマイペースで、他人に依存しない子に成長したときよまろさんは話してくれた。

■子供の頃の経験が「フラットな子育て」に繋がる
きよまろさんはりこさんと接する際に極力対等に接し、「1人の人間」として尊重することを意識しているのだそう。それはきよまろさんの両親は非常に厳格で、それゆえに子供ながらに抑圧を感じ、逃れるために嘘をついたり、トラブルが起きれば他人のせいにしたりして自己保身に走る人間になってしまったからだと語る。

そんな自身の経験からりこさんとはなるべく対等に接し、「洗濯物はかごに入れなさい」ではなく「持って行ってもらえるとお母さん超助かる!」といったように、日常的に命令形の言葉やネガティブな言葉を使わないようにしているという。

「でも本当のところはそんな難しい話ではなく、『子供の考え方や発想力は大人のこり固まったものとは違っておもしろい』と私自身が楽しんでもいるんです」

しかし、こういったフラットな関係性が時折あだとなることも。仲の良い友達と会話する感覚で、りこさんの「疲れた」という言葉に「お母さんも疲れた」と同調の言葉をかけたのだが、りこさんが求めていたのは“友達”としての言葉ではなく“母親”としての言葉だったようだ。「”母親”として受け止めてほしい」というりこさんの思いに気づかず、甘えさせてあげられなかった」と振り返るきよまろさん。母親としての役割もきちんと果たさねばと、猛省したんだとか。

また、りこさんはマタタビ科(キウイやサルナシなど)のアレルギーを持っているのだが、焼き肉店で出されたタレのなかにキウイが含まれていたため、アナフィラキシーショックを起こしたことがあったのだという。目に見えないところにもアレルギーの原因があることをりこさんに常々伝え、原材料まで確認するように癖づけていたそう。きよまろさんがいない学校行事などでもその習慣が役に立ち、機転を利かせてアレルギーを回避したエピソードも。

「『誰かを責める前に、自分の身は自分で守れるように』とりこには教えています」

■自分を見つめ直すきっかけをくれるド直球な言葉
きよまろさんはこれからもりこさんがド直球である限り、漫画を描き続けていきたいと意気込みを語った。子供の頃から漫画家を目指していたというきよまろさん。一時はそんな夢を忘れてしまっていたが、現在はりこさんと一緒に再挑戦中とのこと。

「生まれながらの悪人はいないように、子供の心は純粋で善の塊です。本来あるべき正しい姿を子供から教えられる。『学ぶべきは大人のほうなのかもしれないな』と思わされる日々です」

世の大人をハッとさせてくれるりこさんのド直球な言葉。今後りこさんがどんなふうに成長していくのか、イチ読者として見守りたい。

取材・文=織田繭

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