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【漫画】生活コストは最大7割減!移住の大変さは「大雨のため休みます」が伝わらない…!?

  • 2021年12月14日
  • Walkerplus

コロナ禍により、この1~2年で急速にリモートワークが定着した。特に通勤を考慮して、都心部に暮らしていた人は、会社の近くに住む必要がないと感じ地方移住を選ぶ人が増えているという。

漫画家の加曽利りあらさんは、コロナ禍で「移住」が注目されるより以前から、都心の住居を引き払い、伊豆へ拠点を移し約7年が経過。彼女はその経験をもとに、著書「田舎移住漫画・森ぐらしはじめました」を執筆している。そんな移住の先輩・加曽利さんに、移住にまつわるさまざまな疑問をぶつけてみた。

―まず、加曽利さんが田舎に移住をしようと思ったきっかけは何だったのでしょう?
「飼っている犬に適した環境を求めていたことや、賃貸の卒業を考えていたからです。ですが、非正規雇用なので月額の家賃やローンの支払いに向いておらず『現金一括で田舎の中古ハウスを買いたい!』と思い立ったことがきっかけですね。田舎暮らしをすることが、当時、抱えていた悩みの多くを解決できる画期的なアイデアだったんです」

―コロナ禍で「移住」が注目を浴びていますが、どのようにお考えですか?
「私が作った移住同人誌の注文が、多い日には5~10倍に増えたりするなど、コロナ禍以降、田舎暮らしに興味を持たれた方が増えたことを実感しています。最近は過疎地域の自治体による移住促進イベントなども活発になっている印象です。いずれにしても、移住が成功するか否かは自分に合った田舎に出会えるか?にかかっているので『まるでカードゲームみたいだな』と思うこともあります」

―1日の中で何をしている時間が一番好きですか?
「難しい質問ですね。なぜなら、住居費を稼ぐ必要がないので、その時間に好きな事ができるんです。とにかく時間に余裕があるので、全てを自分好みにカスタマイズできます。東京で暮らしていた時は時間をお金で買っていましたが、移住をしたことで、これまで住居費を稼ぐための時間が約10日ほど空きました。私の周りには四十路にして学生になった方もいます。ちなみに、田舎の道路はシーズンオフなら渋滞も信号もほとんどありませんので快適ですよ!なので、海や山へ、犬と散歩に出かけられて幸せです」

―移住生活で想像していたよりも「大変」と感じたことは?
「もう今はすっかり慣れましたけど、早朝や日没後はタヌキやイノシシ、クマなどが活発に活動しているので、『野外行動は太陽が出ているうちに!』という時間の過ごし方が、最初のころは大変でした。あとは都市部の会社に『大雨だからお休みをいただきます』が伝わらないのが大変です!田舎の大雨は、倒木や土砂災害を警戒しなければならないため、のんきに椅子に座って在宅勤務をしている場合でもないんです。やっぱり来ていただかないと伝わらないかも!?(笑)」 

―生活コストは都市部と移住先、比較していかがでしょう?
「金銭的な話ですと、食費は年々下がっていて、現在は東京で暮らしていたころよりも7割ほど減りました。具体的には家庭菜園で野菜を育てていることと、伊豆は魚が非常に安いので、二人と犬二匹での月々の食費は1万6000円程度で収まります。東京では月に平均5万円ほどの食費がかかっていましたので。また、私の家の周りには木に囲まれていて、木の陰で日よけができるので、電気代も約5000円ほど下がりましたね」

―移住先の失敗しない選び方、チェックポイントを3つ教えてください
「そうですね、私が考えるに『①自分に合った田舎を知る』『②自分に合った田舎を探す方法を見付ける』『③必ず付き合わなきゃいけない人がいる状態の田舎に移住しない』。この3つではないでしょうか」

―その理由はなんでしょうか?
「まず『①自分に合った田舎を知る』ですが、ひと言で田舎と言っても実にさまざまな田舎があります。私の場合はコミュニティが薄い、自治体などが定める暮らしの規則がゆるい、隣家と物理的に距離があって付き合い、自治会が無い生活を望んでいたので、そういった場所を選びました。このように、どういう田舎を求めているのか細かく自己分析をして、それに合った条件の田舎を探すことが大切だと思います。

そして『②自分に合った田舎を探す方法を見付ける』。これは、人の話や検索して出てくる情報よりも、自分の足で『いいな』と感じる地に行き、見て、判断するしかありません。とはいっても、そんな仰々しい感じではなく、あちこちへ視察がてら旅行をしてみるのが近道かと思います。雰囲気的に『なんか好き』がいっぱいある所が良いような気がしますね。なにしろ好きのパワーはすごいですから。

最後に『③必ず付き合わなきゃいけない人がいる状態の田舎に移住しない』ですが、田舎のコミュニティは狭いです。付き合わなきゃいけない人が『なんとなく苦手』だった場合、辛いので、自治体の活動が活発でなさそうなところを探すのがコツです。具体的には地元の掲示板などに掲示物が少ないことや、ゴミ集積所の様子だとか、家と家の間隔が徒歩では難しいだとか、そういうのがポイントになりますね。これができる移住が良い移住…と私は思います。ですが、密集地域でうまくやれる方もいらっしゃるので、向き不向きの判断には、やはり自己分析が必要です」

―なるほど。そうして見つけた田舎でスタートした生活をまとめた著書「田舎移住漫画・森ぐらしはじめました」ですが、執筆のきっかけ、反響を教えてください。
「『こんなおもしろい経験は漫画にせねば』と思い、気が付いたら漫画を描いていました。Twitterにポストしたところ大ヒット…でもないんですけど、高確率でプロフィールを見てくださるし、2018年ごろ、まとめたものをkindleで販売したらありがたいことに、じわじわと売れています。近年は『移住しました』という報告を頂きます。移住生活をスタートした方は、移住を考えている人のために、そこでの暮らしを発信して広めてほしいです!」

まずは気になる場所を旅行がてら訪問し、自然に囲まれた生活への一歩を踏み出してみては。

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