古湯温泉街の「英龍温泉」(佐賀市富士町古湯)1階に4月25日、「温泉食堂」がオープンした。(佐賀経済新聞)
英龍温泉「温泉食堂」で提供する「日替わり定食」
英龍温泉の起源は1867年、現在の佐賀市大和町川上の寺院「実相院」の高僧英龍僧正が同地に温泉を創掘したことから。以降、長く「英龍温泉」と呼ばれた後、1921(大正10)年に温泉施設「古湯温泉館」が建てられた。地域住民が中心となり運営する温泉施設として、途中、名称変更や施設所有者の変更を経て、2013(平成25)年に「古湯温泉 英龍温泉」としてリニューアル。同施設には、日帰り入浴も可能な温泉のほか、貸し切り風呂、大広間、和室7室がある。同施設1階ではこれまで、食堂「権現」が長く営業し、温泉利用客の食事や宿泊客への朝食・夕食を提供してきたが、店主の高齢により今年3月23日に閉店した。
今回、同所に「温泉食堂」を開いたのは、昨年6月から古湯温泉街で「すなっくパゴパゴ 古湯店」を経営するママの大坪仁愛(めぐみ)さん。スナック営業通じて古湯地区の住民との交流を深める中、食堂営業の打診を受けた。飲食経験があり、前職を退職したばかりのスタッフを確保できたことから出店を決めたという。
店内の席数は24席。メニューは、「日替わり定食」(800円)、「とんかつ定食」(1,200円)、「ちゃんぽん」(850円)、「ラーメン」(750円)など。丼やカレー、うどんなどのメニューを増やしたいという。
大坪さんは「古湯温泉街には夕方以降、旅館以外で食事ができるところがない状態だったので、温泉街で働く人の家族やほかの旅館の素泊まり宿泊客などに利用してもらっている。6月からは『英龍温泉』宿泊客への朝夕食の提供も始めたい。温泉街や佐賀市中心部で働く人が子どもへの夕食の準備に苦労したり、子どもの学校帰りの待ち合わせの場の確保に苦労したりしているという話を聞き、いずれ、このような子どもたちに手頃な価格で食事提供できるよう営業を軌道に乗せたい」と意欲を見せる。
営業時間は、11時~14時30分、17時~19時30分(以上、ラストオーダー)。