楽天が運営するインターネット・ショッピングモール「楽天市場」の購買データや一般消費者へのアンケート調査などをもとに、睡眠関連市場の動向をまとめた「楽天グループ 2025年 睡眠トレンド予測」が発表されました。今回は発表内容のほか、会場で展示された快眠アイテムや、心地よい睡眠のための3つのポイントなどの情報も合わせて紹介します。
楽天が実施したアンケート調査(※)によると、回答者の約8割が睡眠の重要性を認識している一方で、約半数が睡眠に何らかの不満を抱えており、また約6割が寝付きにくさを感じているという結果となり、多くの人が睡眠の質に課題を感じていることがわかりました。
※10代〜60代男女1000人を対象に、2025年4月に実施したインターネット調査(調査機関: 「Freeasy」)
また、「楽天市場」では、40万点以上の睡眠関連商品を取り扱っており、2024年の流通総額はコロナ禍前の2019年と比較して約6.4倍に拡大しているそう。その需要拡大の背景には、コロナ禍における健康やウェルネスへの意識の高まりに加えて、近年のライフスタイルの変化や多様化に伴い、質の良い睡眠へのニーズの高まりがあるとしています。
そこで同社では、2025年の睡眠トレンドのキーワードとして、1.令和の眠活、2.睡眠メシ、3.スリープツーリズムの3つを挙げています。
「令和の眠活」とは、快適に寝るための寝具やナイトウェア、サプリ、エアコンなどの空調機器といった従来型の快眠アイテムに加え、スマートフォンアプリや指輪型デバイス、センサーなどの最新技術を取り入れた「スリープテック」市場が拡大していることを表現したもの。
エアコン本体のセンサーではなく、枕もとの「ベッドサイドセンサー」が温度・湿度を検知し、快適な睡眠環境をつくるパナソニックのエアコン「エオリア CS-PX282D」や、独自のアルゴリズムを取り入れ、いびきのボリュームや寝る向き、寝返りの回数などを測定し、最適な睡眠環境をサポートする「ブレインスリープ コイン」などが紹介されています。
また、楽天が運営するオンライン書店「楽天ブックス」では、睡眠をテーマにしたレシピ本やダイエット関連本の2024年における売り上げが前年比約1.3倍に伸長していることに加え、楽天が実施した調査で回答者の約7割が「睡眠改善に寄与する食事を食べたい」と回答していることから、睡眠の質を高めるとされている栄養素を含む食材を活用した食事「睡眠メシ」への関心が高まると予想しています。
さらに、海外を中心に、良質な睡眠を目的とした旅行の形態「スリープツーリズム」が注目を集めており、5つ星ホテルなどを中心に、休息をサポートする機能性の高いベッドを導入するなどの動きがみられることに着目。旅行予約サービス「楽天トラベル」においても、「睡眠」や「快眠」のキーワードを含む2024年における宿泊プラン数が2019年比で約1.5倍に増加しており、日本国内においても「スリープツーリズム」の拡大が期待されるとしています。
発表会には、今回楽天市場の睡眠特集ページの監修も務めた睡眠コンサルタントの友野なお氏が登壇。睡眠の重要性や快適な睡眠のためのコツなどを解説しました。
友野氏によれば、日本人は世界のなかでも睡眠時間が短く、寝不足の人が多いといわれているとのこと。睡眠不足は思考力や判断力、記憶の低下につながるとされ、ビジネスの場でもパフォーマンスが下がる原因になるそう。
そこで、快適に眠るためのポイントとして、3つの心がけたいことを紹介してくれました。まず、寝る1時間前にはスマホやテレビを見ないようにすること。ディスプレイから出るブルーライトが睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制して寝つきが悪くなるほか、視覚から入ってくる情報が刺激となって脳を興奮状態にしてしまい、入眠の妨げになってしまいます。
続いて、帰宅後はなるべく外出を控えることも重要だそう。明るい繁華街などを歩くと体に活動スイッチが入り目が冴えてしまいます。また、帰宅途中でスーパーやコンビニなどに寄るのも、あまり好ましくないそう。店内は商品を見せるために明るく照らされているので、脳が昼間と勘違いしてしまい活動スイッチが入ってしまいます。
最後に、寝る数時間前に湯船に浸かって入浴をすると、入眠時に自然と体温が下がりやすくなり寝つきがよくなるそうです。時間がないときは、足湯やレッグウォーマーなどで足元を温めるだけでも効果が見込めます。
睡眠不足を感じている方や眠れなくて悩んでいる方は、上記の3つを心がけてみるとよいでしょう。また、楽天市場の睡眠アイテムの特集ページでは、睡眠コンサルタントの友野氏による快眠グッズの選び方や快眠のポイントなども解説されているのでチェックしてみてください。