サイト内
ウェブ

再婚家庭の明るい日々を漫画に。家族の温かさに血の繋がりは関係なし

  • 2021年7月21日
  • Walkerplus

「再婚家庭」のことを英語では「ステップファミリー」というそうだ。初婚で夫の子供2人の母親となったネコおやじさん(@nekooyajii)は、ブログ「我が家はステップファミリー」とInstagramで、家族の日常を描いた漫画を投稿している。複雑な印象のテーマだが、一家の出来事を明るくにぎやかに描き、時に愛情や優しさにギュッと心を掴まれる内容が話題だ。ネコおやじさんに結婚当初からの家族の変化や、思い出深いエピソードなどを聞いてみた。

■結婚前の不安な時期に知った言葉「ステップファミリー」
ネコおやじさんは、妻と死別した元シングルファザーのしげパパさんと結婚し、長男もんたくんと長女もこちゃんの母親となった。その後、しげパパさんとの間に次男のもん吉くんが誕生し、現在は5人家族。ブログの題名にもある「ステップファミリー」という言葉だが、ネコおやじさんがその言葉を知ったのはどんな時だったのだろうか。

「結婚前、2児の継母になることが不安で仕方なく、検索魔になっていた時期があり、その時に知りました。ステップファミリーの言葉が生まれたアメリカでは、人種関係なく養子を取ることが珍しくなく、また離婚大国とも言われていて、血の繋がりがなくともオープンな関係を築けていることが多々あります。『再婚家庭』という意味は同じでも、明るい響きの言葉に惹かれました」

■結婚10年目。本当の意味で血の繋がりは関係ない家族に
「ステップファミリー」の明るい響きの通り、ネコおやじさんの漫画は家族の日常がおもしろく描かれている。読者からも「今日イチ笑いました!」や、「吹き出しそうでした」などのコメントが満載だ。とはいえ、出産や子育て経験もないまま2人の母親となったため、結婚当初の大変さは想像以上だったそう。

「結婚して2児の継母となってからは、気を遣いながらの生活、亡き実母さんへの葛藤や嫉妬、母親としての自信を失い泣きながら義母に相談したことや、夫と大喧嘩して心が折れそうになったことなど、さまざまな壁を乗り越えてきました。そして常に子供たちのことで頭がいっぱいでした」

今年で結婚10年目のネコおやじさんに、結婚当初と変化したところを聞いてみると「『血の繋がりは関係ない』と自分自身に言い聞かせていた頃とは違い、現在は本当の意味でそう言える関係を築けたと思っています。特に大きな変化として、最初のころは亡き実母さんのことや血が繋がっていないことを、私の前では『禁句』のような雰囲気で誰も口にしなかったのですが、今ではお互い堂々と話ができるようになりました」と明かしてくれた。

■次男出産時、長男からの手紙に涙
2013年から8年に渡り漫画を投稿してきたブログには、本当にたくさんのエピソードがある。その中で特に思い入れのあるものを聞いてみた。

「息子からの手紙」は、もん吉くんの出産で入院中のとき、長男もんたくんがくれた手紙の話。

「兄弟3人を差別をしたくないのはもちろんだけど、もん吉を産んでもみんなを同じようにかわいがることができるだろうか、関係が崩れてしまうのではないだろうか、と不安に思っていた時期だったので、すごくうれしい手紙でした」

また、「おふくろの味」はネコおやじさんが作った料理をおいしそうに食べるもんたくんを描いた作品。「まるで本当の親子のように伝えてくれる長男の何気ない一言が、とてもうれしかったのです」とネコおやじさんは話す。読者からの反響も大きく、「私もうれしくなりました」や「うるっときました」などの声が多数寄せられた。

■漫画が「生きがい」に。死ぬまで描き続けたい
血の繋がらない2人の子供の成長記録として、またそれを公開することで同じ悩みを持つ人の励みになればと、描き始めた漫画。今ではネコおやじさん自身の「生きがいであり、やりがいを感じられるもの」にもなっているという。

「子供たちが時々私のブログを読んで笑っている姿を見かけるのですが、普段口にしないことやなかなか伝えられないことをブログでは書けたり、日常のなんてことない1コマを形ある思い出として残すことができ、続けてきて良かったと思います。私たち家族の関係は死ぬまで終わりがないし、ネタも(多分)尽きないと思っているので、できれば自分が死ぬギリギリまで描き続けていきたいと思っています」

ネコおやじさんの漫画を読んでいると、楽しくて思わず笑ってしまうのはもちろん、ついつい通り過ぎてしまう日常の1コマを振り返り、小さな幸せや愛情に気付くきっかけになるかもしれないと感じた。これからもお子さん3人の成長を見守りながら、漫画を楽しみにしたい。

取材・文=松原明子

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.