サイト内
ウェブ

北陸 梅雨明け発表 梅雨が明けても大雨に警戒

  • 2023年7月21日
  • tenki.jp

7月21日に 北陸地方(新潟県、富山県、石川県、福井県)は梅雨明けしたとみられるとの発表がありました。平年より2日早い発表となりました。

北陸で梅雨明け発表 昨年は統計開始以来最早の梅雨明けが幻に

画像A

北陸地方で梅雨明けの発表がありました。平年(7月23日)より2日早い梅雨明けで、過去10年では2014年に並んで4番目に早い梅雨明けとなりました。

一方、この梅雨明けの発表は「速報値」で、9月初めに夏の天候などを考慮して「確定値」が発表されます。昨年は速報では6月28日に梅雨明けの発表があり、統計開始以来初の6月中の梅雨明けと見られましたが、安定した晴天が長続きせず、8月上旬以降は線状降水帯の発生や局地的な豪雨等、大雨による災害が頻発し、9月1日の確定値の発表では梅雨明けは「特定できず」となりました。

大雨災害が特徴の梅雨 メリハリが大きい点も特徴

画像C

今年は、大雨被害の多い梅雨となったことが特徴です。6月8日は寒冷渦により、金沢を中心に大雨、7月8日は前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んで、金沢・福井を中心に大雨、7月12〜13日は、線状降水帯が石川・富山を直撃した影響で富山を中心に大雨となりました。

また、このグラフには表現されていませんが、6月28日は富山県東部で今シーズン全国初となる記録的短時間大雨情報が発表され、立山町を中心に土砂災害や浸水害により、甚大な被害が発生しました。

一方、6月中旬後半や7月上旬前半など、前線が大きく南に下がって降水のほとんどない期間もあり、メリハリの大きい梅雨であったともいえます。

北陸の梅雨明けは年々遅くなる傾向

画像D

データのある1951年から昨年までの梅雨明けの経年変化を見ると、1983年頃から年による変動が大きくなり、近年はその変動が大きくなっています。

また、梅雨明けは遅くなる傾向が顕著で、この70年あまりで7日遅くなる傾向が見られます。1980年代前半までは、梅雨明けが8月にずれ込んだ年はありませんでしたが、1987年に梅雨明けが初めて8月となって以降、急増傾向で、2003年〜昨年までの20年間では梅雨明けが特定できなかった年を含めて8回と多くなる傾向です。

直近では2020年の8月1日、2022年の梅雨明け特定できずとなっていますが、これらはいずれもラニーニャ現象が発生していた年です。近年はラニーニャ現象時でも梅雨明けの遅れや盛夏期の大雨が増えています。さらに2021年は平常年で、梅雨明けは7月14日と平年より早くなりましたが、梅雨明け直後10日間は安定した晴天が続いたものの、その後は前線の影響を受け続け、お盆に大雨に見舞われるなど、梅雨明け後の大雨も増えています。年々夏の天候は悪く、しかし気温は高く、という特徴が出ており、梅雨が明けても大雨に対する警戒を続けることが重要です。

今年はエルニーニョの夏 近年の傾向と同様、梅雨明け後も大雨リスク大

画像E

今年の夏はエルニーニョ現象の発生している夏となりそうです。エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。エルニーニョ現象発生時は、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが弱く、冷夏や天候不順になりやすいと言われています。

地球温暖化の影響で、冷夏になる可能性は低いと言えますが、近年の傾向と同様、梅雨明け後も大雨によるリスクは高いと言えるでしょう。

向こう一週間の予想では、天気マークだけを見ると、晴天が続く予想となっていますが、湿った空気の影響を受けやすく、山間部を中心に連日にわか雨や雷雨があるでしょう。特に25日(火)以降は平地を含めて広い範囲でにわか雨や雷雨となる見込みです。

さらに、8月に入ると湿った空気や前線の影響を受けやすいと予想され、盛夏期も線状降水帯の発生や局地的な豪雨災害などに警戒が必要です。繰り返しになりますが、梅雨明けが発表されても大雨に対する備えを継続していくことが重要です。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
tenki.jp