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記録的な大雨 引き続き土砂災害に警戒 4日頃から再び西日本を中心に大雨の可能性

  • 2023年7月1日
  • tenki.jp

6月28日からきょう7月1日にかけて、九州や中国地方、四国、北陸を中心に大雨になっています。これまでに降った雨で地盤の緩んでいる所があります。土砂災害に警戒、注意を続けてください。

梅雨の最盛期 記録的な大雨に

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6月28日からきょう7月1日にかけて、梅雨前線が日本海に停滞し、その後、ゆっくり南下しました。九州や中国地方、四国、北陸を中心に大雨になっています。

降り始めから、きょう1日午後1までの雨量は、大分県日田市の椿ヶ鼻で526.5ミリ、熊本県湯前町の横谷で496.5ミリを観測しました。いずれも平年6月または7月ひと月のおよそ7割から8割の雨が、ここ数日で降ったことになります。

この期間の48時間降水量は、山口県山口市で332.5ミリを観測し、統計開始の1976年以降、年間を通しての1位の値を更新しました。福井県敦賀市では158.5ミリ、石川県志賀町では165.0ミリを観測し、いずれも統計開始の1976年以降、6月の1位の値を更新、北陸などでも記録的な大雨になっています。

引き続き土砂災害に警戒・注意

きょう1日昼過ぎ、梅雨前線による雨雲は南へ下がり、雨は弱まっている所や止んでいる所もあります。ただ、九州から関東付近は、上空に比較的冷たい空気が流れ込んでいることもあり、雨雲が発達しやすい状況です。急に雷を伴って雨脚が強まることがあるでしょう。

これまでの大雨で、すでに地盤の緩んでいる所があります。土砂災害に警戒、注意を続けてください。

愛媛県大洲市大洲を流れる肱川など、増水している河川もあります。たとえ、雨が弱まったり止んだりしても、川は、上流で降った雨により、これから水位が上がることがあります。増水した川には近づかないでください。

今回の大雨の原因

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今回の大雨のメカニズムです。
日本海から南下する前線に向かって、雨雲の元である暖かく湿った空気が、2つの方向から流れ込みました。
一つは、インドシナ半島から中国華南を通って流れ込む、モンスーンによるものです。もう一つは、フィリピンの東から沖縄を通って流れ込む、太平洋高気圧の周辺部に沿った空気の流れです。いずれも、大量の水蒸気を含んでいます。この2つの水蒸気を含む流れが、九州付近で合流し、雨雲が発達しやすくなりました。前線の北側の上空に、比較的冷たい空気が流れ込んだ影響もあり、積乱雲は次々に発生、発達しました。過去の大雨災害にもよくみられるパターンです。

4日頃〜次の週末 広く雨雲発達しやすく 大雨になる所も

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あす2日から3日は、九州付近では前線の影響が残り、本州付近も暖かく湿った空気が流れ込むでしょう。広い範囲での大雨は一旦落ち着きますが、局地的に雨雲が発達し、降水量が多くなる可能性があります。

4日頃から、再び、前線が日本海に停滞するようになり、次の週末にかけて、本州をゆっくり南下する見込みです。前線に向かって、南から暖かく湿った空気が流れ込むでしょう。今回と同じように、前線の北側では、上空に比較的冷たい空気が流れ込みやすい見込みです。九州から近畿を中心に、同じような場所で雨が降り続く恐れがあり、大雨になる所があるでしょう。梅雨の最盛期の大雨に警戒、注意が必要な時期はまだ続きそうです。

大雨が落ち着く2日、3日のうちに、今一度、避難場所や避難経路の確認など、大雨への備えをしておくとよいでしょう。

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