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かつての沖縄の文化や人々の営みが感じられるフォトブック誕生

  • 2022年8月19日
  • 沖縄島ガール

沖縄で活躍するグラフィックデザイナー・ぎすじみちさんが、このたび、フォトブック「オキナワノスタルジックタウン」(ボーダーインク)を発刊した。

ぎすじさんは高校生の頃、雑誌「宝島」の人気連載「VOW」の影響を受け、街の“おもしろ風景”を趣味で撮り始めたという。その経験を重ねていくうち、長い時間を経た建築物や看板に興味の対象が移り、そんな写真をSNSに投稿することがライフワークのようになっていた。

「オキナワノスタルジックタウン」はぎすじさんが1990年代から撮りためた写真340枚から構成。1章の「那覇編」から始まり、「中部編」「北部編」「南部・離島編」「素敵な看板の世界」の全5章で構成されている。

2017年に「のうれんプラザ」に移転オープンした「農連市場」のかつての風景からスタート。レトロ感漂う写真には、市場内にあった店舗の看板等が写り込んでいる。

面白いのは、グラフィックデザイナーを生業としているぎすじさんならではの視点。看板に綴られた字体(フォント)やポイントで描かれたイラスト、窓枠の丸み(ラウンド)など、細かいところに目を光らせる。そして、そんな写真のレトロ感になじんで、添えられた肩肘張らない文章が、思わずホッコリしてしまう。

かつて国際通りにあった「那覇タワー」、2023年に新しい建物となる「第一牧志公設市場」などもう見られない風景から、食堂やレストラン、店舗、マンションの駐車場まで、郷愁を感じさせるノスタルジックな景色の数々は、沖縄の街に詳しくなくても思わずのめりこんでしまう。

「中部編」に収められた沖縄こどもの国の観覧車、スナック名が並んだかつての社交街の入り口、「北部編」に入った辺野古のスナック跡、コンビニに変わってしまった漢那ドライブインレストラン、「南部・離島編」にある糸満市のトゥータンヤーなど、写真を眺めているとかつて多くの人が行き交っていたり、生活をしていたり、そんな人々の営みがあったことを想像できるのが、本書のぜいたくな楽しみ方かもしれない。

途中、「古いタイル」「錆びていくもの」「古いブロック」「レトロなガラス模様」などのテーマごとのコラムや、「思い出の牧志公設市場」などぎすじさんの幼少期の体験などを交えたコラムでも楽しませてくれる。

何となく切なさやかわいらしさを感じさせてくれる「オキナワノスタルジックタウン」。ぎすじさんの写真を手掛かりに今も見られる風景を探して歩いてみるのも楽しそうだ。

「オキナワノスタルジックタウン」
発売中 2,640円(税込) ボーダーインク

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