マルシェイベント「スロウ日和」が6月1日、東日本放送(仙台市太白区あすと長町1)1階ぐりりホールで開かれる。主催は任意団体「SEND.」。(仙台経済新聞)
「スロウ日和」過去の開催の様子
外販専門パン店「麦薫る風処(かぜどころ)萌芽(ほうが)」店主で同団体代表の羽生裕二さんが、障害の有無や事業形態を問わない販売機会を設け、相互理解の推進と自己実現の後押しにつなげようと、2023年4月に多賀城市で初開催した同イベント。場所を変えながら継続し、7回目を迎える。イベント名には、障害のある出店者とのゆっくりとした(スローな)やりとりの時間を大事にしてほしいとの思いを込めた。
自らも聴覚障害がある羽生さんは「宮城ではさまざまなマルシェが開催されているが、障害のある方々は分けられているような感じがあった。障害の有無に関係なく、商品そのものに目を向けてもらうようにしなければ、相互理解を促す接触の機会は増えない。インクルーシブ(包括的)なマルシェが他にも増えるように促したいとの思いで発起した」と振り返る。
当日は、パン、菓子、総菜、加工品、農産品、服飾雑貨、アート作品、ワークショップなど、県内外から過去最多の60店が出店する。これまで以上に、障害のある事業主や就労支援事業所、レンタルキッチンから始めている小規模の事業主が多く出店するという。近隣の会場も使って手話の読み聞かせなども行う。
羽生さんは「生まれつき聞こえない私でも、パン屋とイベント主催の両方で多様な業界の方々と日々関わることができ、世界はそんなに閉鎖的ではなく、優しさに満ちていると日々思う。多様性のあるマルシェで、そのようなことも体験してもらえたら」と来場を呼びかける。
開催時間は10時~17時。