史上最高傑作の声もあがっている韓国ドラマ『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』 / 『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』(C) SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved. U-NEXTにて独占配信中
皆さま こんにちは!韓流ナビゲーターみんしるです。
韓流イベントのMCやラジオパーソナリティーとしてお仕事をする傍ら、毎日のように追い続けている韓国ドラマ。私的おすすめ作品や見どころなどをご紹介していきます。
今回ご紹介するのは早くも2025年BESTドラマ入りは確実な韓国ドラマ『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』です。時代劇でありながら今時の感性をうまく溶け込ませ、スピーディな展開とぎゅっと凝縮されたストーリーで人気を博した作品です。今年ブレイク確実と言われるイケメン俳優も登場し、見始めたら止まらない新しい時代劇が誕生しました。
見始めたら止まらない新しい時代劇が誕生! / 『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』(C) SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved. U-NEXTにて独占配信中
簡単なあらすじをご紹介しますと…
残忍な両班の親子に仕え、いつの日か父とともにこの家から逃げ海辺で静かに暮らすことを願うクドク(イム・ジヨン)。ある日、酷い虐待を受けた彼女はついに父とともに逃亡をはかるのですが、途中、離れ離れに。
スピーディな展開とぎゅっと凝縮されたストーリーにハマること間違いなし / 『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』(C) SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved. U-NEXTにて独占配信中
それから1年後、身分を隠し小さな宿で働いていたクドクは心優しい両班の令嬢オク・テヨンと出会い身分を超えた友情を育みます。
しかしそれも束の間、宿が山賊に襲われテヨンは帰らぬ人に。助けられたものの意識を失ったクドクが目覚めるとそこはオク家のお屋敷でした。テヨンだと勘違いした祖母に真実を話しますが、死んだ孫の意志を継ぎオク・テヨンとして生きていくよう告げられるクドク。
悲惨な立場から両班の令嬢として生きることになったクドクの波乱万丈の物語が紡がれていきます。
どんなことにもめげない主人公の強い意志と社会の不正に真っ向から立ち向かっていく凛とした姿。そして彼女を守るため全てを捧げる男の一途すぎる愛。2人をとりまく面々の魅力も相まって、久しぶりに傑作!と唸ってしまったウェルメイドな韓国時代劇『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』の見どころをみんしる的視点でご紹介していきます。
VIDEO
1. オーソドックスのようでいて全く新しい時代劇
ここ数年、韓国の時代劇はタイムスリップや転生もの、特殊な能力を持つキャラクターが活躍するものが人気だったように思います。
若い世代を取り込むためもあり、VFXなどの視覚効果や華やかな衣装、アクションなどを取り入れ、ストーリーも含め自由度がとても高くなりました。
ですが、個人的にはその手の時代劇はちょっと食傷気味でして、最近は積極的に見たいと思う時代劇が少なかったように思います。
そんな中、『ザ・グローリー』の悪女ヒョンジン役で一躍スターとなった女優イム・ジヨンが主人公を演じると知り、配信前からとても楽しみしていたのがこの『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』でした。
『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』より / 『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』(C) SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved. U-NEXTにて独占配信中
視聴を始めると1時間越えのエピソードが瞬殺で終わったかと思うような面白さで、それから毎週末、ほぼリアタイ状態。配信を待ち焦がれるほど面白すぎる傑作でした。
このドラマにはいくつもの軸があり、全てがバランス良く描かれていきます。
ベースとなるのはクドクが身分を隠し両班の令嬢オク・テヨンとして生きていくというストーリーですが、主人公が亡くなったお嬢様の意志を引き継ぎ、持って生まれた聡明さで外知部(今で言う弁護士のような職業)となって人々を分け隔てなく助けていくというお仕事ドラマとしても楽しめます。
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そこにクドクと運命的な出会いをするソインの一途な純愛も描かれ、どんなことがあろうとも彼女を愛し守ろうとする男の姿に全女性やられてしまうことでしょう。
でもこの作品が新しいと思うのは時代劇でありながら、LGBTや男性と対等に活躍する女性の姿、またどんな階級であろうとも人は平等であるという、現在にも通じる要素をうまく取り入れているところ。
混沌とする時代だからこそ改めて心に響く事柄を、説教臭さくなくさらりと描いているところが秀逸なのです。
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「ストーカー」や「ドッペルゲンガー」というワードがあたかもあの時代に使われていたかのような演出をしたり、腕を絡めて杯を交わすラブショットを「恋慕杯」という言葉で再現したりするのもユニークで、クスッとさせるポイントが散りばめられているのも魅力的。
どこをとっても面白いストーリーにスピーディな展開、そして演技派揃いのキャストと、オーソドックスのようでいて実は様々なポイントが新しい韓国時代劇の最先端がここにあります。
2. ドラマを盛り上げる愛すべきキャラたち
ドラマの舞台となる朝鮮時代の清水県に住む人々がとにかく魅力的です。その中でも愛してやまないのがテヨンを支え続ける、マクシム、トッキ、マンソク、クットンの4人でしょう。
マクシムを演じるキム・ジェファはパク・シネ主演『悪魔なカノジョは裁判官』でマンションの住人チャン・ミョンスク役が記憶に新しいところ。テヨンの正体を唯一知る存在で彼女の幸せを祈ってやまない情に溢れた女性を、時にコミカルな演技と太陽のような笑顔で魅了します。
マクシムとの「ティキタカ」(テンポのいいやり取り)で楽しませてくれるのがトッキを演じるオ・デファン。『赤い袖先』ではイ・ジュノ演じるイサンの忠臣カン・テホ役で時折、笑いを誘う演技が秀逸でしたが、今回は笑いも涙の演技もさらにレベルアップしています。
後半ではソインの小間使いマンソクの登場によりコミカルな三角関係(?)に発展するところも見所の一つ。そのマンソクを演じるのは『サムダルリへようこそ』で主人公の幼馴染ギョンテを演じたイ・ジェウォン。
いつもソインに振り回されるものの、いざという時は誰よりも頼りになる存在で、ドラマ後半のソインとマンソクのブロマンスは号泣必至なのでハンカチの準備をお願いします。
そして村で1番の情報通クットンを演じたホン・ジンギは『マイ・デーモン』や『ホン・チョンギ』などの話題作に出演している新世代俳優。年上3人に可愛がられながら、ゆくゆくは外知部で働くようにまでなる青年を軽快に演じています。
テヨンの人生は波瀾万丈すぎて辛い展開がたくさんある中、ほっこりした笑いを届けてくれるのがこの4人。ドラマを見れば誰もが好きになってしまうことは間違い無いでしょう。
3. 睨み顔が強烈な悪役キャラ
ドラマには愛すべきキャラだけでなく痺れるような悪人たちも多数、登場します。
その中でも強烈な印象を残すのがクドクが仕えるキム家の令嬢ソヘです。
お見合い相手だったソンイ(チュ・ヨンウ)とクドクが心を通わせていると誤解しソヘの仕打ちがエスカレート。堪忍袋の尾が切れたドクはソヘ親子に仕返しをして逃げ出し、その後、両班の令嬢オク・テヨンとして新たな人生を歩みだすことになります。
もちろんクドクへの復讐を誓うソヘの執着が止むはずがないわけで、クドクの人生が幸せな方向へ向かうほど、いつソヘがこの幸せをぶち壊してしまうのかと、見ている私もそわそわしてしまいました。
このソヘが痺れるほどの悪役で、その毒気が全身から滲み出てるんです!
あの悪そうな睨み節を見ただけで腹が立ってしょうがありませんでした(笑) 。
そんなソヘを演じたのが、名作時代劇『赤い袖先』でトギムのかけがえのない親友ギョンヒを演じたハ・ユルリ。冷たそうでいながら情が深い女性を演じていた彼女が、今回は強烈な憎まれ役を熱演しています。人をバカにしたような上から目線な態度とニヤケ顔がまた絶品。『ザ・グローリー』の悪役でブレイクを果たしたイム・ジヨンのように、この作品が彼女を更なる高みへと押し上げるのは間違いないでしょう。
4. 流石すぎるイム・ジヨンの演技力
スピーディな展開とぎゅっと凝縮されたストーリーにハマること間違いなし / 『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』(C) SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved. U-NEXTにて独占配信中
配信前からこのドラマが楽しみだった唯一の理由は主役がイム・ジヨンだからでした。Netflixの大ヒットドラマ『ザ・グローリー』での悪役演技に魅せられ、それからというもの出演作は映画も含めて必ずチェックするほどのファンになってしまったのです。
私にとってイム・ジヨンは常に作品のゲームチェンジャー的存在。ちょっとイマイチかな、と思う作品でも彼女が登場するだけで俄然、面白く見えてくるんですよね。
そんな彼女にとって『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』はキャリア2度目の時代劇。
しかも今回は主役ということで配信前から韓国でも大きな話題となりました。
そんなプレッシャーを押しのけて、やはり「さすがイム・ジヨン!」と言わざるをえないほどの熱演ぶり。瞬時にテヨンからクドクに戻った時の演じ分けは神がかっているし、外知部として悪を裁く時の凄みはまるで「遠山の金さん」の如く。
『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』より / 『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』(C) SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved. U-NEXTにて独占配信中
かと思えば、運命の人ソインの前では可愛らしい姿も見せ、まさに変幻自在。この人は一体、演技の引き出しをどれだけ持っているのだろうかと思わずにはいられませんでした。クドクの荒れ果てた姿から美しい韓服のテヨンまで、イム・ジヨンの演技をフルコースで堪能できるドラマです。
5. 2025年はチュ・ヨンウの年で決まり!
1時間超のエピソードが瞬殺で終わったかと思うような面白さが味わえます! / 『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』(C) SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved. U-NEXTにて独占配信中
『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』の大きな発見といえば俳優チュ・ヨンウです。初めてだと思ってたのにどこかで見たような既視感。気になってプロフィールを検索してみたらチャ・テヒョン主演ドラマ『警察授業』に出演していたんですね。あまり印象に残っていなかったのは、きっと隠されていた本来のポテンシャルがこの作品で開花したからだと思います。
『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』より / 『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』(C) SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved. U-NEXTにて独占配信中
『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』は彼にとって初めての時代劇なのですが、その演技は余裕を感じられるほど。しかも初めての1人2役に挑戦し、クドクと運命の出会いをする名門宋大監家の長男ソン・ソンフィを快活に、テヨンとなったクドクと出会う清水県県監の長男ソン・ユンギュムを硬派に演じ分けています。
特にソンフィ役は彼の魅力が爆発!自分が大監の父と芸妓の間に生まれた庶子だったことを知り家を出て、伝奇叟(チョンギス)という小説を朗読しながら演技する人気芸者チョン・スンフィとして生きていくのですが、まず目を引くのが舞踊の素晴らしさ。デビュー作『You make me dance~紅縁』で現代舞踊を専攻する大学生を演じた経験もあるからか、煌びやかな衣装を身に纏い風のように舞う姿はため息もので、このドラマの見所の1つとなっています。
ちなみにチュ・ヨンウは韓国芸術総合学校の演技科で学んでおり、世宗大学校、ソウル芸術大学に同時合格したことでも有名なエリート男子。
ダンスだけでなくOSTに参加するほど歌の実力も保証済み。
また186cmのイケメンぶりは90年代韓国のトップモデルだった父親譲りということも韓国では大きな話題となりました。
もちろん演技でも高い評価を得ていて、繊細な心情の変化をさらりとナチュラルに演じるのです。テヨンとなったクドクへのまっすぐで献身的な愛情表現も大袈裟にならず、さりげないところが本当に素敵。
現在はNetflixドラマ『トラウマコード』で天才外科専門医の弟子ヤン・ジェウォンを熱演し大ヒット中。今後はソ・ジソプ主演の『広場』やロマコメ『ギョヌと仙女』と立て続けに出演作が放送されるそうで、これはもう2025年はチュ・ヨンウの年になることは間違いないでしょう。これからの活躍が本当に楽しみです!
『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』は、他にも伝えたい魅力がたくさん詰まっている今年最初の名作ドラマです。SNSでは早くも「今年No.1韓国ドラマ」「史上最高の韓ドラ」「最高傑作」という声も!
ただ悪人たちに復讐するのではなく、テヨンの正しい志によって改心させられるという点も今までになかった展開でしたし、終わり方も素晴らしすぎました。
ちなみに最終回のエンディングで必ず出る視聴者に感謝するテロップは、よく見ると「これまでオク氏夫人伝を” 完読” していただいた視聴者の皆様に感謝いたします」となっていて、最後の最後まで粋な演出でございました。
時代劇はあまり興味がないという方もきっと見始めたら止まらない作品を、ぜひチェックしてみてください!
みんしる
韓流ナビゲーター。韓流イベントのMCやラジオパーソナリティーとしても活躍中。初めてハマった韓国ドラマはキム・レウォン主演の『屋根部屋のネコ』。
Netflix、AmazonPrime、Disney+、U-nextを駆使し毎日のように韓国ドラマを追っていましたが、ついにLeminoにも手を出しました。だって『わたしの完璧な秘書』が見たいんですもん…