生活空間の家具を減らそう / (C)荒木 健太郎/KADOKAWA
子どもはもちろん、大人も手に取って「その時」に備えたい。
正しい知識によってさらに防災意識を高める!
近年の日本は毎年のように「異常気象」と言われ、豪雨や台風、大雪による災害が頻発しているうえ、猛暑も災害級と称されるまでに。さらには2024年の能登半島地震につづき、南海トラフ地震、首都直下地震、富士山の噴火など今後大きな災害が起こることも想定されています。
そんな現象を、気象学者の荒木健太郎氏が科学的かつわかりやすく説明! 正しい知識を身につけたうえでどう対応したら良いのかがしっかりわかるので、いざというときの心構えに役立ちます。
※本記事は荒木 健太郎著の書籍『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』から一部抜粋・編集しました。
おうちの家具は大丈夫?地震に備える自宅の「家具転対策」
近年の地震被害では、負傷者の3~5割が屋内での家具の転倒などが原因といわれています。自宅の家具類の転倒・落下・移動防止対策(家具転対策)を確認しましょう。
まず最も有効なのが、生活空間の家具をできるだけ減らすこと。クローゼットや備え付け収納家具に本などを集中させる収納(集中収納)をすることで、普段生活している場所がより安全になります。次に、家具のレイアウトを工夫しましょう。寝る・座る場所にはなるべく家具を置かず、置く場合も自分のいる場所に転倒しないように工夫を。避難経路や出入口が家具の転倒でふさがれないようにするのも大切です。
その上で、家具や家電を固定しましょう。ネジで止めるL型金具のほか、ベルト式やストラップ式、つっぱり棒など、複数を組み合わせると効果的です。
自宅の耐震性も要チェック。自治体などに相談窓口もあります。地震保険も再確認を。いつかくる地震に対して、自宅の家具転対策などの備えを進めておきましょう。
■防災の豆知識
家具の固定に耐震ゴム・ゲルを使用する場合には、「耐震試験実験済み」の表記 、成分、対象物の重量が書かれているものがおすすめ。安価な耐震マットのなかには性能が保証されておらず、効果が小さいものもあるので注意。
家具転対策の方法
生活空間の家具を減らそう / (C)荒木 健太郎/KADOKAWA
生活空間の家具を減らそう
クローゼットや備え付け家具に集中収納して、居住スペースと収納スペースを分けよう。
レイアウトを工夫しよう / (C)荒木 健太郎/KADOKAWA
レイアウトを工夫しよう
寝る・座る場所にはなるべく家具を置かず、置く場合には置き方の工夫を。避難通路や出入り口付近には転倒しやすい家具はNG。
家具を固定しよう / (C)荒木 健太郎/KADOKAWA
家具を固定しよう
ネジで固定するL型金具のほか、穴を開けなくてもよい対策器具を2つ以上組み合わせるのがおすすめ。ストッパーやマットは単体だと大きな家具には不向きなので注意。
※東京消防庁『自宅の家具転対策』をもとに作成
自宅の耐震性をチェック
あてはまる数が多かったら自治体などの相談窓口へ。自治体で耐震診断や耐震改修の費用の一部を助成する制度がある場合も!
・1981年5月31日以前に建てた家
・1981年6月1日~2000年5月31日に建てた木造住宅
・増築を2回以上している/増築時に壁や柱を一部撤去している
・過去に浸水・火災・地震などの災害にあったことがある
・埋立地、低湿地、造成地に建っている
・建物の基礎が鉄筋コンクリート以外
・一面が窓になっている壁がある
・屋根が瓦でできていて1階に壁が少ない
・建物の平面がL型やT型で凹凸の多い造り
・大きな吹き抜けがある
・建具の立て付けの悪さや柱・床の傾きなどを感じる
・壁にひびが入っている
・ベランダやバルコニーが破損している
※『東京防災』をもとに作成
著=荒木 健太郎/『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』