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年末年始、旅行中の留守宅が狙われる! 犯罪者の侵入を防ぐための4原則とは?

  • 2023年12月25日
  • レタスクラブニュース


年末年始は、長期の旅行をしたり、ゆっくり実家に帰省する方も多いと思います。そんなとき心配になるのが、留守宅の侵入窃盗被害。帰宅したら家の中がめちゃめちゃ!では、せっかくの楽しい時間が台なしです。そこで、パナソニックが行った防犯セミナーに参加して、侵入窃盗事件の特徴や、住宅防犯の注意点、侵入者撃退に効果的なグッズまで、詳しく聞いてきました!

▶お話を聞いたのは
防犯アドバイザー 佐々木成三さん

元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課の警部補。これまで数多くの捜査本部で、被疑者の逮捕・取り調べや捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当に従事し、数多くの実績をあげてきた。現在、スクールポリス理事として中高生を対象としたデジタル危機管理の指導を行う。

防犯アドバイザー、犯罪予知アナリスト 京師美佳さん

トータル防犯アドバイザーを目指し、セキュリティ企業へ就職。2002年防犯設備士取得後、防犯ガラスメーカーに勤め、防犯アドバイザーとして、防犯診断や電話での相談受付、セミナーなど、幅広く活動を行う。2009年、一般社団法人 全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構 理事に就任。

侵入窃盗事件は戸建て住宅に多い。対策は窓を重点的に

侵入窃盗の手口別件数は空き巣がもっとも多く、全体の約1/3を占めると言われます。こうした侵入窃盗団に狙われやすいのは、じつは事務所や商店よりも戸建て住宅なのです。下の「侵入窃盗の発生場所別認知件数(令和4年)」の表を見てください。一戸建て住宅が33.0%と、もっとも割合が高くなっています。


京師美佳さんはこう言います
「確かに、自分で対策を取らないと、戸建て住宅は犯罪者から狙われやすい。でも、戸建て住宅には、防犯上のメリットもあります。共用部分の対策には多数の同意が必要なマンションなどと違い、戸建て住宅は家の周りも家の中も、自分で自由に対策を取ることができるからです。きっちりと対策さえ取っておけば、むしろマンションよりすぐれたセキュリティ環境をつくることができます」

その際に意識したいのが、「犯罪者が嫌がる4原則」です。その4つとは、「音」「光」「時間」そして「人の目」。これらを意識して対策を立て、犯罪者に侵入を諦めさせれば、犯罪を未然に防ぐことができます。

「音」なら、窓をあけると鳴るアラームなどを設置して、大きな音で犯罪者を威嚇します。
「光」は、動きを感知すると点灯するセンサーライトをつけたり、夜でもひと部屋だけ電気をつけて家の中を明るくしておいたりするといいでしょう。
「時間」は、侵入するまでの時間を稼ぐ、という意味です。侵入までに5分かかると、侵入者の約7割はあきらめると言われています。侵入の入り口になりやすい窓に防犯フィルムを貼ったり、補助錠をつけておくだけでも、侵入するのに手間取るため効果的です。
「人の目」とは、日頃から近所づきあいをよくしておき、近所の人々に不審な人物を通報してもらうのはもちろんのこと、防犯カメラを設置しておくのもよい方法です。


とはいえ、防犯グッズを家のあらゆる場所に設置するのはたいへんです。どこから手をつけたらいいのでしょうか。

「犯罪者の多くは窓から入ってきますから、窓を重点的に対策しましょう。先ほど挙げた『犯罪者が嫌がる4原則』の中で、もっとも大事なのは『時間』です。なので、窓から入られないよう時間稼ぎをしてください。ホームセンターに行けば、安価な補助錠や防犯フィルムが売っています。それらを使って、侵入までになんとか5分以上の時間をかけさせ、犯罪者に侵入をあきらめさせるんです!」

全部の窓に設置するのも、それはそれでたいへんです。
「だったら、犯罪者の目線で家の周りをぐるりと点検してください。自分が犯罪者なら、どこからこの家に入るか。『ここだ!』というところがあれば、まずはその窓から対策しましょう」

スマート家電は防犯の強い味方!賢く使いこなそう

一方で、佐々木成三さんはこう提案します。
「犯罪者はどこから侵入できるかをよく見ています。倉庫の屋根からベランダに飛び移れるな、と思われたら、2階からでも入ってくる。ですから、まずは進入口をつくらないことです。次に、スマホなどを介してさまざまな操作が行える『スマート家電』を活用すること。長期に家を留守にするときは、スマートライトなどを利用して、1日1回、1時間でいいから家の電気をつけてください。電気をつけたり消したりすることで、犯罪者は『この家は不在じゃないんだ』と考えます。もちろん、センサーが反応すると録画を始める防犯カメラや、明かりがつく防犯ライトなど、屋外につけるわかりやすいセキュリティ対策グッズも、威嚇になるので有効です」


防犯に役立つスマート家電としては、屋内に設置するタイプの防犯カメラもおすすめ。なぜなら、屋外に設置するものより、幅広い使い方ができるからです。
たとえば、パナソニックの「屋内HDカメラ」を例にとりましょう。


屋内カメラは、普段はペットや子どもの見守りにも使うことができます。内蔵マイクを使って留守番中の子どもと会話できるので、急なトラブルが起きたときにも安心です。旅行中や帰省中は、そのまま防犯カメラとして使えば、スマホやタブレットで自宅の様子を確認できます。「動作検知」「温度センサー」「音センサー」が反応すると、スマホにお知らせが届くので、侵入者を見逃すこともありません。


「マイクつきの屋内カメラなら、侵入者を発見したとき、ただ見ているだけでなく『おいコラ!警察に通報したぞ!』と声をかけて撃退することも可能です。私はこうした屋内カメラを実家に設置して、高齢の母の見守りに使っています。もちろん、プライバシーには配慮して使っていますが、母が電話に出ない、メールも既読にならないときに声をかけることができて、本当に助かりました」(京師美佳さん)

マンションなら安心?過信が招く危険性

最後に、マンションの防犯対策についてもみておきましょう。オートロックのマンションなら安心、と考える人は多いですが、佐々木さんは「マンション入り口のオートロックはセキュリティ対策ではない」と断言します。
「居住者が帰宅したとき、もしくはウーバーイーツや宅配の業者が来たとき、一緒に入れば誰でも自然に建物内に侵入できてしまいます。逆に、『オートロックだから大丈夫』という思い込みが危険を招くんですよ。油断して、部屋のドアに鍵をかけない人が意外に多い。実際、高層マンションでは侵入窃盗犯の約半数が無施錠のドアから侵入しています」


京師さんも続けます。
「無施錠はとくに高層階に住む人に多いんですよね。オートロックのマンションを専門にする窃盗団もいるので、無施錠は本当に危険だと知ってほしい。とくに、初めてひとり暮らしをする学生や社会人など、戸締まりの習慣がない人は要注意です。コンビニに行って帰ってくる、ほんの5分の間に侵入されます」
なかには、マンションの1軒のお宅が犯罪者に侵入され、ベランダ伝いに同じ階の横並びの部屋が全部被害に遭った、という事例もあるとか。
「共用部分には勝手にセキュリティ対策グッズを設置することができず、自分はきっちり戸締まりしても被害に遭うことがあるマンションは、意外にセキュリティの安心度が高くない。だからこそ、できる対策はしっかり取っておきましょう」

犯罪者は、防犯意識の低い家、さらにその家のもっとも弱い部分を狙って突いてきます。日頃から犯罪の手口や防犯グッズへの感度を高め、できる範囲で対策を取って、心置きなく楽しい休暇を過ごしましょう!


文=高梨奈々

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