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夫のモラハラ、経済的DV、そして裏切り。苦しむ妻が選んだのは? 衝撃の離婚サスペンス『計画離婚』の著者・さぶれさんインタビュー

  • 2023年10月28日
  • レタスクラブニュース


小説投稿サイト「エブリスタ」で大人気の話題作『計画離婚』をご存知でしょうか?
夫のモラハラと不倫に苦しむ主婦が、不倫相手の夫と偶然知り合って、お互いに協力しあいながらそれぞれのパートナーに立ち向かう物語です。四角関係の不倫劇が予期せぬ展開へ向かう、衝撃の離婚サスペンスで、「エブリスタ」では18.7万スターを超える評価を集めています。

『計画離婚』あらすじ



「ホント使えねーヤツ」「俺の気分を害したお前が悪い」
など、平気な顔で妻を貶める発言を繰り返す夫……。主婦・関口宏美は、経済的にも精神的にも夫のDVを受けていました。それでも何とか耐え忍び、一人娘の詩歌が幼稚園に入園するまでワンオペで育て上げてきました。


そんな折、つい先日同じマンションに越して来た隣人、栗崎篤と幼稚園の帰り道が一緒になります。お互いの子どもたちが仲良く遊んでいることもあり、ふたりは連絡先を交換するのでした。


宏美が家に帰ると、自宅に一本の電話が。聞いた事も無いホテルから「関口様ですね? 失くされたと伺っていた奥様のピアスが見つかりましたのでご連絡しました」という連絡に、宏美は耳を疑います。よりによって宿泊日は娘の入園式。そんな日に夫が仕事と偽って他の女性と不倫旅行をしていたことにショックを受けます。


そんな中、宏美は隣人の篤もまた、妻の百合から酷い扱いを受けている事を知ります。お互いのパートナーからモラハラを受けている男女が協力し、それぞれの夫や妻に立ち向かおうとするのですが……。

問題を抱える二組の夫婦の行く末は──?
作者のさぶれさんに、この作品についてお話を伺いました。


さぶれさんインタビュー


──「計画離婚」というインパクトのあるタイトルに心惹かれながら拝読させていただきました。まずはじめにこの作品を描くことになった経緯を教えていただけますでしょうか。

さぶれさん:
離婚とは少し違うのですが、実際に身内が相続で揉めた際、知識・力不足で悔しい思いをしました。「もっと周到にできていれば」──このような思いが小説のネタに繋がり、「周到に離婚ができないか?」と思いついたのです。CMなどでもお馴染みのフレーズ「ご利用は計画的に」に、このネタを重ねました(笑)

とても面白くインパクトのあるフレーズが出来上がり、更にタイトルが呼び起こされ、ストーリーの鱗片が生まれました。丁度企画の仕事を受けている最中だったので、このキャッチフレーズとタイトルで企画書に落とし込むと大変面白い話になったので、じっくりと温めて時間をかけて考案しました。



──ラブサスペンスに相応しく、主人公の宏美と篤はちゃんと「計画離婚」できるのか、先が読めずにドキドキハラハラな展開満載でした。この物語の組み立てについて、楽しめるポイントや苦労した点など教えていただけますでしょうか。

さぶれさん:
まず「計画的に離婚をする」のであれば、サレ側にしっかりとスポットを当てなければなりません。となれば徹底した悪役が必要になります。多くの作品を執筆する中で、キャラづくりの際「悪役は徹底的に悪に、中途半端ではだめ」そして常に読者様の読後を考えて話を構築するようになりました。
今回サレ側の二人がいかに奮起し、困難に立ち向かって成長していくのかという物語軸が根幹にあるため、それがブレないように書くこと、徐々に強くなっていく宏美の心境の変化を描くのが難しかったです。

また、作品を書いているとキャラクターへの感情移入が半端ないため、宏美が良平に酷い目に遭わされているとすごく腹が立ち、今すぐクズ良平をやっつけたい衝動を抑えるのに苦労しました(笑)
ラブサスペンスらしい謎要素も随所に散りばめましたので、書いていてすごく楽しかったです。



──宏美の夫・良平は絵にかいたようなモラハラ夫です。タイトルにもあるように「早く宏美に復讐されてほしい!」と思ってしまいました。娘を守るため自分が我慢すれば…とモラハラに耐える宏美ですが、このときの宏美、良平の心境を教えてください。またモラハラについてご意見があればお伺いしたいです。

さぶれさん:
宏美は自由にできるお金もなく、虐げられた上に性や言葉の暴力を受ける……彼女は「できない自分が悪い「詩歌のために自分が耐えればいい」と思い込まされることで、良平にマインドコントロールされていたと思います。
良平は宏美のことを「自分に都合よく仕える家政婦」と思っています。派手で遊び好きの女性がタイプなので、そもそも宏美みたいな真面目タイプは好きではありません。利用するために宏美と結婚し、日々辛辣な言葉で罵り、ストレス発散に宏美を虐めて楽しんでいました。

モラハラについては、この物語を書くにあたって実際に体験された方のエピソードや資料を読ませていただきました。私は実際にモラハラを受けたことがありませんが、以前仕事でトラブルになったお客様から酷い暴言を浴びせられたことがあります。怒りを一手に受け、一時間以上にも及ぶ怒号……。それがトラウマになって手が震えたり、涙が出たりする経験があるため、皆さんの苦しみに少しでも寄り添うことができるのではないかと思いました。

その時の気持ちを思い出して宏美のことを書くと、まるで自分がモラハラを受けているように思い、本当に辛かったです。現状苦しんでいらっしゃる方が宏美や篤のように専門の機関に相談し、苦しみが少しでも軽くなることを願っております。「悪いのはモラハラをしている相手」であり、「あなた自身はなにも悪くない」ことを一番に伝えたいです。




──孤立無援に思えた宏美の前に、やはり妻にモラハラを受けている篤が現れます。「辛いのは自分だけじゃない」と仲間意識を持つ宏美ですが、宏美と篤、お互いのことをどのように思っていたのでしょうか。

さぶれさん:
宏美は篤がいなければ、良平との離婚に向けて立ち上がることはできませんでした。一生夫から愛されず、ひどい目に遭わされていたことでしょう。しかし篤と出会うことによって外の楽しい世界を知り、自分の気持ちに寄り添い、子どもに優しくしてくれる男性がいることを知ります。篤も同じように宏美と出会うことによって新しい世界を共有することになりました。
最初はお互い『サレ仲間』という共通点だけでしたが、他の方にはわからないサレ側の悩みや辛さを分かち合い、心強い存在であったと思います。

──「計画離婚」を実行するため、篤は探偵事務所を訪れます。この「柿坂探偵事務所」、なかなか曲者揃いな雰囲気です! 探偵事務所の面々について教えていただけますでしょうか。

さぶれさん:
サレ側がわりと大人しい二人なので、いっそブッ飛んだキャラにして強引に物事を進めなければ話が成立しない、と考えに考え、捻り出したのが猛です。個性出し過ぎかと思いましたが、愛されキャラになったと思います。彼、意外に乙女チックで泣き虫なのですよ(笑)
所長がクセ者なので、従業員も全員クセ者です。猛は面倒見がよく訳アリ従業員を拾うのが得意で、拾われた従業員からも好かれています。柿坂探偵事務所は、どんなお悩みも一緒になってクライアントに寄り添い解決してくれる、世界一最高の探偵事務所です!!




──今作の中で、さぶれさんの印象に残っているシーン、お好きなシーンを教えていただけますでしょうか。

さぶれさん:
一番好きなシーンはやはりタイトルに触れる核心の部分ですね。
恐ろしい策略の全貌が明らかになり、猛が必死に宏美と篤にその内容を語り掛けるシーンが一番の見せどころで好きなシーンです。
他には、宏美や篤が辛いばかりでは読者様も疲れてしまうと思い、箸休め的に織り交ぜた公園で楽しく子どもたちと遊ぶ日常のシーンも好きです。親子の温かさを伝えたい気持ちで大切にえがきました。

──最後に、「計画離婚 ~そして夫は私に復讐される~」を手に取る読者のみなさんへ、メッセージをお願いいたします。

さぶれさん:
サレ側のモラハラを受ける二人がシタ側にどう立ち向かっていくのか、そして宏美や篤が猛という心強い味方と共に苦境をどう乗り越えていくのかが見ものです。
しかし、シタ側も簡単には尻尾を掴ませません。サレ側VSシタ側の攻防が非常に面白く、ドキドキハラハラの展開があなたを待ち受けます。
これからも原作作家として面白いストーリーを提供できるように精進いたしますので、「計画離婚 ~そして夫は私に復讐される~」の応援をよろしくお願いいたします。是非、最後までご愛読いただけると幸いです。


漫画=『計画離婚 ~そして夫は私に復讐される~』(原作:さぶれ/漫画:あかば)より
取材=ナツメヤシコ/文=レタスユキ

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