香りをプラスして清涼感あるアレンジに ミント
ミントは数百もの種類があるハーブ系の葉物で、大きくペパーミント系とスペアミント系に分けられます。
強い香りを持つのはペパーミント系で、メントールの含有量が多いのが特徴です。
アレンジに使うと香りがプラスされ、さらに清涼感が増します。
生花アレンジで香りを使いこなすにはバランスが重要です。
たとえば、大きな舞台などでオリエンタル系のユリを生ければ良い香りが喜ばれますが、小さな部屋では香りが強すぎます。
また、ミントを大きな舞台で使用してもユリのような効果はなく、小さな部屋ならほどよく爽やかです。
香りの強弱を知ってアレンジすることが大切です。
花材/パイナップルミント、グロリオサ、バラ、スモークツリー、ヒペリカム、青リンゴ
ポイント
葉先が下向きになると、水が下がっている印象を与えてしまうので、上向きにアレンジしましょう。
見た目の涼しさをガラス花器と貝殻で演出し、香りによる涼しさをミントでプラス。
ラムズイヤーは“子羊の耳”という意味。ふわふわとした感触が人気のハーブの仲間です。
ソフトな質感を活かすには、作品は大きすぎないほうがよいでしょう。ブーケのサイズ程度が限界でしょうか。
ラムズイヤーに限ったことではありませんが、葉物の大きさや質感などによって作品のサイズを決める。
逆に、作品の大きさから葉物を選ぶことは、アレンジメント制作ではとても大切なことです。
ラムズイヤーは水が下がることもあるので注意を。肌触りも見た目もフレッシュと遜色ないプリザーブドを活用してもよいでしょう。
花材/ラムズイヤー、カラー、クレマチス
ポイント
茎が短く柔らかいので、ワイヤリングを施すとフローラルフォームにも挿しやすくなり、アレンジしやすくなります。
カラーのしなやかなラインとクレマチスの柔らかさ、その奥に潜む主張の強さを活かした作品です。
ラムズイヤーの持つ優しさ、柔らかさを活かす花材を選び、硬いイメージの花材は避けましょう。
全体のデザインは横型一点集中で構成しています。
ルスカスと呼ばれるもののなかでもよく使われているのは「イカダ葉ルスカス」と「イタリアンルスカス」です。
ここでは、イカダ葉のひとつ、マルバ(丸葉)ルスカスをご紹介しましょう。
葉物としてご紹介しますが、詳しく分類すると枝物の部類に入るのかもしれません。
葉として見ている部分は実は扁平になった枝で、葉状枝といいます(ここでは“葉”としてご紹介します)。
ルスカスは矯めがよく効くので、自由自在に形をつくることができますが、
しっかりと形を固定しないと元の姿に戻ってしまうので注意しましょう。
水揚げも日保ちもいいので重宝する花材です。葉がたくさんつくので、用途によっては間引くことが必要です。
ここではライトグリーンのものを使っていますが、濃いグリーンのものもあります。
花材/マルバルスカス、ラナンキュラス、シキミア
ポイント
弾力性と柔軟性に富んだ茎は矯めがよく効きます。ただし、元に戻りやすいので形をしっかりキープさせることが大切です。
ものによって色が違うので、取り合わせる花との調和を考えてアレンジを。
この作品では花器の形に合わせてマルバルスカスを矯めて制作しています。全体のデザインは横型一点集中で構成しています。
名称はレモンリーフでもレモンの葉ではありません。葉の形がレモンに似ていることからこの名がつきました。
流通量も多く、使い勝手も良い葉物ですが、ブーケの裏にあてたり、
空間を埋めるために使われたりと裏方的な役回りが多いようです。
あらためて観察すると意外な魅力に気付きます。
たとえば、日に当たっていた茎は赤く変色し、それが美しいラインになり葉のグリーンとのバランスは絶妙です。
この作品ではそのラインを活かしてみました。枝には自然の曲がりもあり、とてもおしゃれに見せることができます。
花材/レモンリーフ、ホルデウム、カーネーション、グリーンベル
ポイント
太陽が当たる表側は茎が赤くなります。デザインによって見せる面を意識すれば効果的に使うことができます。
レモンリーフのラインの向きに注意してアレンジするのがポイントです。
ホルデウムは一本をそのまま使用すると柔らかすぎるので、3分割くらいにしたものを何本かまとめ、
ワイヤリングするとよいでしょう。全体のデザインは横型一点集中で構成しています。