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「蓬莱祀」へ準備万端 越前市粟田部 11日、通常開催

  • 2024年2月6日
  • 北陸新幹線で行こう! 北陸・信越観光ナビ

蓬莱祀の山車を飾るまゆ玉を取り付ける花筐小児童ら=2月4日、福井県越前市粟田部町の花筐公園【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】
 福井県越前市粟田部地区に伝わる国選択無形民俗文化財「蓬莱祀(おらいし)」は2月11日、同市粟田部町の岡太神社周辺で行われる。1年の繁栄を願う名物の山車は、新型コロナウイルス禍の中止や縮小を経て4年ぶりに、従来通りの規模で巡行する。祭りを控えた4日、子どもからお年寄りまで住民総出で準備作業が行われた。

 花筐公園では、花筐小児童らが「まゆ玉」の飾り付けを行った。つきたての餅をちぎっては丸め、クリの木の枝にくっつけた。山車の装飾の一つで養蚕や稲作の発展を祈ったと伝わり、現代では農工業の繁栄を願う縁起物とされている。

 寒空の下、約20キロ分の餅を手分けして飾り付けると、クリの枝は白梅さながらの華やかさに。上田涼音さん(花筐小1年)は「手袋にお餅がいっぱいついた。きれいに飾り付けられた」、福田紗雪さん(同)は「お祭りの日が楽しみ」と声を弾ませた。

 山車にはこのほか、青竹に丸餅を挿した「串の餅」や鏡餅などたくさんの餅が飾られる。この日は地元保存会や氏子らが餅つきに精を出し、準備を手伝った人におろし餅を振る舞った。

 地区の壮年会とスポーツ協会は、山車の土台になる直径約2メートル、高さ約1・5メートルの俵を締め直した。円柱型の俵の真ん中を縄で引き締め、飾りの編み込みを施した。壮年会の小畑匡弘副会長(50)は「伝統を守りながら一生懸命やった。先輩の指導のおかげで良い形になった」と話した。

 新型コロナの影響で2021、22年は中止、23年も巡行を短くするなど規模縮小を余儀なくされた。4年ぶりの通常開催に向け、蓬莱祀保存会の宮田尚一会長(85)は「地域を愛する気持ちを育む上でも大切な伝統行事。盛大に行える日が待ち遠しい」と話した。

 蓬莱祀は岡太神社の神事で約1500年前、継体天皇の即位を祝い始まったとされる。大火や飢饉(ききん)による中断や、衰退の危機もあったが1984年に住民有志が復活させ、保存会を中心に伝統を引き継いでいる。

 11日は午後0時半から岡太神社で式典を行った後、地区内約4キロのルートを約3時間かけて、山車が巡行する。

【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】

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