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火山の噴火、森を見れば予測できるかも。緑が濃くなると危険なサイン?

  • 2025年5月29日
  • Gizmodo Japan

火山の噴火、森を見れば予測できるかも。緑が濃くなると危険なサイン?
Image: Shutterstock

火山の噴火を予測することができれば、何千何万という命を救うことができます。

そのため、火山学者は、地形の変形、放出されるガス量の変化、地震などに常に目を配り、データを集め正確に予測しようと試行錯誤しています。しかし予測は不可能ではないにしろ、非常に難しい。

そこで、NASAとスミソニアン協会がタッグを組み、火山噴火予測の新たな研究調査を進めています。着目したのは、宇宙から人工衛星で見た森の色。

二酸化炭素の排出量を目で見る

「噴火予測システムで我々が目指すのは、より正確に早く予測できることです」と語るのは、NASAリサーチセンターの地球科学部門の火山科学者Florian Schwandner氏。

火山の噴火前にマグマが地表に上昇してきますが、このとき、二酸化炭素や二酸化硫黄などのガスが放出されます。つまり、二酸化炭素放出は火山活動が活発化している初期サインの1つ。すでに噴火予測の要素に二酸化炭素排出量のモニタリングがありますが、容易ではありません。

それをなんとか比較的簡単にトラッキングしようと、火山科学者はもちろん、生物学者や気候科学者も巻き込んで研究されたのが、人工衛星画像を使って火山周辺の木々をモニタリングする方法です。

火山活動が活発化すると周辺木々の色が変わるのは、科学者たちにとって周知の事実。二酸化炭素を多く吸収し、葉っぱがより色濃く、多く茂るからです。つまり、木々が茂れば、噴火も近いぞという話。

実際、イタリアのエトナ火山の噴火モニタリングでは、衛生画像で木々の様子がチェックされています。また、2017年のフィリピンでの火山噴火では、Schwandner氏の研究チームが二酸化炭素と二酸化硫黄の排出量に注視するよう助言したことで、政府関連機関が予測に成功。早期避難につながりました。

いち要因にすぎない

現在、豊富なデータがある人工衛星画像を使って、より正確な火山予測ができるなんてサイコーです。ただし、これが世界中のどんな火山にも対応できるわけではありません。なぜなら、単純に周囲に木々が存在しない地域もあるからです。また、どんな種類の木が生息しているかによって、二酸化炭素への反応も異なります。さらに、山火事や天候、植物の病気などによっても、人工衛星画像から得られる情報は変化します。

つまり、火山周辺の木々の緑だけで火山を予測するのは、やはり難しいというわけです。ただ、予測要因の一つとしては優秀。こうしたかたちで予測システムが強化されていけば、いつか完璧な予測が可能になる日がくるかもしれません。

Source: NASA

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