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アメリカで発見された鷹、信号が青のときだけ獲物を狙っていた。賢すぎ…

  • 2025年5月30日
  • Gizmodo Japan

アメリカで発見された鷹、信号が青のときだけ獲物を狙っていた。賢すぎ…
© Vladimir Dinets

鳥ってやっぱり賢い。

カラスは道具を使えるし、特定の人間に対して恨みを持つことさえあるんですって。カササギは鏡に映った自分を認識できるらしいです。そして今回、新たに明らかになったのは、鷹が信号を利用して獲物を狩っているということ。学術誌Frontiers in Ethologyに発表された研究なのですが、どういうことなのか紐解いていきましょう。

ことの始まりは?

テネシー大学ノックスビル校の動物学者であり、本研究の著者であるVladimir Dinets氏が、自宅近くの交差点で目撃したことからすべてが始まりました。動物学者としてDinets氏は長い間、都市環境に対する動物たちの視点や理解に興味を持っており、特に鳥類と車の関係に注目していました。都市と動物の関係で言うと以前にも、高速道路で動物の死骸を探して徘徊するワタリガラスや、車を使って捕食者から身を隠す小鳥の姿が観察されたこともありました。

こういったことに興味を持っていたDinets氏は、ある日、若いクーパーハイタカが家の近所にやってきて、非常に賢い行動をとり始めたのを目撃したのです。

ある歩行者信号のある交差点で

Dinets氏がFrontiers in Ethologyの寄稿で説明したことによると、その交差点はラッシュアワーでもそれほど混雑する場所ではないそうです。しかし、時折歩行者が道を渡ると、車の列がその先の小さな茂みのある木まで続くことがあったとのこと。歩行者用の青信号は、歩行のタイミングを知らせる案内の音も出すものでした。

ある朝、Dinets氏は、若い鷹が木のところから飛び立ち、車列のすぐ上を低く飛行して道を渡り、周辺にある家のひとつに近づき何かを狙って急降下するのを目撃したのです。

獲物は無防備にパンを食べる鳥たち

そして、同じ行動を何度も目撃することになりました。 実は、その茂みの木のそばの家に住んでいた家族は、よく庭で夕食をとっていたのです。そのため、スズメやハトのような鳥たちが、食べ残しのパンくずを目当てに集まってくるようになっていました。これが、タカにとっては絶好のチャンスだったわけです。庭に飛び込んでスズメやハトを捕まえていたのです。

興味深いことは、鷹がその行動をとるのは車の列が木のあるところまで並んでいる時だけ。

やがてDinets氏は、車の列が鷹にとって隠れみのになること。また鷹が歩行者用信号の音を聞き分けていることに気づきました。歩行者が信号のボタンを押すと、鷹はどこからか、その茂みの木へと飛んでいき、車が並ぶのを待つのです。そして、車の列に隠れて獲物に忍び寄っていきました。

鷹は歩行者信号の音を合図にして、鷹の姿が見えずに無防備でいる鳥たちが集まるその家へと向かうようになっていたようです。

「つまり鷹はその音と、最終的にできる車の列との関係を理解していたということになります」とDinets氏は説明します。また、鷹はどうやら近隣の地理をよく把握しているようでもあったとのこと。

家族が引っ越し信号が故障すると...

その鷹は次の年も戻ってきて、同じ戦略で狩りしていたそうです。しかし庭で夕食をとる家族は引っ越してしまい、歩行者信号も故障して使えなくなってしまったため、それ以来鷹の姿を見かけなくなったそうです。

都市に住む鳥たちにとって、暮らしは不自由も多いんですよね。窓ガラスにぶつかったり、車に轢かれたり、都会の騒音も鳥にとっては爆音かもしれません。ですが、Dinets氏の観察は鳥たちが都市生活に適応しているひとつの例を示していると言えます。「私の観察は、クーパーハイタカが都市で生き延び、繁栄するために、非常に賢くあることでそれを成し遂げていることを示していると思います」とDinets氏は記しています。

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