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早起きして夜明け前の空に金星を探したり、夜更かしして干潟星雲を眺めたり、一晩中流星を探したり。2025年6月の夜空も楽しみが満載だ。見どころを紹介しよう。
6月1日、金星が「西方最大離角」、つまり、地球から見て太陽の西側の最も遠い位置にくる。太陽の光に邪魔されないため、明けの明星を観測する絶好のチャンスだ。
観測に最適な時間は夜明け前で、北半球では東の空、南半球では北東の空に金星が昇る。
6月2日、ヘルクレス座球状星団(M13)が最も高く昇り、絶好の観測チャンスがやって来る。
ハレー彗星(すいせい)で有名な英国の天文学者エドモンド・ハレーが1714年に発見したM13は、10万以上の星が球状に密集するきらびやかな星団だ。肉眼では見えにくいが、双眼鏡を使えば簡単に観察できる。
6月の満月は「ストロベリームーン」と呼ばれているが、その語源である果物のような赤い色にはならない。それでも、美しい満月だ。この愛称は農業年鑑「Farmers’ Almanac」が広めたもので、北米先住民の伝統に由来する。先住民たちは満月を年間の収穫や狩猟と結び付けており、6月はノイチゴが熟す時期だ。
ヨーロッパでは古くから、6月の満月はミードムーン(ミードは蜂蜜酒)、ハニームーン(ハニーは蜂蜜)などと呼ばれている。NASAによれば、6月に蜂蜜を収穫することに由来しているようだ。また、古代の伝統では6月に結婚式を行っていたため、この満月にちなんで結婚の最初の1カ月を指すハネムーンという言葉ができたようだ。
次ページ:火星とレグルスが出合い、バタフライ星団が「絶好の位置」に
6月17日、しし座で最も明るいレグルスと火星が最接近する。最もよく見えるのは日没の約90分後だ。レグルスは実は単一の星ではなく4つの星からなる連星だ。
そして真夜中ごろ、バタフライ星団(M6)が地平線から最も高い「絶好の位置」に到達する。双眼鏡をのぞき込めば、チョウの形をした散開星団が見えるはずだ。
「絶好の位置」で見られるのは星団だけではない。干潟星雲(M8)は地球から約5200光年の距離にあり、渦巻く星間ガスの中から星が生まれている。6月22日真夜中ごろ、最も高い位置に到達する。
北半球の中緯度地域では、条件が整えば、肉眼で見られる可能性がある。それ以外の地域や条件では、双眼鏡や望遠鏡での観測がおすすめだ。
6月うしかい座流星群は変動が激しく、何百もの流星が次々と現れる年もあれば、ほんの数個しか見られない年もある。
6月27日に活動のピークを迎えるため、運を試してみるといいだろう。そして、運はすでにあなたの味方だ。月は三日月(月齢2)でほとんど光っていないため、暗い流星も見やすいだろう。