「緑のgoo」は2025年6月17日(火)をもちましてサービスを終了いたします。
これまで長きにわたりご利用いただきまして、誠にありがとうございました。
金鉱床が火山活動と関係しているのは知ってたけれど…。
どうやら地球の中心部は、私たちが思っていたよりもちょっと漏れやすいようです。Natureに掲載された最新の研究によると、地球の奥深くにある金属でできた核から、ルテニウムや金といった貴重な金属が、地表の火山岩にまで漏れ出している証拠が見つかったそうです。
ゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲン(以下ゲッティンゲン大学)のチームがハワイの火山島から採取した玄武岩を分析したところ、ルテニウム100という珍しい同位体の濃度が異常に高かったそうです。
この同位体は、地球の核よりも岩石のマントルにより多く存在します。つまり、この同位元素の存在は、溶岩が地球のもっとも深い層(地下2,900km以深)の物質を何らかの形で取り込んだことを示唆しています。
ゲッティンゲン大学の地質化学者であるNils Messling氏は大学のプレスリリースで次のように述べています。
最初の分析結果が出たとき、私たちは文字通り金鉱を掘り当てたことに気づきました。私たちのデータは、金や他の貴金属を含む地球の核に由来する物質が、地球のマントルに漏れ出ていることの裏付けになりました。
40億年以上前に形成された地球の核には、この星に存在する金の99.999%以上が眠っているといわれています。しかし、Natureが報じているように、これまでの研究でも一部の火山岩が核由来の物質で構成されていることが示されており、その物質がどうやって地表までたどり着いたのかは謎だったそうです。
今回、ゲッティンゲン大学の研究チームが開発した超高精度同位体分析によって、以前は検出できなかったルテニウム同位体の違いを識別できるようになり、地球の核と火山の関係を詳しく調査できたといいます。
ゲッティンゲン大学のMatthias Willbold教授は以下のように話しています。
「今回の発見は、地球の核が以前考えられていたほど孤立していないことを示すだけでなく、数百京トンにのぼる超高温のマントル物質がコア・マントル境界で発生し、地球の表面まで上昇してハワイのような海洋島を形成することも示唆しています」
研究チームによると、地表近くで見つかる貴金属の一部は、地球の深部にある溶岩の「貯蔵庫」がその起源かもしれないとのことです。
アイスランドや日本などの活火山が集中している他のホットスポットを研究すれば、地表に運ばれる物質のどれくらいが地球の核とマントル境界に由来するのかが明らかになるかもしれません。