プライバシー重視のブラウザDuckDuckGo。AI検索と「無料匿名AIチャットボット」を公開

  • 2025年4月3日
  • Gizmodo Japan

プライバシー重視のブラウザDuckDuckGo。AI検索と「無料匿名AIチャットボット」を公開
Image: DuckDuckGo

Lifehacker 2025年3月13日掲載の記事より転載

DuckDuckGoのAIインテグレーションが、数カ月に及ぶベータテストを経て一般公開されます。

無料での利用が可能(制限つき)で、DuckDuckGoの売りであるユーザープライバシーへの配慮もばっちり。アカウントを作成する必要はなく、何を検索したのかも追跡されません。

GoogleやBing、ChatGPTと同じように、DuckDuckGoのウェブ検索でもようやく、AIによる回答が得られるようになったのです。

AIによる回答は、「Assist(アシスト)」のラベルが貼られた小さなボックスに表示されますが、GoogleやBingほど目につくことはなく、表示も頻繁ではありません。

この機能について、DuckDuckGoは「レス・イズ・モア(ほどほどがいい)」を目指しているのかも。

「ほどほど」を自分で選べる

AI回答が表示される頻度については、ユーザーが調節できます。 Image: Lifehacker

DuckDuckGoのGabriel Weinberg最高経営責任者(CEO)は、「私たちは、AI機能を開発するためだけに、AI機能を開発しているのではありません」と述べ、さらに以下のように説明しています。

日常生活で役に立たなければ、これらの機能に意味はありません。その第一歩として、ユーザーの皆さんに質の高い回答を、もっと速く提供していきます。

DuckDuckGoでは、AIによる回答が表示される頻度を、ユーザー自身が調節できます。

DuckDuckGoの設定ページを開き、上部にあるAI Features(AI機能)のボタンを押すと出てくるドロップダウンメニューから好みの頻度を選びましょう。

選択肢は、Never(まったく表示しない)、On-demand(必要に応じて)、Sometimes(ときどき)、Often(頻繁に)。

SometimesかOftenのどちらかを選んだ場合は、DuckDuckGoの検索エンジンが、そのクエリに対するAI回答の適・不適について、ベストな判断を独自に下します。

DuckDuckGoの第2のAIサービスは、チャットボット「Duck.ai」です。検索結果にAI Assistのレスポンスが表示されたときは、Duck.aiに追加で質問をできます。

このチャットボットは、専用のウェブポータルでも利用が可能。複数のAIモデルにアクセスでき、GPT-4o miniやLlama 3.3、Claude 3 Haikuなど5つのAI機能を利用できます。

プライバシー保護の仕組み

検索結果のトップに、AI Assistのボックスが表示されます。 Image: Lifehacker

チャット内容がDuckDuckGoのサーバーに保存されることはありませんし、AIモデルの訓練に使われることもありません。右のツールバーにある炎のアイコンを使うと、記録からすべてのチャットを消すこともできます。

DuckDuckGoは理想的な利用法として、ユーザーが求めている回答を得やすくするために、ウェブ検索とAI Assist、Duck.aiを組み合わせて使ってほしいとの考えています。

ところで、これらの各種AIサービスが追加されてもDuckDuckGoは無料なままで、追跡も行われないのはどうしてなのでしょうか?

DuckDuckGoは広告から売上を得ています。ただ、ユーザーの情報をまったく持たないため、Google検索のようなターゲティング広告は行っていません。

同社は、高度なAIモデルや、AIとの追加チャットを利用できる有料プランの導入も検討しています。月額料金10ドル(約1500円)のプロレベルのサブスクリプションもすでに登場しており、加入者はVPNなどの追加サービスが利用できます。

DuckDuckGoのAIを試してみた

DuckDuckGoのAIを実際に使ってみたところ、その使用感は全体的に見て、DuckDuckGoのいつものスタイルと変わっていません。つまり、すべてがシンプルで使いやすく、表示も整然としています。最初に面倒な手順をいくつも踏まなくても、すぐに利用できます。

なお、AI AssistのレベルをSometimesに設定した場合は、だいたいにおいて、AI回答を加えるべきかどうかの判断を、検索エンジンが間違うことはありません。

これらの検索エンジンが急いでAIを導入している理由として「DNAの仕組みは?」や「起動しないPCを直す方法は?」といったクエリには、これまでのようにリンクをリストアップするより、ボットによる回答のほうが適していることが多いから。

追加の質問で不明な点を明確にできるなら、なおさらです。

Duck.aiへは、検索結果からすぐに飛べます。 Image: Lifehacker

逆に、昔ながらの検索、たとえば、「エッフェル塔」や「インターミッテントファスティング(断続的断食)」などを調べるときに対しては、DuckDuckGoは標準的なアプローチを守っています。

AIモデルは、フランスに行ったこともなければ、ダイエットを試したこともないですから。

ちなみに、AIの回答が見たいのに表示されないときは、Assistのボタンをクリックすると、答えが生成されます。

AI企業は、回答の正確さに関して曖昧だったり無視するといった態度を示すことが多いので、この問題にきちんと取り組むDuckDuckGoには好感が持てます。

AI Assistの回答は、「その大元のソースと同等に信頼できる」ものです。

スパムサイトや、風刺系の偽ニュースサイトを避ける対策も施されており、ユーザーのフィードバックによる検証も加味されます。AI回答のウェブソースは常時はっきりと表示されるので、クリックすれば実際のサイトを確認できます。

私が受け取ったAIの回答は、見たところどれも、完全に正確でした。試しにテクノロジー系の質問をしてみたところ、AI Assistは、評価の高いオンラインパブリケーションから情報を引いてきて、それを正確に表示しました。

その一方で、AIがすべてに答えを示すようになりつつあるなか、私たちはどこへ向かうのか、という問題があります(一部の人はAIが収集できる十分な量の情報をオンラインに載せない傾向があります。これについては、また別の機会にとりあげましょう)。

検索結果内で、追加の質問もできます。 Image: Lifehacker

Duck.aiチャットボットは、私が追加の質問をしたいと思っても、登場しないことが多くありました。

手動でDuck.aiに切り替えるのは簡単ですが、こうしたAIモデルについては、学習データ最終更新日はいつなのかという問題に突き当たります。

オンラインにある最新情報ではなく、過去のトレーニングデータに頼っているわけですから。リアルタイムのウェブ検索とAIを一体化するには、まだまだやるべきことがあるのです。

全体的に見て、DuckDuckGoのAI機能はバランスが取れており、AI過多を避けたい人にはちょうどいいかもしれません。AI Assistは常に表示されるわけではなく、もし表示されても、それが検索結果を独占することはありません。回答も簡潔かつ正確です。

AIをめぐって激しい競争が繰り広げられていますが、総合的に考えて、DuckDuckGoのプライバシー第一主義のアプローチは安心できるものといえます。

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著者:David Nield - Lifehacker US
翻訳:ガリレオ
Image: DuckDuckGo
Source: DuckDuckGo(1, 2, 3, 4, 5)

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