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便利な揚げ焼き調理器ノンフライヤー。どうやって調理してるの?

  • 2024年4月16日
  • Gizmodo Japan

便利な揚げ焼き調理器ノンフライヤー。どうやって調理してるの?
Image: Shutterstock

油を使わずに揚げ物ができると人気のノンフライヤー。エアフライヤーと呼ばれることもあります。

日本でも昨今とても人気ですが、揚げ油くらい高めの温度感で人気出まくりなのがアメリカ。特にコロナ禍のステイホーム期間で爆発的に人気に火がつき、SNSでも関連レシピが多くポストされています。

油を使わないヘルシーなフライヤー…。まるで魔法ですが、ある日突然開発されたまったく新しい調理法なのでしょうか? 突如現れた夢のキッチンガジェットなのでしょうか?

専門家に聞いてみました。

実はコンベクションオーブンの仲間

「フライヤー」というネーミングで勘違いしがちですが、実はノンフライヤーはコンベクションオーブンと同じ調理法なのです。コンベクションオーブンとは、庫内にファンが搭載されており、ヒーターが熱した風をファンで循環させ調理するマシン。コンベクション(Convection)とは対流のことです。

コンベクションオーブン
Image: Shutterstock

「エアフライヤーは、つまり小型のコンベクションオーブンなんですね。ただ、空気の流れに特化したデザインになっています。エアフライヤーは、通常のコンベクションオーブンよりも空気の流れが5倍ほど速くなっています」

そう語るのは、カナダのゲルフ大学で食物技術を研究する工学教授のKevin Keener氏。

ノンフライヤーの仕組みはこう。熱いメタルコイルの下にある大きなファンが、熱風を上から下へと吹き上げます。食べ物を設置するバスケットの下には、特別な溝のようなものがあり、ここが熱風の通り道となり、食べ物を中心とした熱風トンネルを作り上げます。非常に優れたデザインですが、新しい調理法ではありません。

つまり、ノンフライヤーはコンベクションオーブンを、より焼き揚げ風に最適化した手法だということ。

ノンフライヤーは「揚げ」ていない

油は空気よりも熱流束(単位はW/m2)が高いので、より素早く熱を食べ物に伝えることができます。

揚げ物のカリっパリっは、高い熱流束によって水分が外に逃げる前に、衣ができることで実現されています。揚げ物の熱流束は10W/m2から3万W/m2ですが、ノンフライヤーは、その数字にはほど遠いのです。

Keener教授いわく…

「エアフライヤーは、従来のオイルでの揚げ物のような力は持ち合わせていません。比較すれば、実際に油で揚げれば、(エアフライヤーによる)温風の100倍ほどの加熱力になります」

ノンフライヤーのメニューは、揚げ物ではなくベイク。鶏肉ならば、唐揚げではなくチキンの香草パン粉焼きというのが近いのです。

アメリカのご家庭にはコンベクションオーブンがある

日本ではオーブンレンジが一般的で、コンベクションオーブンがあると料理好きの豪華なキッチンというイメージがあります。ですが、アメリカでは1967年のコンベクションオーブン登場以来、キッチン家電の主メンバー。キッチンの作り付け設備として、賃貸物件でも設置されているところが多くあります。

コンベクションオーブンのデザインはさまざまですが、基本は食べ物を入れるラックの上下に熱いコイルが設置されており、庫内の奥真ん中にファンが付いています。

コンベクションオーブンがすでにあるご家庭は、ノンフライヤーバスケット&トレイを購入すれば、コンベクションオーブンでノンフライメニューが楽しめます。数万円のエアフライヤーを別途購入するよりもずっとお得!

では、日本市場はさておき、コンベクションオーブンが標準装備のアメリカ家庭において、なぜこんなにもノンフライヤーが流行っているのでしょうか? ノンフライヤーのグローバル市場規模は7600億ドル(約117兆3000億円)とも言われています。

ネーミングの勝利

オランダの発明家Fred Van der Weij氏が、2005年に昨今ブームとなっているノンフライヤーを開発。通常のフライヤーなしで、ご家庭でカリっとフワっとしたフライドポテトを作りたいと開発されました。Weij氏の試作品を購入したのは、家電メーカーのフィリップス。2010年、フィリップスのノンフライヤー初代モデルがリリースされました。

ノンフライヤー/エアフライヤーは、そのネーミングセンスが勝利の鍵です。多くの人が、その製品名からまったく新しい調理家電・調理法だと思ったのです。ヒットは優れたマーケティングによって実現したのです。一方で誤解を与える表現ということもできるでしょう。

1945年、William Maxsonという発明家が「Whirlwind Oven」というネーミングの家電を開発しました。一説にはこれがノンフライヤーの起源だと言われています。軍向けに冷凍食品の時短調理家電として売れたそうですが、当時の技術的制限もあり、庫内の温度は100℃弱までしか上がりませんでした。

Whirlwind Ovenが、現代のノンフライヤーのようにヒット商品にならなかったのはなぜか。「Whirlwind Oven=旋風オーブン」という名前のせいでしょうね。オーブンという既存アイテムと同じ名称なので、強く人々の注目を惹くことができなかったのです。

ノンフライヤーよりもずっと実際の商品をうまく説明できているネーミングだったのに、なんとも皮肉ですね。

ノンフライヤーの良さ

コンベクションオーブンが一般的ではない日本では、ノンフライヤーはヘルシーかつ手軽に揚げ焼きメニューを楽しめる便利な家電です。コンベクションオーブンよりも場所も取りません。

例えコンベクションオーブンがおうちにあったとしても、ノンフライヤーは庫内のヒートアップが素早く、少量調理に向いており、オーブンや揚げ物よりも敷居が低くお手軽というメリットがあります。

また、ノンフライヤー好きな家電マニアも多く、専用レシピ含め強固なコミュニティがあり、カルチャー的目線でいうと、ノンフライヤーは今までの調理家電にはない魅力があるのかもしれません。

ちなみに、ノンフライヤーがいい悪いという話は、今回一切していませんよ。もしかして誤解してない?という話だけです。そしてその誤解が解けたとしても、使う人は使うのです。美味しいご飯ができたら勝ち、それがすべてなのですから。

ノンフライヤーで気をつけるべきこと

ノンフライヤーを使う上で気をつけたいこと。それは食べ物の下にクッキングシートやアルミホイルを敷いてないよね?ってこと。これやっちゃうと、コンベクションな揚げ焼きではなく、ただのオーブン料理になってしまいます。

なぜなら、クッキングシートやアルミホイルが熱風の対流妨げになるから。直接食べ物に熱風が当たらないので、ノンフライヤーの最大のメリットが失われてしまいます。要注意!

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