Teslaのイーロン・マスク氏とOpenAIのサム・アルトマン氏のライバル関係は、AIにとどまらずロボット事業にまで広がっています。気が合うんだか、合わないんだか…。
Teslaの人型ロボットはOptimus(オプティマス)。OpenAIの人型ロボットはFigure 01(フィギュア・ワン)。どちらも人型で、顔のつくり(?)も似ています。
どっちか猫型にしたらいいのに…。
Figure 01は、厳密にはOpenAIが開発するロボットではありません。パートナーのスタートアップ企業Figureが開発するヒューマノイドロボ。3月中旬、その様子を伝える最新動画が公開されました。
人間と話しながら、オーダーに答え、なぜそう行動したかをFigure 01が説明しています。
台の上に何があるかを認識して説明 「何か食べ物ちょうだい」→りんごを渡す (ゴミを台において)「なぜ今の行動をとったのか説明しながらゴミを片付けてくれ」→ゴミをカゴにいれながら説明 「今の状況を加味して、台の上のお皿とカップはどうするのがいいか教えて」→お皿とカップをラックにいれる 「今の行動どう思う?」→上手くできた動画の動きからFigure 01の優秀さがよく伝わってきます。
まず、会話自体が(若干の間はあくものの)完璧に理解されていてスムーズ。さらに、Figure 01は状況の前後を理解することができ、自分の行動の理由まで説明することができます。「〇〇しながら〇〇する」という、マルチタスクもこなしています。
りんごやお皿の扱いがスムーズな上に、コップを逆さまにしてラックにいれるという芸の細かさはお見事。
欲を言えば個人的に1つ気になることが…。使ったお皿は洗ってからラックにいれてほしいな…。
もちろん、動画のセッティングだと台とラックしかないので、洗うという選択肢がなかったわけですが。でも、もし、お手伝いロボがテーブルの上からお皿下げてそのままラックに入れたらキレますけどね。
TeslaがヒューマノイドロボOprimusを発表したのは2021年。発表時は、まさかのロボット風全身タイツを着た人がパフォーマンスとしてステージに登場。ロボット事業よりもマスク氏の強メンタルに度肝を抜かれました。
2022年には全身スーツではなく、本物のロボットが歩いて手をフリフリ。2023年年末にはダンスを披露。今年1月には優しい手つきでシャツを畳む様子が公開…されるも、実はこれが遠隔操作なのではと大炎上。
マスク氏が今後Tesla事業の主軸になると考えるロボットですが、大きな進歩がないのが現状です。
Figure 01がお皿を片付ける様子は遠隔操作ではありません。Figure創業者のBrett Adcock氏自ら、動画内のFigure 01の行動はEnd-to-EndニューラルネットワークによるものだとXで名言しています。FigureのAI担当であるCorey Lynch氏も、遠隔操作でないと動画の動きの解説とともにコメントしています。
TeslaのOptimusの名前こそだしていないものの、Figure側が意識していること、少々あてこすっているのは確か…。OptimusとFigure 01はバッチバチなのです。
OptimusもFigure 01も、お手伝いロボットとして実用化されるのはまだまだ先になりそうです。