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電子部品で作られた“テクノロジーのマンダラ”

  • 2024年3月11日
  • Gizmodo Japan

電子部品で作られた“テクノロジーのマンダラ”
Image: © Leonardo Ulian

ロンドンを拠点とするアーティストのLeonardo Ulianの作品を先日アートメディアのColossalが報じました。彼のアート作品は、インパクトのあるビジュアルとともに非常にユニークな性質を持っています。

アナログな設計で造られた立体芸術作品、世界地図や幾何学的デザインの平面作品は、いずれもマイクロチップやスピーカーなどの電子部品や機械の一部が使われているのです。

さらにそれらは銅線によって結ばれ、機械に施されるワニス処理のようにニスが塗られています。

さながらデジタル機器やコンピューターなどが分解されて別のかたちでつなげられたようなこれらLeonardo Ulianのアートはそれだけでもおもしろいものですが、さらにそのコンセプトを知るとより興味深いものだとわかります。

Leonardo Ulianの作品は、彼のウェブサイトやInstagramでたくさん観られますよ。

デジタルテクノロジー時代のマンダラ

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特に感銘を受けたのは、こちらの画像を含めた『Technological Mandala』というシリーズです。

“テクノロジーのマンダラ”を意味するこの作品は、さまざまな電子部品や3Dプリントによるオブジェクトなどを銅線などでつなぎながら鮮やかな幾何学的デザインを描いています。

このマンダラこそ、Leonardo Ulianのコンセプトを形作るものなのです。近年では、デジタル描画ソフトウェアによって作られたデジタルマンダラやかの有名なスポーツ選手によって知られた「マンダラチャート」など広く知られたりしています。

マンダラ(曼荼羅)は仏教のなかでも密教において、仏や菩薩などの配置によってその世界を表現したもので、かなり簡易な説明となりますが、仏教における本質やその世界で描かれる宇宙の真理を描いたものとされています。

現代社会を象徴するようなアート

さて、Leonardo Ulianのこのテックマンダラは、すなわちテクノロジーによって急速に成長したインターネットやデジタル機器がいたるところに浸透し、大きく変革した現代社会そのものを表現した作品、というわけです。

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マンダラが密教の儀式に使われたようにLeonardo Ulianも自身の作品を

さまざまな存在の間に表われるつながり、現実の破壊と再構築という現代の儀式とのインタラクティブ性を探求しているのです。

と説明しています。

マンダラが仏や菩薩を配置するように、現代社会においては電子機器のパーツやマイクロチップこそが世界を表現し、こうして配置されることで人間とデジタルテクノロジーの間に存在するつながりも表現しているといえます。

テクノロジー論としても文化としても、哲学としてもこの作品の示す世界は非常に興味深いと思えます。

また、こうした分解と配置によって並べられたテックマンダラが、クラフトワークのようなある種アナログな構成によって造られていることもおもしろいですね。テクノロジーが社会を構築している事実とまだ人間が完全にテクノロジーに支配されたわけではない、そんな現時点を正に表わしているように思えるのです。

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こちらの『Techno Atlas』も同様の示唆を含んだシリーズといえます。

電子部品と銅線で象られた世界地図は、テクノロジーと人間の間にあるつながりを、より具体的なイメージによって示唆に富んだものとなっています。

ほかにもLeonardo Ulianの作品には、ほかのオブジェクトや人間の身体のようなモチーフによるアートなどもあります。ぜひとも彼のウェブサイトやInstagramを一度ご覧ください。

source: Leonardo Ulian, Instagram, Colossal

現代アートっておもしろい。プチプチに絵の具を注入して描いた絵 こちらは、ニューヨークを拠点に活動するアーティストのブラッドリー・ハート(Bradley Hart)が制作したアート作品。この緻密なモザイク画は、なんと再利用された気泡緩衝材(いわゆるプチプチ)を使って作られたのです。子どもの頃に多くの人がつぶして遊んだであろうプチプチを使って、こうしたアート作品をどのように作ったのか、Hyperallegicが伝えています。プチプチに絵の具を注射して作るモザイ https://www.gizmodo.jp/2024/02/bradley-hart-bubble-wrap-dots-art.html

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